弾道ミサイル防衛を素人向けに解説(後編)-パトリオットとTHAADミサイル

前編では「スタンダード・ミサイル3」と「GBI」について解説しましたが、これらは全て大気圏外をミッドコース(中間)段階の迎撃方法です。これは大気圏外での迎撃に特化しており、大気圏内に突入した場合には別の方法が必要になります。

それがターミナル(終末)段階で使われるパトリオットやTHAADミサイルです。後編では、その他に「迎撃ミサイルを爆発させずに直撃させる理由」や「ミッドコースとターミナル」を合わせたミサイル防衛戦略について簡単に触れていきましょう。

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弾道ミサイル防衛を素人向けに解説(前編)-スタンダード・ミサイルとGBI

北朝鮮がミサイルを発射する度に弾道弾迎撃ミサイルである「パトリオット(PAC-3)」「スタンダード・ミサイル(SM-3)」が話題になります。しかし、軍事に詳しい人でも無い限り、その具体的な違いなんて分かりません。テレビでミサイル防衛の戦略を説明されても極めて簡潔な内容でしなく、「へえ、そうなんだ」で終わってしまって何故そのような戦略になっているのかが分かりません。

また、ミサイル防衛には批判的な意見も多く、本当に今の技術で守れるのかどうかも不安が残ります。そこで、軍事についてよく知らないような方にも簡単に分かるように、弾道ミサイル防衛のしくみについてご説明していきましょう。

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そうりゅう型がフランスの潜水艦に負けた理由、国内世論と中国に負けたオーストラリア

コリンズ級潜水艦後継艦問題に決着がつきました。結果はフランスの勝利で、そうりゅう型潜水艦が選ばれることはありませんでした。2014年の当初はそうりゅう型潜水艦が有利とされていましたが、フランスとドイツの参入や国内造船業界の抵抗、中国の圧力や豪州の政権交代が重なり、ある種の番狂わせが起きた形になります。

どうしてそうりゅう型潜水艦が負けてしまったのでしょうか? 勝利したフランスの潜水艦はそれほど優れた潜水艦だったのでしょうか? 何故、日本が誇る最新鋭潜水艦が選定に漏れてしまったのか、原因について探っていきたいと思います。

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そうりゅうの役割と戦術、日本とオーストラリアは潜水艦をどう使うつもりなのか?

日本の通常動力型潜水艦であるそうりゅうは世界でも屈指の潜水艦として知られていますが、日本やオーストラリアは潜水艦をどのように使うつもりなのでしょうか? 

オーストラリアがそうりゅうを使うにしろ使わないにしろ、求める潜水艦の使い方というのは既にあるはずです。また、既にそうりゅうを採用し、今後何十年かは使っていく予定の日本はそうりゅうを今現在運用中です。そこで、本記事では日本やオーストラリアが求めている潜水艦像やその役割について考えて行きます。

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レーダーに使われるフェイズドアレイアンテナとパラボラアンテナは何がどう違うのか? – ステルス(6)

前回、レーダーの仕組みについて簡単に解説しました。概要だけではありますが、レーダーがどういう原理で動いているのか分かったはずです。ですが、実はレーダー波を目標に向かって飛ばすというのはなかなか難しい話で、一つのレーダーで距離・方位・角度(高度)の3次元情報がはっきりと分かるようになったのはつい最近のことです。

電波を飛ばす機械と言うとアンテナを連想することでしょう。レーダー波を飛ばすにも当然アンテナが使われていますが、このアンテナの進歩がレーダーの進歩に繋がります。イージス艦などに搭載されるようになって注目されたのが「フェイズドアレイアンテナ」で、それまでは「パラボラアンテナ」が使われていました。パラボラアンテナは今でもよく使われているアンテナですが、この「パラボラアンテナ」と新しい「フェイズドアレイアンテナ」は何が違うのでしょう?

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レーダーの仕組みについて初心者にも分かりやすく解説 – ステルス(5)

ステルス技術について説明をしていると、ところどころにレーダーの話が出てきます。レーダーの仕組みについて詳しく理解していなくても、ステルス技術がどういうものなのか理解は出来ますが、考えてみるとそもそもレーダーというのはどういう仕組みでモノを見つけているのか不思議に思うこともあるでしょう。

電波を飛ばしてモノを見つける。やまびこのように返ってくる電波の反射波を検知してモノの位置を把握する。色々な説明の仕方がありますが、本記事ではそんなレーダーの仕組みについて簡単にご説明していきましょう。軍事技術についてよく知らない方向けなので、詳しい方にとっては退屈な説明になるかもしれません。

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ステルス機を見つけるための4つの方法、レーダーと電波を巧みに活用する – ステルス(4)

レーダーによる早期発見を防ぐステルス性を備えた兵器が航空機・船舶・車両と領域を問わず開発されるようになりました。このままだとレーダーで発見するよりも目で見た方が早いなんて時代が来るかもしれません。しかし、ステルス兵器の進歩と同時にステルス兵器を発見するための技術も進歩し続けています。

水中に潜る潜水艦はともかく、船舶や航空機であれば少なくともレーダー波は届きます。また、大気で多少散乱してしまうとはいえ赤外線による探知も有効です。レーダー波を巧みに操って反射波を抑えているとはいえ、障害物の何もない大空を飛ぶステルス戦闘機を見つけられないわけがありません。本記事では、ステルス兵器を発見するための技術を4つご紹介していきます。

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レーダー波の吸収・反射を極めたステルス航空機のしくみ-ステルス(3)

航空機を見つける最も有効な手段は電波を放つレーダーを使うことですが、このレーダーの仕組みを理解し、きちんと対策を取ればレーダーに見つからずに目的地に近づくことが出来ます。このレーダーに対するステルス性を高めた航空機がステルス航空機です。このステルス航空機が次世代の戦闘機として注目されていますが、その仕組みについてはそれほどきちんと理解されていません。

熱や可視光で航空機を見つける事もできますが、本記事では電波に対するステルス航空機の技術について、軍事技術にも詳しくない方にもわかりやすい様に説明していきます。

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レーダーから隠れる多彩な方法、電波から隠れるステルス技術は一つじゃない – ステルス(2)

ステルス技術と言えば、「対レーダー」というのはもはや当たり前になりつつあります。一昔前であれば、敵から姿を隠すための手法は光学的な欺瞞方法だけで、やることと言えば背景に合わせて機体に色を塗る程度です。しかし、レーダーが進歩してからは如何にレーダーに発見されないかがステルス技術の鍵になり、様々な技術が考えられてきました。

レーダーから隠れると簡単に言うものの、一体どのようなメカニズムでレーダーから姿を隠しているのでしょうか? レーダーから隠れるために使われる様々な技術についてご紹介していきます。

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ステルス技術とは何か?電波・熱・光・音から隠れる軍事技術 – ステルス(1)

ステルスと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
戦闘機や爆撃機、人によっては潜水艦や偽装船舶かもしれません。または、SF映画に出てくるような透明スーツを思いうかべる人もいるでしょう。実のところ、どれも正解です。

ステルス技術は兵器などの隠密性を高めるために使われますが、何に対する隠密性を高めるかでその特性が全くj変わってくるのです。例えば、ステルス戦闘機や爆撃機は主に電波を使ったレーダーから隠れることに特化した技術を使っていますが、潜水艦のステルス技術にはそれとは全く違ったアプローチが取られます。本記事では、それらのステルス技術について幅広い視点から見ていきましょう。

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