「日本の常識は世界の非常識」
そんな風に言われることもあるほど、日本というのは変わった国です。
もちろん、それが悪いと言う意味ではなく、とても良い意味で変わっているということもあります。しかし、それが仇になるのが海外旅行。特に、日本とは全く違う文化の歴史を持っている欧米では、その文化的な行動習慣の違いは大きく、日本人の行動が奇異に映ることが多いようです。
そこで、日本人が非常にやりがちで海外だと意外に恥ずかしい行動を3つほどピックアップして、その理由について説明して行きたいと思います。
カメラの撮り過ぎ
これは比較的有名な話ですが、日本人は昔からカメラ好きだと言われています。日本の風刺画に、出っ歯・カメラ・眼鏡が多いのにもよく現れていますね。海外旅行でカメラを取るのが好きなのは、日本人だけではなく中国人やアジア人に多いようですが、欧米人はアジア人ほどカメラ撮影を好みません。カメラ市場の人口比も、日中が群を抜いています。
これは文化的な習慣の違いに理由があるようです。と言うのは、中国や日本は昔から出来事を文書などの記録に残す習慣が強く存在し、同時期の欧米に比べてその当時の出来事を正確に把握出来るような文献の数にかなりの差があります。
どうやら、昔から日本人や中国人は記録好きだったようですね。
もちろん、欧米人も観光中に写真は取ります。しかし、少し移動する毎に写真を撮ったり、旅行中に食べた全ての料理を写真に収めるような人は滅多にいません。集合写真でカメラを代わる代わる交換しながら撮影すると言う事もあまりありません。
価値観や文化の違いとは言え、「旅を記録に残すことに必死になるより、旅そのものを楽しむ」事を優先する傾向が多いようです。
必死になってカメラを撮っている姿は、欧米の人にはかなり異様に映るようですね。欧米人旅行者や現地の人からすると、こう言ったカメラばかり撮っているアジア人は観光地の雰囲気を崩してしまうので、あまり好まれない事もあるそうです。特に料理の写真を取るときはお店の雰囲気などもよく考えた方が良いですね。
どうしてもカメラを撮りたい時だけ写真を取るようにして、料理などを撮るときは店員に確認した方が良いかもしれません。
チップを渡さない、少ない
これも日本にはチップの習慣が無いので仕方がないことなのですが、チップを渡さなかったりチップが少なかったりするのは非常に嫌がられます。
食事、宿泊、タクシー、デリバリーのサービスを受けた際に支払う代金には、「ウエイターの親切な応対」、「部屋のベットメイキングや掃除」、「スーツケースの乗せ降ろし」、「素早い配達」など、サービスに関する代金は殆ど含まれていません。そのため、感じのよいサービスを受けた場合は、そのサービスに対する対価を支払う必要があるのです。
日本では、これらのサービスは最初から代金に含まれており、店員やドライバーはサービスに対する十分な給料を貰っています。しかし、欧米では彼らの多くがサービス分の給料をもらっていない上、職業によっては生活のほとんどがチップで賄われていると言う職業もあります。ある意味では、それが欧米の安いレストランの店員は感じが悪いと言われる理由になっています。安い店に来る客は、払うチップも安いですからね。
一般的には、支払う代金の10%-20%がチップの相場だと言われています。その他、代金自体がはっきりしないサービス(ベッドメイキングや鞄を運んで貰った場合)のチップの額などは、そのサービスによってバラバラなので事前に調べておく必要があったりします。ですが、そう言ったオプション的なサービスでは1-10ドル程度のチップで収まることが一般的なので、最悪自分がこれぐらいで良いだろうと思った額でも良いかもしれません。と言うより、そんなに高額な紙幣は普通持ち歩かない(後述)ので、高額なチップと言うのはまず無いはずです。
どんな時にチップを払えば良いのか分からないかと思いますが、極端な話、相手が仕事で親切にしてくれた場合は常にチップを払うと確実だと言っても過言ではありません。払わなくても良いところで払う分には喜ばれますが、払うのが一般的な時に払わないとかなり感じが悪いです。
調べ物をせずに海外旅行をするのに慣れている人だと、最小紙幣を沢山持っておいて、相手の反応を見ながら紙幣を増やしていく事もあるみたいですね。最初はとりあえず一枚渡して、相手の表情を見てから、数枚追加したり追加しなかったり。私には出来ませんが、かなりの上級テクニックでしょう。
カードが一般的な国での現金払い、高額紙幣の使用
皆さんは財布の中に一体幾らの現金が入っていますか?
多分、平気で1万円以上入っているのではないでしょうか?人によっては、1万円札が数枚入っているかも知れません。欧米では、そこまで大金を持ち歩くことはめったにありません。大金を現金で持ち歩くことは危険な行為であり、多くの国でクレジットカードでの支払いが一般化しています。
10ドル、20ドル程度の支払いならともかく、百ドルクラスの現金払いはあまりないと言って良いでしょう。国によっては、百ドル札レベルの高額紙幣は偽造の可能性もあるため偽札かどうかのチェックが必要になり、嫌がられることが多いです。
日本は平和です。ATMがどこにでも置いてあり、財布に多くの現金が入っているのも普通です。しかし、海外では大金を現金で持っていることがバレると強盗に狙われる可能性が高く危険で、さらにATMは破壊されるリスクが高いので、セキュリティがしっかりしている場所にしか置いてありません。カード払いは手数料をカード会社に支払わないといけないこともあり、小さな店舗だとカードが使えないと言うこともあります。
外国人からすると先進国でカードが使えない店があるというのはかなり異様なことのようで、欧米では滅多にそう言う店がありません。そう言うカード払いが一般的な国で現金払いをすると、お釣りの計算に慣れていない店員の対応や紙幣の真偽確認などが手間になるようです。
とは言え、カードで手数料が取られるのはどこでも同じで、現金の方が少しだけお店としては特になると言う事情は確かに存在します。絶対に受け取ってくれないということもまず無いので、混んでない時を見計らって現金を使うようにしましょう。
まとめ
カメラ、チップ、現金に関する習慣の違いと言うのは、欧米人が日本人旅行者に対して必ず感じる文化的なギャップです。
カメラは記録に対する意識の違い、チップはサービスに関するシステムの違い、現金の使用については社会の安全性の違いがギャップを生む原因となっていますが、どちらの文化が良くてどちらが悪いということではありません。
人がそれぞれ違う価値観や性格を持っているように、それらが文化的に違うと言うだけです。
そしてそれらの違いを理解せず、何の配慮もしないまま別の文化を持った世界に旅行に行くと、知らないうちに恥ずかしい事をしていたり、相手の迷惑になる行動をしてしまっていることがあります。
皆さんも旅行するときには、その国の文化的違いについてきちんと調べておくようにした方が良いですよ。