発光の仕組み、白熱電球・蛍光灯・LEDは何故光るのか?人が作った技術の光

LEDの原理

LEDの発光原理自体は蛍光灯の水銀と似ています。電子に過剰なエネルギーを与えて、要らないエネルギーを放出する。しかし、電子に過剰なエネルギーを与える過程が、全く新しい技術になります。

(panasonicのウェブサイトより)
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左の図を見ていただけるとわかりますが、青い穴と赤い粒が近づき、二つが衝突している箇所で発光しています。

またしても二つの物体の衝突とともに発光しているのですが、赤い粒が電子であるのに対して、青い穴は厳密に言うと物質ではありません。文字通り正孔と呼ばれる穴なのです。

この正孔と電子が衝突した際、電子が持ったエネルギーを放出し、光を放ちます。

簡単に言うとそういうことなのですが、LEDを理解する上で、他の原理の説明では全く出てこなかった正孔と言う存在が癖者です。正孔と言うのは、動きとしてはプラス性質をもったの電子のように動きます。上の図でもわかりますが、青い穴(正孔)はプラスからマイナスの方向に動いていますね。何故、そのように動くかというと、正孔というのは、下の図の様に電子が無い穴だからなのです。

 Hole_conduction_01図の左側が実際の状態ですが、これは言い換えると右の図のようにプラスの物体が存在すると言う風に言い換える事もできます。

水中の泡をイメージしていただけるとわかりやすいかもしれません。泡は何も入っていない(空気)ですが、周りが全部水なので、泡と言う物体が存在する様に見えます。しかも、水は下に落ちますが、泡は上に昇っていきます。

この電子の中の泡が、正孔とも言えます。電子の中にいるので、正孔と言う何かが存在しているように見え、電子とは逆の方向に動くのです。

では、何故この電子の泡と電子がぶつかると発光するのでしょうか?

「過剰にエネルギーを持った電子がエネルギーを放出する際に光を放つ」とご説明しましたが、「蛍光灯が無理やり電子にエネルギーを与えて過剰なエネルギーを放出させた」のに対して、LEDでは「電子が落ちる穴を作って、電子が普通に持っていたエネルギーを放出させた」と言えます。

イメージとしては、普通にジョギングしていた電子に椅子を持ってきて座ってもらい、走らなくなって余ったエネルギーを光にして放出したと言うイメージが近いかもしれません。

 今までとは違い、LEDが無理なく光を発生させていると言うのが分かって頂けたかと思います。この正孔という電子が落ち着く椅子の存在を創りだしたのが半導体であり、技術を飛躍的に発展させるのに役立ちました。

 白熱電球や蛍光灯より大幅に省エネであり、さらに小型化が可能なため、21世紀の電灯といえるでしょう。

2020年からは、電灯の殆どがLEDに代わる

白熱電球、蛍光灯、LEDの原理の違いについて説明させていただきましたが、その特性によって我々の生活では大きく使い方が異なります。

白熱電球は安価であり、しかも熱を出しているので熱と光の双方が必要な環境(温室など)では重宝されます。さらに「熱(振動)」で光を出しているので、交流電流でも光が瞬くということはありません。蛍光灯やLEDの灯りで写真を撮ると、交流電流は人の目には見えないレベルで明滅しているので上手く光を得られません。しかし、灯りとしてはエネルギー効率が非常に悪く、環境に悪影響(電気の無駄遣い)が出るとして政府の指導で生産自粛が始まり、大手メーカーでは白熱電球の生産は既に止めています。

一方、エネルギー的には効率が良い蛍光灯ですが、人体に有害な水銀を使っていると言うことで、これも環境に有害であるとして、2020年を目処に世界的に水銀使用の規制が始まります(水俣条約)。水銀を使わない蛍光灯が発明されない限り、蛍光灯も間違いなく規制対象になるので、いずれ蛍光灯は使われなくなっていくと思われます。

つまり、2020年以降、日本の電灯の殆どがLEDに取って代わられると言うことに他なりません。

確かに、LEDは非常に多くの点で他の電灯より優れています。しかし、半導体を使った技術であり、他の電灯とくらべてかなり効果な灯りです。長期的に見れば電気代が安くなり、いい事づくめですが、昔ながらのやたら熱い白熱電球や長細い蛍光灯が見られなくなるのはどこか残念な気がしますね。

二十年もすれば、白熱電球や蛍光灯を見て、昔を懐かしむ事もあるのかもしれません。

[2016/06/17 更新]