サイトアイコン Stone Washer's Journal

人工知能に奪われる4種の仕事!ロボットや機械によって消えてなくなる職業とは?

今後数十年の間に人工知能やロボット工学が飛躍的に進歩し、人の代わりに仕事をするようになると言われています。そうなると必然的に人の仕事が奪われ、職を失う人が出てくるでしょう。野村総合研究所の試算では、20年後には実に労働人口の半分がロボットに代わるとされています。つまり、二人に一人はロボットのために今の仕事を失います

技術の進歩で人が仕事を失うというのは今に始まったことではありません。しかし、人工知能の発達はそれの比ではないのです。単純作業しか出来なかったロボットが知性を持ち、今まででは考えられなかったような知的労働の世界にまでロボットが進出してきます。そこで、各種研究機関や報道機関の調査を参考に、今後数十年の間に消える仕事について考えてみたいと思います。

大きく分けて4分野の仕事が消える

二人に一人が仕事を失うとは言え、なんでもロボットが変われるわけではありません。創造的活動や学問分野は人工知能で代替することはまだまだ難しいですし、人工知能が代替してもどこかに人の手が入るものです。

人工知能に代替しやすい業種とそうでない業種がある中で、どの仕事が人工知能に奪われやすいのでしょうか?

特に奪われやすいのは「マニュアル化がしやすい業務」や「同一ルーティンの仕事を繰り返す業務」であり、大きくわけると以下の4つ分野に集約されます。

理由や細かな職種について後述しますが、これは大まかな分類であり、分類された職種の中にも人工知能やロボットに代替されないものは多数あります。そもそも、人の方がコストパフォーマンスにおいてメリットがあれば代替できても人を使うでしょう。

しかし、肝心の人工知能やロボットを作る製造業の現場が最も早く人工知能やロボットに置き換わる事を考えると、ロボットの製造・運用にかかるコストが人件費を下回るのは時間の問題です。

加えて、少しでも人件費が高くなればロボットに置き換える選択肢があるというのであれば、人が安い賃金で働かされる事も考えられます。どちらにせよ、人間にとって良いことではありません。

早い内に別の分野に転向するべきだということではなく、どうして自分の仕事が人工知能に置き換えられてしまうのかを考え、人工知能には出来ない立ち位置を確保するのが大切です。それについてもこれからご説明していきましょう。

仕事の補佐がメインになる仕事は消える

いわゆる、客や上司や担当者から「指示された業務を忠実にこなす」タイプの仕事は人工知能に奪われやすくなります。

事務処理系の業務はその典型です。指定されたフォーマット通りに記入されているかを確認し、それをマニュアル通りのプロセスで処理するという作業に関しては人工知能が圧倒的に正確で早いです。今までの機械では柔軟性が無くて難しかった事務処理も、認識能力や判断能力が進化した人工知能であれば問題なくこなせるようになるでしょう。

接客の業務では、時に応対する客の要求に応じて臨機応変に対応する必要がありますが、これは最初から「裁量が限られている」業務です。店長や上司に許可されている範囲内で仕事をするためマニュアル化や経験学習が可能です。自身で学び成長する人工知能であれば十分に臨機応変な対応が可能でしょう。

ただ、この場合の接客とは主に「レジ係」「受付係」「給仕係」などを指します。紛らわしいのですが美容師や整体師などのサービスを提供する仕事は「サービス業」と分類するためここでは接客業から除外しています。また、クラブやバーなどの店員による「接待」が行われるような業種もサービス業です。これらのサービス業は人間であることが重要なため、人間に置き換わっていく可能性はやや低くなります。

一方、助手の業務というと何の仕事がよく分かりませんが、実はかなり幅広いです。「◯◯助手」という職種は助手職ですし、助手という名前がついていなくてもアシスタント系の仕事は助手職と考えられます。多少スキルや知識が必要な助手職だったとしても、補助的な作業は人工知能とロボットによって十分代替可能なものです。サポートする相手に合わせて最適なサポートを提供できるようになった人工知能には勝てません。

人工知能やロボットに仕事を奪われないために大切なことは、「言われた事をするだけの仕事」で終わらせないことです。

相手をよく観察し、一歩先を読んで「言われる前に出来る」ようになれば人工知能に代替できないユニークなスキルとなるでしょう。また、模範的なサポートを提供することで、人工知能に「教える」立場になるというのも一つの手です。

(次ページ: 維持系と運転系職も人工知能に奪われる)

現状を維持するための仕事は消える

良い状態を保つ、安定した状態を維持する、問題なく運行させるような「今の状態を維持させるだけの仕事」は、全てではないとしても人工知能やロボットに奪われる可能性が高いです。

警備の業務は「警備員」や「監視員」などがそうですし、一部の「警察官」の業務もそれに含まれるでしょう。進歩した人工知能であれば、監視カメラを見て異常を発見することも出来ますし、交通整理や各種誘導なども簡単にこなしてくれるはずです。今までの監視カメラは「事件が起こってから見る」ケースが多かったですが、これからは監視カメラを人工知能がチェックしてその場で通報してくれるようになるでしょう。

保守点検の業務では、「清掃員」などが分かりやすいですが、他にも商品の検品作業や機械の動作を検査する業務などが当てはまりますし、インフラ系の「点検作業員」も人工知能と機械で代替できるようになります。ただし、修理や復旧作業となると不具合の状況次第ではマニュアル通りに出来ないことも多いため、実際に問題が起きた場合には人間の技術者を呼ぶという形になるかもしれません。

管理系の業務というのは、いわゆる部長や課長といった管理職のことではありません。マンションやアパートの管理人とか、駐車場の管理人など、施設や機材の管理を任される人の事を指します。さらに、工場や生産施設などの機械が正常に動いているかを見たり、数値に合わせて簡単な操作をするだけのような「オペレーター」系の職種も場合によっては人工知能に代替されるでしょう。

ただし、人工知能やロボットが労働力の大半を閉めるようになると、責任者という意味でも現場で「ロボットを管理する仕事」が増えてくる可能性が極めて高いです。維持する仕事は維持する仕事でも、「人工知能とロボットが働く環境を維持する仕事」という意味で維持系の職種が残ることもあるでしょう。

こうした環境で生き残っていくために必要なことは、人工知能やロボットに関する理解も含め、専門的な知識とスキルが必須です。

何も起こさないようにするのはロボットの仕事になりますが、それでも何か起こったら人間の出番です。何か起きた時にロボットには出来ないことをする能力があるかないかで、その仕事を奪われるかどうかが決まるでしょう。

何かを運ぶだけの仕事は消える

運ぶものが人かモノかゴミかに関わらず、「何かを運ぶだけの仕事」というのは人工知能やロボットに奪われる運命にあるでしょう。

運送系の業務は、「トラックの運転手」などがそうですが、他にも「郵便配達」「新聞配達」「宅配便」など、取り扱いの容易なモノであればほとんどすべての運送業務が人工知能とロボットによって行われるようになります。自動運転車などの開発は、人工知能開発の中でも特に進んでいる分野であり、最も早い段階で代替が進んでいくことでしょう。

交通系の業務は、「タクシー」「バス」「電車」などの運転手がそれに当てはまります。これはモノではなく人を運ぶ業務であり、人の命を預かるという点でモノを運ぶ業務とは大きく異なりますが、これも最終的には人工知能によって行われるようになるでしょう。それでも、きちんと安全性が確認されるまでは機械任せとはならないため、モノを運ぶ業務に比べると導入は遅れるはずです。

収集系の業務は、「ゴミ」「廃棄物」「リサイクル品」などの収集業務のことを指します。集めるものにもよりますが、多くの場合は定期的に同じ場を回ってモノを集めて回るだけなので人工知能とロボットに代替可能な職業です。場合によっては取り扱いの難しいモノを扱わなければいけないこともありますが、それも扱い方を学習させた人工知能に任せることができるでしょう。

車に限らず、船や飛行機やヘリコプターも人工知能によって完全にコントロールさせることが可能になります。そうなれば、乗り物はモノや人を乗せるだけの器となり、運転する必要がある道具ではなくなります。

そうなった時に人が出来ることは人間ならではの気遣いです。ロボットに扱わせたくない大切なモノを運ぶ際や介護の必要な病人や高齢者を運ぶ際には、もうしばらく人の手が必要になるでしょう。ただ人やモノを乗せて運転するだけではなく、運ぶモノや人に対する「サービス」を提供できるような運転手を目指すと良いかもしれません。

(次ページ: 奪われる製造業の職種と生き残る手段)

モノをただ作るだけの仕事は奪われる

モノ作りの全てが人工知能に奪われるということではありませんが、「マニュアル通りにモノを作る仕事」は真っ先に人工知能とロボットに代替されます。

建設系の業務は、家やビルを作る作業も含め、橋・道路・埋め立てなどの幅広い業務が人工知能とロボットによって代替されると考えられます。建設関係の仕事では環境によって様々な要因を考慮して作業を行わなければいけないため、決してマニュアル通りにやればよいというわけではありません。しかし、その状況に合わせた建設計画を人間が立ててしまえば、後は人工知能とロボットがプランどおりに完璧にこなしてくれるでしょう。

生産系及び作業系の業務は、農業・漁業・林業から電子機器や自動車の生産まで含めた幅広い製造業務を指します。農機具を使って行う農作業や漁業を行う作業員が人工知能と機械に置き換わるのはもちろんのこと、高い技術を必要とする金属・樹脂加工や繊細な組み立て作業なども人工知能とロボットで代替可能です。さらに、生産したものを倉庫で管理し、出荷する部分までを全て人工知能とロボットが行えるようになります。

また、給食や社食、ファーストフード店での調理などはロボットに代わるでしょう。一流の料理店のように味の良さを追求する調理はまだまだ人の世界ですが、味よりも素早く大量に作るという分野ではロボットが上です。

こうしてモノ作りの現場を考えてみると、恐ろしいほど人工知能とロボットが進出してくるのがわかります。

それでも、モノの設計や企画という部分はしばらく人間の仕事になるため、生き残るためにはマニュアル通りに作るだけという段階から一歩外に出ていく事が必要です。自分で何を作るべきかを考え、ロボットに作らせる側にまわりましょう。

マニュアルとルーティンに囚われない仕事をする

基本的に、マニュアル通りに作業するという分野では人はロボットには勝てません。また、ルーティンワーク化してしまった作業は人工知能が学習してマニュアルが無くても模倣すること出来るようになります。そのため、「いつも同じことをする仕事」はロボットのやることになるでしょう。

もちろん、本当に「毎回毎回完璧に同じことをする」というケースはどちらかというと稀です。トラブルが起きたり、マニュアルにない対応を求められたり、今までにはなかった出来事が起こることもあります。

しかし、進歩した人工知能は教えられなくても自ら学習し判断し成長する事ができるため、最初は出来なかったことでもすぐに出来るようになります。

さらに、別個体の情報を統合して短期間で膨大な経験を積む事もできますし、故障して個体が変わっても経験を引き継げます。つまり、人間と同じように時間をかければかけるほど洗練されていくということです。

最初は上手く処理できなかったイレギュラーな事態にも対応出来るようになりますし、人間以上に効率よく正確な作業を行ってくれるようになるでしょう。そのような世界で人が生き残っていくのは難しいかもしれません。

今回ご説明した4つの分野で進化した人工知能とロボットが組み合わさると、今までと変わらず働く人間は必要なくなります。今まではマニュアル通りに働く事を求められて来たかもしれません。しかし、その仕事は必ず機械に奪われます。

マニュアルやルーティンに拘り過ぎない働き方を模索していくことが必要です。

もちろん、完全にマニュアルやルーティンを外せということではなく、必要に応じて外せるようになる事が大切なのです。マニュアルは何か意図があって決められていますし、ルーティンというのはいつも同じことが起こる前提で習慣になります。

なぜマニュアルでこの作業が決められているのか、なぜルーティンワークとなってきたのか、その理由を追求し、マニュアルやルーティンそのものを進歩させる事ができれば人工知能を超える事ができるでしょう。

ただ、それすらもいつか人工知能が出来るようになると言われており、進化しすぎた人工知能が生まれた未来で人間が生き残る方法は誰にも予測できません。

それか、もしかしたら人間が働かなくて良い世界になっているかもしれませんね。

 

 

モバイルバージョンを終了