前編では北朝鮮の弾道ミサイルについて説明しましたが、発展途上のものも含め、かなりの性能を有している事が分かりました。そこで気になるのが日本側の対策です。北朝鮮が日本を攻撃する手段は弾道ミサイルぐらいしかないため、日本と北朝鮮との間に何らかのトラブルがあれば日本が標的になる可能性は高いでしょう。
自衛隊はそれに対し、どのように対抗していくのでしょうか。北朝鮮の弾道ミサイルに対する日本の対策と戦略についてご説明していきます。
「ミサイル防衛は税金の無駄」「スタンダード・ミサイルではテポドンを落とせない」なんて言われることがあります。高額な研究資金がつぎ込まれる「弾道ミサイル防衛」には様々な批判がつきまといます。ミサイル防衛について、「どんな批判があるのか」「何故そんな批判をされるのか」「その批判は正しいのか」について、これから詳しく解説していきましょう。
北朝鮮がミサイルを発射する度に弾道弾迎撃ミサイルである「パトリオット(PAC-3)」「スタンダード・ミサイル(SM-3)」が話題になります。しかし、軍事に詳しい人でも無い限り、その具体的な違いなんて分かりません。テレビでミサイル防衛の戦略を説明されても極めて簡潔な内容でしなく、「へえ、そうなんだ」で終わってしまって何故そのような戦略になっているのかが分かりません。
また、ミサイル防衛には批判的な意見も多く、本当に今の技術で守れるのかどうかも不安が残ります。そこで、軍事についてよく知らないような方にも簡単に分かるように、弾道ミサイル防衛のしくみについてご説明していきましょう。
軍事技術のレーダーに関する記事で、フェイズドアレイアンテナについてご説明させていただきました。この記事ではあくまでレーダーの技術として扱っていますが、フェイズドアレイアンテナは通信技術にも使える高度なアンテナです。2016年1月には三菱電機が次世代通信技術としてフェイズドアレイアンテナを使った通信技術を発表しましたが、スマホの発達とデータの高密度化に伴って無線通信技術にもフェイズドアレイアンテナのようなアンテナが使われる時代が近づいています。
フェイズドアレイアンテナを使った通信技術と聞くと仰々しいですが、フェイズドアレイアンテナのように「電波を重ねる」事で電波を遠くに飛ばす技術は既に身近で使われています。皆さんが普段使っているLTE通信や新しいWi-Fiルーターに搭載されている11ac規格も、ビームフォーミングと呼ばれる「電波を重ねる」通信技術に対応しているのです。今までにはなかったこの新しい通信技術について、簡単にご説明していきましょう。
前回、レーダーの仕組みについて簡単に解説しました。概要だけではありますが、レーダーがどういう原理で動いているのか分かったはずです。ですが、実はレーダー波を目標に向かって飛ばすというのはなかなか難しい話で、一つのレーダーで距離・方位・角度(高度)の3次元情報がはっきりと分かるようになったのはつい最近のことです。
電波を飛ばす機械と言うとアンテナを連想することでしょう。レーダー波を飛ばすにも当然アンテナが使われていますが、このアンテナの進歩がレーダーの進歩に繋がります。イージス艦などに搭載されるようになって注目されたのが「フェイズドアレイアンテナ」で、それまでは「パラボラアンテナ」が使われていました。パラボラアンテナは今でもよく使われているアンテナですが、この「パラボラアンテナ」と新しい「フェイズドアレイアンテナ」は何が違うのでしょう?
ステルス技術について説明をしていると、ところどころにレーダーの話が出てきます。レーダーの仕組みについて詳しく理解していなくても、ステルス技術がどういうものなのか理解は出来ますが、考えてみるとそもそもレーダーというのはどういう仕組みでモノを見つけているのか不思議に思うこともあるでしょう。
電波を飛ばしてモノを見つける。やまびこのように返ってくる電波の反射波を検知してモノの位置を把握する。色々な説明の仕方がありますが、本記事ではそんなレーダーの仕組みについて簡単にご説明していきましょう。軍事技術についてよく知らない方向けなので、詳しい方にとっては退屈な説明になるかもしれません。