機雷掃海の危険性と戦えない掃海艦艇、自衛隊の掃海任務が注目される理由

自衛隊の機雷掃海群が世界屈指の能力を有している事に関しては以前お伝えしましたが、安保関連法案の審議に伴い、日本の機雷掃海活動に大きな注目が集まっているようです。

しかし、機雷掃海と一言で言っても簡単ことではありません。機雷は非常に強力で、掃海の手法も絶対に安全と言えるものではありません。また、あまり理解されてはいませんが、自衛艦とはいえ掃海艦艇の戦闘力は極めて低く、海上保安庁の艦艇並と言っても過言ではないです。

一度戦闘になれば、あっさりと壊滅してしまう戦えない掃海部隊が何故これほどまでに注目されているのでしょうか?

本記事では、機雷掃海部隊の能力から少し離れた観点から考えてみたいと思います。

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世界トップクラスの自衛隊の機雷掃海隊群、なぜ日本の掃海能力が求められているのか?飢餓作戦から現在へ

日本の機雷掃海部隊は、各地に散らばる部隊を合わせて機雷掃海隊群と呼ばれます。その部隊の一つを、中東に送って機雷掃海をさせようという議論があります。

機雷の恐ろしさ機雷掃海の手法については以前の記事をご覧頂ければわかりますが、機雷掃海と言うのは戦闘こそないものの非常に危険な任務です。それを中東まで行って行う価値があるのか疑問に思うことでしょう。

特に中東と言えば、日本から遠く離れた無関係な国のように思えます。しかし、機雷と言うのは地雷などと同じように通りかかった船舶を(基本的には)無差別に攻撃する兵器で、中東からは日本が毎日大量に消費している石油が船舶で運ばれてきます。石油を運ぶ船舶を守ることは、日本だけでなく世界中の国の利益になります。

そこまでは良いとして、では、なぜ専守防衛の自衛隊が中東に行ってまで危険な任務に出向かなければならないのでしょうか?

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様々な掃海・掃討の手法と掃海艇が触雷しない理由-自衛隊の機雷掃海(後編)

機雷の恐ろしさについては前編で取り扱いました。では、次はその機雷をどうやって無力化するのかというお話です。

潜水艦も機雷も、海の中にあり海上や空からは見えません。海中の物体を探すには音(ソナー)を使うのが一番だという話は、別の記事にてご説明した通りですが、機雷は音を出しません。それでもアクティブソナーなどで見つけることは出来ますが、ただでさえ見つけにくい潜水艦よりさらに小さくて見つけにくいのが機雷です。

そのため、機雷を除去するための手法としては、主に「機雷を見つける」方法と「機雷に見つかる」方法があります。それらは一体、どんな手法なんでしょうか?

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