日本武士と西洋騎士の強さを徹底比較(2):鎧・甲冑の防御力と重量と動きやすさ

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比較してみる

比較点する点は、「防御力」「重量」「動きやすさ」の3点です。今回は2種類しかないので、ABCの三段階評価で行きましょう。

  • 防御力
    • 当世具足: 「C」
    • プレートアーマー:「A」

武士の鎧の防御力が決して低いわけではないのですが、プレートアーマーの防御力が規格外です。さらに、騎士の場合にはこれに盾を持つケースもあるため、防御力の面で武士が騎士に勝つのはまず無理でしょう。

  • 重量(軽さ)
    • 当世具足: 「B」
    • プレートアーマー:「C」

当世具足は比較的軽量な鎧ですが、プレートアーマーに比べて絶大な差があるとは言えません。特に、軽量化されたプレートアーマーは当世具足に近い重量になるため、場合によっては殆ど差がないこともあるでしょう。

  • 動きやすさ:
    • 当世具足: 「A」
    • プレートアーマー:「C」

当世具足は間違いなく動きやすい鎧です。関節部がかなり自由になっているため、鎧を着ていないのと同じくらいとまではいきませんが、それに近い動きができます。一方、プレートアーマーはやはり動きにくい鎧です。戦闘に必要な動きは十分に出来ますが、バイザーを下ろした状態では殆ど前が見えませんし、軽量化されたものであっても関節の可動部はどうしても狭くなってしまいます。武士が自由に動ける状態だと、騎士は苦戦するかもしれません。

結論

総評は、「軽快な機動力の武士」と「圧倒的な防御力の騎士」と言ったところです。

扱いやすさに特化した武士の武器を効果的に使うためには、やはり武器を十二分に扱える軽快さを持った鎧が必要です。一方で、威力重視の武器が多い西洋の騎士は軽快な鎧を使わなくても相手を倒せます。武器の威力に任せて敵を倒し、自分は高い防御力で身を守るという戦い方になるのも納得です。

単純に防具の性能を比較するとなれば、「同じ武器を使って戦った場合」を考えます。そこで、「刀を持った場合」「ハンマーを持った場合」「槍を持った場合」「ハルバードを持った場合」の4つのケースを想定しました。

互いに刀を持った場合
刀の攻撃がフルプレートアーマーに殆ど通用しないため、騎士が有利です。武士にも勝機はありますが、技量が同じなら難しいでしょう。

互いにハンマーを持った場合
ハンマーの攻撃は、当世具足にもプレートアーマーを着た騎士にも同程度に通用します。この場合、軽快に動ける当世具足を着た武士が有利です。ちなみに、片手で使うタイプのハンマーでは騎士は盾を装備しますが、これは武士も同じ条件とします。

互いに槍を持った場合
槍では斬撃と刺突が使えますが、どちらも有効な当世具足に対しプレートアーマーには斬撃が通用しません。刺突による戦いになりますが、槍による刺突は強力で、プレートアーマーに対してもある程度は有効です。また、槍には若干の打撃力もあるため、鋭い突きに組み合わせて転倒させる事ができれば武士にも勝機はあります。しかし、決定的な威力に欠けるのでやや騎士が有利です。

互いにハルバードを持った場合
ハルバードは「打撃」「刺突」「斬撃」の全てが可能です。当世具足には全てが通用しますが、フルプレートアーマーには斬撃が無効で、刺突の効果が今ひとつ。しかし、扱いの難しいハルバードでも軽快に動ける武士は武器を十分に使いこなせる強みがあり、ハルバードの重量を活かした打撃で有効打を与えることができるはずです。この場合、殆ど互角の勝負になると予測されます。

これらはあくまで推測の範囲でしかありませんが、鎧の面では騎士が有利と考えて間違いないでしょう。これはあくまで「防具の比較」なので、互いに自分の武器を持った場合は考えません。

しかし、武士がプレートアーマーに刀で戦うのは少々無謀です。一方で、騎士はどんなケースでも長期戦になれば動きにくい鎧が足かせになります。素早く決着をつけることが重要です。

ちなみに、「武器と防具の組み合わせ」や「騎馬や集団戦術を組み合わせた戦い方」については別の比較にて詳しく扱うので、ここでは詳しく比較しません。

防御力では大きな差が出た武士と騎士ですが、「環境に対する適応能力」については大きな差があります。日本と西洋の環境からみた、武器や防具について考えていきましょう。

(その3へ続く)