消毒がダメな理由。細菌の働きと消毒液の正しい使い方-傷の治療(後編)

前編では傷の治り方についての説明と、乾燥療法や湿潤療法についてご説明しました。

乾燥療法と湿潤療法の間には基本的に乾燥させるか湿らせるかの違いしかありません。しかし、湿潤療法が注目されると同時に、傷の治療に関して、消毒の是非についても議論されるようになりました。

湿潤療法が体内の細胞の修復能力を最大限活かすためのものであるならば、消毒はそれを阻害するのではないか。そうであるなら消毒しないほうが傷の治療には効果的ではないのだろうか?

と言う観点からです。実際、最近では傷口に消毒液や軟膏を塗りつけるような治療は減っています。結局のところ、消毒の影響とはいったいなんなのでしょうか?

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怪我の治り方について、乾燥療法?湿潤療法?それぞれの特徴と細胞たちの働き-傷の治療(前編)

皆さんは怪我がどのようにして治るのかご存じでしょうか?

線維芽細胞についての記事で、傷や細胞の損傷を修復するのに「線維芽細胞」が重要な役割を果たしているとご説明しましたが、傷の修復は線維芽細胞だけで行われるのではありません。血小板、リンパ球、白血球など様々な細胞(及び成分)が協力しながら怪我が治っていくのです。

傷を乾燥させない湿潤療法などが取り上げられるようになって久しいですが、何故消毒がダメなのか、乾燥療法ではなく湿潤療法が優れているかについても合わせてご説明していきます。

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線維芽細胞とは?iPS細胞の原料にもなり、皮膚・筋肉・骨にまで変わる人が元来持つ万能細胞

線維芽細胞と言う細胞の名前を聞いたことがあるでしょうか?

聞き覚えのある人は、おそらくiPS細胞や再生医療関連のニュースで聞いたことがあるのではないか思います。線維芽細胞は傷や人体組織の修復と密接な関わりがある細胞であり、人体のありとあらゆる場所に存在します。

怪我などをした際には、非常に重要な役割を担う細胞修復の要とも言える細胞なのですが、傷を直すと言えば「血小板」が真っ先に出てくるように、線維芽細胞の働きについてはあまり良く知られていません。本記事では、そんな線維芽細胞について簡単にご説明していきたいと思います。

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