食事から発電できるのか?バイオ燃料電池の未来と人体のエネルギー

食べ物をエネルギーとして使うということ

食べ物をエネルギーにするというのは、エネルギー効率的にはどうなのでしょう?

精白米1kgが持つエネルギーは約3500kcal。大豆は約4500kcal。一方、燃料として使われる木炭1kgは3600kcal。さらに灯油は10000kcalぐらいになります。

灯油と白米のエネルギー量を比較するだけでもかなりおかしな話ですが、こう考えてみると白米と灯油ではかなり大きな差がありますね。大豆が意外に高いエネルギーを持っているのも驚きです。

ちなみに、カロリー(cal)は熱量なので基本的には燃やした際のエネルギー量を意味しています。カロリーを電気エネルギーの比較に使うのは不適切な様に思えますが、1cal = 4.184Jで、ジュール(J)は電気的なエネルギーの基準にも使われる単位です。

あくまで理論上の数値ですが、エネルギー量の比較にカロリーやジュールは使えると考えて良いでしょう。

さすがに石油燃料には勝てませんが、こう考えてみると食べ物にも高いエネルギーが含まれている事がわかります。また、バイオ燃料電池には環境汚染がありませんし、身近に沢山ある食べ物を燃料として使えるというのは魅力的です。

また、忘れてはいけないのが、食べ物が保有するエネルギーは既存の電池に比べると遥かに多いということです。同じ重さや容量でも、電池よりはるかに多い電気作れる食べ物はエネルギー源として注目に値します。

バイオ燃料電池の未来

「食べ物を燃料に使えたからと言って何が変わるんだ?」と思うかも知れません。

確かにこの利点だけを見て、バイオ燃料電池がどのように使われていくのか想像するのは難しいでしょう。

しかし、食べ物を元にエネルギーを作れるということは、食べ物を食べる生き物の体から電力を作れるということ意味しています。

バイオ燃料電池の応用先として最も期待されているのがペースメーカーのような体内に入れて使う電子機器で、半永久的に電池交換が必要なくなります。他にも、動物や昆虫、植物などに取り付ける機械にも応用は可能です。

また、どこにでもある食べ物や飲み物から電力を作れるということで、手軽に使える携帯端末の充電器としても利用できるでしょう。賞味期限切れの弁当が燃料として売られる日も近いです。

もっと未来には、機械が自発的に食べ物を食べて充電する日も来るかもしれません。人工知能が進歩して人の様に会話し、人型の体を持ち、食べ物を食べて充電するようになったら機械と生き物の区別がつけにくくなりますね。