人食いバクテリア特集:溶血性レンサ球菌やグラム陰性桿菌が起こす壊死性筋膜炎の恐怖

人食いバクテリアの存在をご存知でしょうか?

SF映画の様に人が人喰いバクテリアに食われて消えてなくなってしまうわけではありませんが、人喰いバクテリアは血液や細胞を破壊しながら人体を侵食し、体を腐らせ、最終的には死に至らしめます。壊死が始まった人を救うには壊死した部分を切除するしかなく、無事助かったとしても、まるでバクテリアに体の一部を食われてしまったかのように体の一部が欠損してしまうのです。

エボラウイルスが殺人ウイルスとしては有名ですが、エボラウイルスはバクテリアではありませんし、体の一部が壊死することもありません。また、エボラ出血熱が人を1週間から2週間で死に至らしめるのに対し、溶レン菌のような人食いバクテリアは数日で人を死に至らしめます。そんなエボラ出血熱以上に恐ろしい人食いバクテリアを本記事でご紹介していきます。

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液体絆創膏ってなに? 利点と欠点、水絆創膏や塗る絆創膏とも呼ばれる瞬時に固まる水に強い医療品

液体絆創膏ってご存じですか? 絆創膏と言うと肌色のテープの真ん中に小さな白いガーゼがついたような絆創膏をイメージすると思います。小さな傷に貼り付けて治ったら剥がすよくある絆創膏。それが液体になったということでしょうか?

液体になったという言い方は正確ではありませんが、アロンアルファのような空気に触れると固まる液体を傷口に塗り、かさぶたが出来るのを待つこと無く傷口を保護する事が出来る製品です。

特に新しい製品ではないのですが、利便性の割にはあまり知られていないので本記事で簡単に紹介していこうと思います。

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消毒がダメな理由。細菌の働きと消毒液の正しい使い方-傷の治療(後編)

前編では傷の治り方についての説明と、乾燥療法や湿潤療法についてご説明しました。

乾燥療法と湿潤療法の間には基本的に乾燥させるか湿らせるかの違いしかありません。しかし、湿潤療法が注目されると同時に、傷の治療に関して、消毒の是非についても議論されるようになりました。

湿潤療法が体内の細胞の修復能力を最大限活かすためのものであるならば、消毒はそれを阻害するのではないか。そうであるなら消毒しないほうが傷の治療には効果的ではないのだろうか?

と言う観点からです。実際、最近では傷口に消毒液や軟膏を塗りつけるような治療は減っています。結局のところ、消毒の影響とはいったいなんなのでしょうか?

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怪我の治り方について、乾燥療法?湿潤療法?それぞれの特徴と細胞たちの働き-傷の治療(前編)

皆さんは怪我がどのようにして治るのかご存じでしょうか?

線維芽細胞についての記事で、傷や細胞の損傷を修復するのに「線維芽細胞」が重要な役割を果たしているとご説明しましたが、傷の修復は線維芽細胞だけで行われるのではありません。血小板、リンパ球、白血球など様々な細胞(及び成分)が協力しながら怪我が治っていくのです。

傷を乾燥させない湿潤療法などが取り上げられるようになって久しいですが、何故消毒がダメなのか、乾燥療法ではなく湿潤療法が優れているかについても合わせてご説明していきます。

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