スマホやタブレットが普及し、どこでも読書やゲーム、動画視聴などが出来る様になった反面、その小さな端末に入るデータの容量が少すぎる事で不満を感じることが増えてきました。
そんな時、皆さんどうしていますか?
そこで、非常に便利な無線外付けHDDをご紹介します。
製品毎の簡単な比較もしてみました。
外部データの保存には、MicroSDなどを使って32GB-128GB程度は容量を増やすことが出来ます。しかし、高画質の動画などを入れていけばすぐに一杯になりますし、iPhoneやiPadには使えないので、データのやりくりが非常に手間です。
それ以外に、外部ストレージにデータを移す方法としては、クラウドストレージを利用したり、有線でPCなどへ直接データを転送したりする方法がありますが、これらは制約が非常に多いです。
まず、クラウドストレージはインターネット接続環境が必須。使える環境が限られますし、モバイルルータやスマホのLTEなどを使って大容量データを転送すれば、あっと言う間に回線使用量の上限に達します。そもそも、500GB前後が普通の外付けHDDと比べると、どうしても保存容量にも不満が残りますよね。
一番多いのは、有線転送でデータをやりくりしている人だとは思いますが、これにはケーブルが必須であり、咄嗟に必要なときにデータにアクセス出来ないなんてことが多々あります。
Wi-Fi搭載型外付けHDDとは?
特長1:基本的には外付けのHDDと同じ使い方が出来る
特長2:Wi-Fi機能を搭載し、無線でデータのやり取りが出来る
特長3:電池を内蔵していて、電源なしで稼働する
特長4:HDD本体がネットに繋がり、アクセスポイントとして機能する(別途、無線LANルーターが必要)
特長5:持ち運びを想定して作られているので、サイズはどれも小型(2.5インチ)
そこで登場するのがWi-Fi対応の外付けHDD。これの凄いところは、ほぼ全てのタブレットやスマートフォン、ノートPCなどに搭載されているWi-Fiを使ってデータを転送するところ。Wi-Fiによる無線転送速度はLTEの倍以上であり、何よりもLTEより安定していて、転送制限などが存在しないと言う点が魅力です。さらに、クラウドストレージなどとは違いサーバー依存ではないため、サーバーが混雑しているかどうかに関わらず、常に高速で転送が可能という所もありがたいですね。
基本的には端末側にデータを移動させる必要はなく、HDD上でデータを再生しながら、映像情報のみを携帯端末側に送って再生する事ができるので、いちいち動画ファイルを移動する必要はありません。つまり、鞄の中に入れたまま好きなときにスマホを取り出して、動画を再生が出来たり、リビングに置いておいて別室のPCでHDD内のデータにアクセスするなんてことも可能です。
使い方
細かな使い方はもちろん製品によって違うのですが、利用シーンや基本的な使い方は各製品共に同じです。内臓電池で稼働し、スマホやタブレットからIDとパスワードなどを入れてアクセス。後は自由にHDDのコンテンツにアクセスするだけ。
使用感としては、クラウドストレージを使うのと変わりません。しかし、大きく異なるのは、速度と同時アクセス性能。それを活かすとこんな事ができるようになります。
1.新幹線や地下鉄で、映画や写真、書籍の快適閲覧
HDD搭載のWi-Fi機能を使うので、電源を入れて鞄の中に入れておけばいつでもどこでもアクセスできます。一方、LTEなどのモバイル回線を使うと、高速で移動する新幹線や電波の限られる地下鉄などではデータ転送がスムーズに行きません。溜めて置いた動画や電子書籍はもちろん、昔の写真を掘り起こすのも簡単です。
2.ちょっとした休憩時間や昼休みに、のんびり昨晩のドラマでも
せっかく録画した大容量のドラマや映画をいちいちスマホに移していては不便ですし、すぐに容量が一杯になります。でも、録画したデータのほとんどをWi-Fi搭載のHDDに移してしまえば、容量を気にする必要はありません。Wi-Fi搭載のHDDは、基本的には有線と無線どちらでも接続できます。一度に大量のデータを移すなら、有線で転送すれば快適ですね。
3.仕事で取引先や同僚と、遊びで友人や家族と、同時接続でデータ共有
無線で繋げられるということは、つまりケーブルの制限が無いということです。一般的な外付けHDDでは、USBケーブルで一台につき繋げられる機種は一台までですが、Wi-Fi搭載型の場合は複数接続が可能です。これを使えば、仕事に必要なファイルをHDD経由で転送したり、友人や家族間で写真の受け渡しが可能になります。さらに、アクセスポイントとしても機能するので、自宅や会社のルーターやアクセスポイントのパスワードを教えたくない時に一時的にアクセスしてもらう端末としても使えますね。
よし、買うか・・・でも、結局どれを買えば良いの?
外付けHDDには膨大な数がありますが、Wi-Fi搭載モデルは実は結構少なかったりします。
そもそもどれにWi-Fi機能が搭載されているのでしょう?そして、どんな違いがあるのでしょう?
チェックポイント
①容量―どれくらいの保存容量があるのか?
②稼働時間―内臓電池でどれくらいの時間稼働するのか?
③その他―その他の機能は?同時接続台数など。
④コストパフォーマンス―価格と性能を比較すると?
メーカー毎に、上記のチェックポイントを比較してみようと思います。
BUFFALO
BUFFALOは、ハードディスク関連製品だけではなく、ネットワーク製品でも高い技術力を誇る。HDDと無線Wi-Fiを合わせたこの製品でもかなり信頼できるメーカー。性能も申し分ない。
<ミニステーション エア HDW-PDU3シリーズ>
500GB HDW-PD500U3 (Amazon.co.jp)
1TB HDW-PD1.0U3 (Amazon.co.jp)
①容量:
500GB/1TB
②稼働時間:
連続使用10時間
③その他:
同時接続8台。モバイルバッテリー機能搭載。USB3.0対応。AOSS対応。
④コストパフォーマンス:
やや高い。他の機種と比べて最も機能が豊富だが、普通の外付けHDDの3倍近い価格設定。機能を使いこなせるかが鍵。
【総評】
<ミニステーション HDW-P500U3>
500GB HDW-P500U3
①容量:
500GB
②稼働時間:
連続使用4.5時間
③その他:
同時接続3台。USB3.0対応。AOSS対応。
④コストパフォーマンス:
稼働時間が短いのが難点だが、1世代前の機種としては十分な性能だろう。新製品が出たお陰で値段が下がっているが、いずれ新製品に置き換えられてしまう可能性が高い。手に入るのは今だけかもしれない。
【総評】
IODATA
IODATAは、ハードディスク関連メーカーとしては、非常に古くから製品を世に送り出し続けた経験と実績のあるメーカー。日本で最初にWi-Fi搭載HDDの販売を始めたのもIODATAに他なら無い。
<WNHD-U シリーズ>
500GB WNHD-U500
①容量:
500GB
②稼働時間:
連続使用2時間
③その他:
同時接続3台。
④コストパフォーマンス:
性能の割には高い。モバイルバッテリー機能搭載。
【総評】
SILICON POWER
Silicon-Powerは、台湾のストレージメーカー。SDカードやSSDなど、小型のストレージに強い。台湾のメーカーなので信頼性と言う面では難があるが、製品は非常に安い。
<HDD Sky Share H10 シリーズ>
1TB SP010TBWHDH10A3J
500GB SP500GBWHDH10A3J
①容量:
500GB/1TB
②稼働時間:
連続使用5時間
③その他:
同時接続8台。USB3.0対応。
④コストパフォーマンス:
コストパフォーマンスが最も高い。基本性能を高め、その他の細かな機能を絞っている。
【総評】
こんな人にお勧め
まとめ
IODATAのWi-Fiハードディスクは時代を作ったものの、機種としては古すぎるようです。基本的にはBUFFALOか台湾メーカーの二択になります。SILICONPOWERのHDDは安いものの、スペック通りの性能が出るかは疑問が残ります。お金があるなら、BUFFALOでしょうか?
Wi-Fi搭載HDDは、無線機能とバッテリーが付くためどうしても外付けHDDとしては高くなります。無線を使ってのデータ転送は魅力的ですが、基本的にはモバイル端末での使用が前提となるため、自宅で使う予備のHDDとして使うと考えると少し高価。
とは言え、2.5インチのポータブルHDDの用途を考えれば、他のポータブルHDDに比べて十分な付加価値があるのは間違いないですね。