ドッキリって実は違法?ターゲットの優しさで成り立つエンターテイメント

Pocket

精神的・肉体的苦痛を被ったら慰謝料を請求できる

ドッキリの内容にもよりますが、ドッキリやイタズラによって何らかの苦痛を被れば当然ながら慰謝料の請求や法的罰則を科すことは可能でしょう。

例えば、この動画などは完全にアウトです。

相手に「死の恐怖」を与えてしまっていますね。

撮影していなかったとしても「脅迫罪」と言われてしまえばそれまでですし、日本だと凶器を持ち歩くだけで逮捕されるでしょう。凶器がレプリカであれば銃刀法違反にはなりませんが、それを他人に見せた時点で「脅迫罪」になる可能性があります。模造刀やモデルガンを他人に見えないように持ち歩けと言われるのは他人を脅迫しないようにするためなのですね。

この「脅迫罪」は他人に恐怖を与えた時点で成立する上に、刑法なのでただ「違法」というだけではなく「犯罪」として逮捕されるかもしれません。

ちなみに、脅迫というと「恐怖によって何らかの要求をする」というイメージがありますが、何らかの要求をした場合には「恐喝」です。武器を見せたり、襲うふりをして大きな声を出すだけでも成立する可能性があるため、ドッキリ系で一番成立しやすい犯罪ではないでしょうか。

とは言え、「ぶっ殺すぞ」とか「ぶん殴るぞ」と言っただけで脅迫になるとは言えず、それが「冗談」や「本気ではない」ことが客観的に分かる場合には成立しません。

そのため、ドッキリの場合には「冗談だとすぐに分かる」ように工夫することで、脅迫罪を免れる可能性があります。すぐにバラせば良いということではなく、見ただけで冗談だと分かることが大切です。指で銃の形を作って「撃つぞ」と大声を出しても、最初は声で驚いてもすぐに冗談だとわかります。そんなイメージです。まあ、背後から突きつけられたら分かりませんが・・・

また、「脅迫罪」に当たらなくても、幽霊が出て驚いたり、事故で驚いたりするだけでも、それによって相応の精神的苦痛を味わったと証明できれば慰謝料を請求できる可能性があります。直接痛みを与えるドッキリやマズい食べ物を食べさせるドッキリも相手に苦痛を与えているのは明らかなので、慰謝料請求の対象になるでしょう。

実際に一般人をターゲットに過激なドッキリを仕掛けていた「ドッキリカメラ」などでは、何度か一般人に訴訟を起こされかけ、その度にスタッフが必死に謝罪していたようです。場合によっては示談金を用意したケースもあったでしょう。海外の場合、ドッキリの撮影には「訴訟保険の加入が推奨」されており、最初から慰謝料を請求される覚悟を持って撮影に望む必要があります。

「よし。ドッキリに遭ったら訴えてやろう!」と思っても少し待って下さい。

ドッキリの内容にもよりますが「子供のイタズラ」程度の内容であれば慰謝料の額はそれほどでもありません。芸能人が訴訟を起こしても、慰謝料額よりも事務所やテレビ局と揉めるデメリットの方が大きいでしょう。一般人の場合にはテレビ局側が訴訟を回避するため、訴訟になる前に慰謝料相当の示談金が支払われるはずです。

よほど悪質なものでない限り、実際には微々たる額であることが殆どなのであまり訴えるメリットは無いかもしれません。それでも、不快な思いをして、それが許せないのであれば法的な手続きは可能です。ちゃんと謝ってほしいのであれば、弁護士に相談してみましょう。

日本のテレビ番組が企画するドッキリで訴訟になることは滅多にないはずですが、示談金が簡単に支払うことができないような個人のYoutuber等の場合には充分に注意する必要があります。

無事に「ドッキリ」や「イタズラ」を成功させるには?

「ドッキリ」や「イタズラ」関係の企画は基本的に違法性が高く、撮影側としては相応のリスクがある企画といえます。

「ドッキリ」企画はただのジョークといえばジョークですし、「これぐらいは許してくれるだろう」と思うかもしれません。しかし、「許して貰う必要がある」という時点で何らかの負担を相手に与えているのです。

では、どうすれば無事に「ドッキリ」や「イタズラ」の企画を成功させることができるのでしょうか?

ドッキリ企画では肖像権の侵害はどうしても発生します。しかし、撮影されること自体が苦痛になるような特殊な状況(トイレの撮影など)でない限り、映像が公開されるまでは実害はなく、賠償などの必要性も認められないでしょう。きちんと一人一人に説明をして、適宜消すことで訴訟になることは避けられます。

また、ターゲットが不快に思った時に説得に協力してくれる味方を作ることが一番大切です。芸能人なら事務所やマネージャーがそうですし、一般人なら家族・恋人・友人に了解を得るというのも一つの手です。何か問題が起こった時に「関係者」や「仕掛け人」といった加害者サイドにターゲットの身内がいれば、訴訟を回避しやすくなるでしょう。

ドッキリの企画自体に違法性がないものを選ぶというのも重要なテクニックです。

単純に「変な人」や「変な物体」を配置して相手の反応を見るなど、「恐怖」や「不安」を煽らず、「変わった状況」を作り出すことでターゲットを驚かせれば、相手に苦痛を与えることなく企画を進めることができます。問題は肖像権だけなので、適宜了解を得るだけで済みますね。

どちらにせよ、「ドッキリ」や「イタズラ」の企画慎重なプロセスが必要になる企画であることには変わりないでしょう。

基本的には仲の良い友人やそうしたジョークに理解のある相手でない限りはやるべきではありません。もしくは、企画自体に違法性のないものを選ぶしかないでしょう。ドッキリ企画でやたらと芸能人が起用され、一般人がターゲットになる場合には「ドッキリ」かどうか怪しいような変わった企画が行われるのはそのためです。

ドッキリ企画自体はエンターテイメントとしては非常に面白いものではありますが、この企画が成り立っているのはひとえに「ターゲット」と「社会」に寛容性があるが故。テレビで沢山の「ドッキリ」が放送されているということは、社会が豊かで余裕がある証拠なのかもしれませんね。