原子力潜水艦の研究は原子爆弾よりも早かった!疎まれた研究と、偉人の影に消えた一人の科学者

1954年1月21日は、潜水艦の歴史に刻まれる一日といえる。アメリカで建造された世界初の原子力潜水艦「ノーチラス号」がこの日、時のファーストレディ立会のもとで進水した日だ。同艦は翌1955年1月17日、史上初となる原子力を使っての運転を成し遂げ、潜水艦の新たな時代を切り開いた。
このノーチラス号開発のために尽力したハイマン・リッコーヴァーは現在、「原子力海軍の父」と称されている。

ところで原子力潜水艦の登場は、原子爆弾に比べると9年も遅れている。一見すると原子爆弾を作るためのマンハッタン計画で蓄積された知見を下地に潜水艦への動力転用という発想が出たものと思ってしまうが、実はそうではない。
なんと原子力潜水艦の研究は、原子爆弾開発よりも先に始まっていたのだ。

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