「雑音特性」と「ソナー性能」がなぜ重要か?-潜水艦の機密情報(1)

近年、フランス製潜水艦の情報漏洩に留まらず、日本の潜水艦に対する他国のスパイ活動も話題に上るようになりました。潜水艦は既存兵器の中で最も隠密性の高い兵器であり、その隠密性をなによりの武器として戦います。そのため、潜水艦はその居場所や任務を含めたあらゆる情報が極秘とされており、中でも技術情報は特に重要です。

居場所や任務のような時間が経てば価値を失うような一時的な情報とは違い、技術情報はその艦型が退役しない限り有益な情報となります。場合によっては、新型潜水艦にも同じ技術が用いられることもあり、そうなればその情報は新しい艦型に対しても価値を持ちます。そこで、潜水艦に関する情報の中で「どの情報がどれくらい重要なのか」について、全3回に渡って考察していきたいと思います。

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耳を澄まして敵を探す潜水艦の戦い、誕生当初より現代まで恐れられる究極のステルス兵器!

自分と同じ部屋の中に透明人間がいる。

そいつは刃物を持って息を潜め、自分を刺そうと狙っている。部屋のどこにいるか、もしかしたら部屋にいないのかもしれないが、目に見えないのでそれさえわからない。

目はあてにならず、こっそり動くそいつの位置を探るのは、物音に頼るしかない――。

想像すると気味の悪い話だが、こんなことはフィクションでしかありえない。普通ならば空想するのもばからしい、古くさいSF話といえる。

しかし海の戦場にはまさにこの透明人間が存在する。潜水艦だ。

海に潜って目に見えない潜水艦はステルス性を第一に行動し、そのステルス性はさまざまなアドバンテージを潜水艦にもたらす。

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