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三大栄養素とビタミン・ミネラル・食物繊維の役割-消化と栄養(1)

人は毎日、何かしら食べ物を食べながら生活をしています。その食べ物によって人は生きていくための栄養素を摂取しているのですが、その栄養素は大きく分けて7つに分かれています。

それが、「炭水化物」「タンパク質」「脂肪」「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」「水」の7つです。厳密には、水と食物繊維は栄養素とは呼ばずに5大栄養素と呼ぶことが多いです。しかし、水も食物繊維も、人が生きていく上で摂取する必要がある物質と言う意味では、大切な「栄養」といえますね。

本記事では、それらの7つの役割や関係性、人が摂取した後の消化や活用について簡単にご説明していきたいと思います。

有機物と無機物、栄養素の成り立ち

まず、これらの栄養素は有機物と無機物に分けられます。

水とミネラルは無機物で、炭水化物・タンパク質・脂肪・ビタミン・食物繊維は有機物ですね。

それがどうした、と言う感じかも知れませんが、実はこの有機物サイドの栄養素は・・・殆ど全てが、炭素と酸素と水素で構成されています。つまり極端な話、水と二酸化炭素があれば、有機物側の栄養素は賄えてしまうというわけです。

実際には、そこまで単純化した栄養素で生活している生物はいませんが、人が摂取する栄養素としての有機物について考える時、忘れてはならないのが「植物」の存在です。

植物は、水と太陽があれば育つというほどたくましい生き物で、二酸化炭素と水を取り込み、光のエネルギーを使ってそれらを分解・合成して有機物の栄養素に変換しています。そして、動物や昆虫類は、その栄養素を蓄えた植物を摂取する事で体内に取り込み、植物自身の分解することで自身の栄養素に変えています。

そして、人が必要とする栄養素のほぼ全てが植物によって収集・合成されています。そのため、人は植物だけで生きていくことが出来るのですが、如何せん植物だけで生きていくのは少々効率が悪いです。

なんといっても、植物をたくさん食べて植物の栄養素を溜め込んだ動物を食べた方が、栄養の摂取効率は良いのです。これが食物連鎖ですが、人は植物からも動物からも栄養を摂取できるようになっていて、環境に応じて適宜必要な方法を選ぶことができます。

糖類、人の活動するエネルギー源

人が生きていくために活用しているエネルギーは、実は「」です。

脳が大量に消費している事が良く知られていますが、体中の細胞が糖を消費して活動しています。

それじゃあ、砂糖を沢山食べれば良いのかと言う話になりますが、ぶっちゃけそれもアリです。砂糖ばかり食べていると、しばらくして体の調子を崩すことは間違いありませんが、エネルギー源と言う面から見れば、砂糖で栄養補給は間違いではありません。何らかの理由で栄養補給が危ぶまれる時は、砂糖の塊(チョコ菓子など)でも持ち歩くと良いでしょう。

とは言え、糖類がエネルギーになるからといって糖分を取るのは、スマホが電気で動くから「電子」を摂取するというようなもので、電子のまま摂取しても一瞬で使いきってしまうので使い勝手が悪すぎます。スマホが電流を生み出すバッテリーを搭載しているように、人間もバッテリー代わりに炭水化物を摂取するようにしています。

炭水化物は分解すると「糖類」になりますし、体の中に蓄える事が出来ます。また、脂肪は糖類の備蓄に特化した栄養素で、分解して炭水化物に変えることが出来ます。つまり、「脂肪→炭水化物→糖類」と言う流れになるわけですね。

こうしてみると、炭水化物と脂肪は、最終的に糖類に変えることが出来る「エネルギー源」になる栄養素といえます。

ちなみに、タンパク質も分解し続ければ糖類になるのですが、エネルギー還元効率が脂肪や炭水化物に比べると低いため、脂肪や炭水化物が無くなった時の最終手段とされています。食べるものが無くなると、筋肉が減ってガリガリ痩せていくのはそのためです。また、タンパク質に含まれるアミノ酸は筋肉で大量に消費されるため、筋肉を多用する場合にはタンパク質を補給する方が良いこともあります。

体を構成・調整する栄養素

人が摂取する食べ物は、エネルギーにするためだけものばかりではありません。タンパク質ミネラルは人の体を構成する上で重要な役割を果たしています。

タンパク質は体の肉的な部分(皮膚・筋肉・内蔵もろもろ全て)を構成していますし、骨や歯、血液にはミネラルが欠かせません。

人体を構成する栄養素は、エネルギーと違って常に摂取し続ける必要のあるのものではないので、ミネラルなどの必要な量はそこまで多くはありません。しかし、人体の殆ど全てがタンパク質で構成されている上、古い細胞を常に入れ替え続けなければいけないので、タンパク質の必要量はそこそこ多いです。

また、ミネラル・ビタミンはこれら栄養素の分解・合成などの代謝に欠かせない成分であり、水はこれらの代謝を促進する溶媒となります。当たり前ですが、水がなければ血液は流れませんし、栄養素は然るべき場所に運ばれません。人体の半分以上が水で構成されていると言われるほど、水分は体を構成する重要な成分であり、体の機能を調整する働きを持っているのです。

さらに、大腸の細菌類が食物繊維を分解して作る物質の中には、腸の働きを整えたり、他の栄養素からは摂取できない貴重なビタミンなどを作る働きもあり、食物繊維が体の調整を行っているということもできます。

各々の役割まとめ

さて、少々ややこしくなってきたので、各々の栄養素の働きをまとめてみましょう。

<エネルギー> <体を構成> <体の調整>
炭水化物 タンパク質 ビタミン
脂肪 ミネラル 水分
タンパク質 水分 ミネラル
食物繊維

こうしてみると、多くの栄養素が複数の役割を持っていることが分かりますね。

食物繊維については、実際には腸内細菌の活動に依存しているので、どんな働きがあるのかよくわかっていない部分も大きいのですが、腸の働きを整えたり、ビタミンなどの必須栄養の元になることまではわかっています。

おおまかに説明していきましたが、一つ理解して欲しいのが、これら「炭水化物」や「ビタミン」の呼称は水を除いて全て「総称」であるということ。

炭水化物は糖類にすぐに分解できる物質類の総称ですし、ビタミンは「炭水化物でも脂肪でもタンパク質でもなくて、人が吸収・活用できる有機物」の総称です。ミネラルなどは、「人が吸収・活用できる無機物」の総称です。

ちなみに、食物繊維は人が吸収できない有機物の総称です。幸い、菌類が分解してくれれば、それがビタミンなどに変わってくれるので栄養になるのです。

どういうことかというと、これらの栄養素は、水を除いて食べ物を「大雑把に分けただけ」の名前なのです。

基本的にはこれらの栄養素を活用しているということを理解していれば良いのですが、それだけで安心かというとそういうことではなく、これらの栄養素はさらに細分化されて、各々別々の役割で活用されています。

これらの栄養素を均等に取っていたとしても、食材が似たり寄ったりの場合は、細かく見てみると栄養素が偏っていたなんて話は良くあることです。栄養学を学んでいたとしても把握できないレベルで栄養素は細分化されており、これを食べておけば大丈夫、サプリメントをとっているから大丈夫というわけではありません。

人は「味に飽きる」ことで、単調な食事を変化させる能力を持っています。あまり同じような食材を使った食事は避け、様々な食材を活用した料理を食べるようにしたいですね。

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