自撮り写真(セルフィー)を集めると何が見える? Selfiecityの挑戦と発見を探る

 Selfie―セルフィー:自分自身を撮影した写真。もっぱらスマートフォンやwebカメラで撮影されソーシャルメディアに投稿されるものを差す。――オックスフォード英語辞典

  鏡を前にスマートフォンを構えて自分の顔を映す写真は自画取り写真と呼んだ方がまだ通りがよさそうではあるが、オックスフォード英語辞典が「2013年を代表する英単語」に選出したのを機にメディアの注目が集まり、セルフィーという呼び名は日本でも浸透しつつある。外国人観光客がスティックの先にスマートフォンを取り付けて自分の写真を撮っている姿ももう珍しくはない。

 スマートフォン一つあれば撮影から共有までを手軽に行えるセルフィーは日常的に行える自己表現の一つである。日常会話で自分の考えを述べたり、その日着る服を選んだりするのと同様に、意識的なものと無意識的なものを含め人間が日々行っている“メッセージの発信”の一形態と考えてもいいだろう。

 ここで一つ疑問が浮かぶ。
 セルフィーが自己表現の一種であるのなら、地域や文化毎に何か傾向がありはしないだろうか。自分の写真を撮るという行動自体は世界中どこに行っても変わらないとはいえ、そこに表現されているものに地域差がありはしないだろうか――。

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