10回クイズの不思議なメカニズム!引っかかるのは脳の成長に関連がある?5歳児がひっかからない意外な理由

Pocket

10回クイズと言えば、「ピザと10回言って」と相手に「ピザ」を10回言わせた後で、「ヒジ」を指差して「ここは?」と聞いて「ヒザ」と言わせるひっかけクイズのこと。大人や学生の多くが一度引っかかるクイズですが、某バラエティ番組の検証で「5歳から5歳の子供15人に試して誰も引っかからなかった」という結果が出て驚かされました。

検証方法に問題があった可能性もありますが、極めて簡単なクイズですし、検証を行った幼稚園で流行っていたわけでもなさそうです。これは「子供の脳」に何らかの関係がありそうなので、簡単に調べてみました。

10回クイズに引っかかる理由

10回クイズで必要となるキーワードは以下の3つ。

 ①-回答者に連続で言わせるキーワード
 ②-正しい答えにとなるキーワード
 
③-間違えて言ってしまうキーワード

それぞれ以下のような要素を含みます。

 ①は言いやすくて頭に音が残ること
 ①と③の音が似ていること
 ②と③の意味が似ていること
 
①②③は身近で連想しやすいこと

つまり、引っ掛けさせたい③のワードは音が①に似ていて、②に意味が似ているということです。使うキーワードが身近な単語で、「意味を深く考えなくても出てくる」というのも大切でしょう。

仕組みとしては、簡単に連続で言える①を言って頭の中が①で一杯になった所で②が正解となる質問をすると、①に音が似ている③を素早く連想してしまい、正解の②に意味も似ている③を疑わずに答えてしまうという流れです。

「①を連続で言う」というのが意外にキモで、単純作業をやっている間に思考が働かなくなり、余韻のように音だけが強く頭に残るようになります。この時に問題を出されると、余韻のように頭の中に響く音から連想できるものが先に答えとして思い浮かぶようになり、それが意味的にも答えが近いとなれば疑わずに答えてしまうのです。

このひっかけ問題を知っていると、①を連続で言っている間に警戒し、①を意識しないように「問題はなんだろう」と意識する事が多いようです。すると、問題を出された時に③を思いついても「意味が違う」ことに気づいて③を答えません。ただ、③ではないことが分かっても①に引きずられてしまうことがあり、正しく②を回答できずに詰まってしまうというケースも目立ちます。

これはまるでコンピューターに「矛盾を内包する質問」をして「バグ」が起こるのと似ています。前の言葉に引っ張られてしまう現象はプライミング効果とも呼ばれますが、効率化された大人の脳だからこそ起きやすいある種のバグだと考える事もできるでしょう。

子供の脳の成長には3段階ある

子供の脳は3段階の成長過程があると言われています。

生まれてから3歳ごろまでに「脳細胞の急速な成長」が起こり、急に様々な言語を話し始める言語爆発なども発生します。脳の成長はここで終わるとも言われていますが、脳細胞の増殖がピークに達するというだけで終わったわけではありません。ここからも成長は続きますし、思考力はこれからついてくる頃です。

3歳から7歳ごろまでには「脳細胞の活動の効率化」が始まり、考える力や理解力が急速に発達します。不要な脳細胞が減るとも言われる時期です。ここでは、ごちゃごちゃとまとまらなかった思考がまとまるようになると考えても良いでしょう。後述しますが、この時期が終わっているかどうかが10回クイズに引っかかるかどうかのタイミングだと考えられます。

7歳から10歳ぐらいまでの間に「脳細胞の複雑化」が起こり、論理的な問題解決能力や大人としての思考力が発達するようになります。10回クイズが小学校から流行り始めることから考えても、この問題にひっかかるのがこの頃からというのが分かるでしょう。

大人は連想することで作業を効率化している

気になるのが10回クイズとの関連性です。人は文字だけではなく音も加わると物事を覚えやすくなるといいますが、10回クイズに引っかかるは覚えやすいからというだけありません。

連続で同じワードを続けていると、それに似た言葉を次に連想しやすくなります。これは大人が物事を連想・想定することで素早く解決しようとしている事が深く関係しています。

料理、掃除、運転などなど、大人になると様々な行動が取れるようになりますが、それら全てに「連想力」が試されます。

例えば、1分間お湯が沸騰していれば加熱を止めない限り次の1分も沸騰すると想像するでしょう。埃が積もっている本棚を叩いて埃が舞ったのなら、同じように叩けば再び埃が舞うことは予想できます。運転中に過去子供が飛び出してきた場所を通る時には、また子供が飛び出してくるかもしれないと思って警戒するはずです。

人間は「関連性の低いものを見つける」よりも、「関連性の高いものを見つける」方がずっと素早くできます。つまり、人間の脳はあるものから連想して関連性の高いものを見つけることに効率化されていると言えるでしょう。

予測・連想能力があると10回クイズに引っかかる

この能力が発達するのが子供の成長の2段階から3段階。

つまり、10回クイズの中で10回同じことを繰り返したのだから「11回目があるかもしれない」と無意識の内に連想するようになるのがこの時期です。この段階が終わっていないと、過去の出来事から連想して次を予想する能力が不十分ということになります。

別に連想能力が無いわけではなく、無意識下では出来ないというだけです。大人になると無意識下である程度は出来るようになります。言語能力や脳の発達能力が大人のように効率化される前だからこそ、10回クイズに引っかからないと言えるでしょう。

もちろん、クイズそのものを知っていたり、モノの考え方やアプローチが独特な人は引っかからないのかもしれません。10回クイズと脳の関係をもっと詳しく調べてみると、新たな発見が生まれるような気もします。 

さて。長々と説明しましたが、理屈はシンプルです。

無意識下で常に次を予測・連想して行動する大人だからこそ引っ掛かり、次を予測・連想しない子供だと引っかからないのが10回クイズ。脳の仕組みについてはまだわからない部分が多いのですが、今はそういう理解で良いのかもしれません。