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夫や妻や恋人が浮気や不倫を「しない理由」から、「する原因」を考える

あの人が不倫した。この人が浮気した。そんな話をニュースや週刊誌で聞くこともあれば、知人や親戚から聞くこともあるでしょう。そのたびに、皆さん「またか」と思うかもしれません。

「どうせバレるのに、ろくな事にならないのに、どうして浮気や不倫をするのだろう?」
そうして浮気や不倫をする理由や原因を考えてみると、次から次へといろんな理由が浮かび上がってくることでしょう。それらはきっと全て正解です。男性でも女性でも、色々な理由で浮気や不倫をするものです。ですが、「なぜ不倫や浮気をしないのか」について深く考えて見たことはないのではないでしょうか? 

魅力的な人がいて、家族仲が悪くて、「する理由」がいくら沢山あってもそれに優る「しない理由」があれば浮気や不倫はしないはずです。考えるべきは、当たり前のように浮気や不倫をしない人たちが「なぜ浮気や不倫をしないでいられるのか」なのではないでしょうか?本記事では、その「しない理由」を考えることから「する原因」について考えていきたいと思います。

人が浮気や不倫をしない5つの理由

他にも細かな理由はいくつかありますが、大きく分けると以上の5つになってくるでしょう。欄外に「出会いがないから」というのも入れたいところですが、今回は議論とはあまり関係がないので除外します。

これらはさらに「外的要因」と「内的要因」に分けられます。「外的要因」は自身の心の中だけの問題ではなく、あくまで浮気や不倫という結果が生み出す要素を理由に「浮気や不倫をしない」のですが、「内的要因」は自身の心の中だけで完結するのでこの二つは分けて考える必要があるでしょう。

簡潔に言ってしまえば、「バレると困るから」しないのか「バレなくても」しないのかということです。

「パートナーが怖い」「社会的信頼を失う」というのは完全に外的要因であり、バレた時のことを考えてやらないというだけ。「人として間違っている」「性的欲求をコントロール出来る」というのは内的要因であり、バレようがバレなかろうが浮気や不倫をしない理由となります。

ただし、「家族や恋人が大切」というのは状況によって内的か外的か分かれます。純粋に「裏切りたくない」という気持ちは内的ですが、「バレたら傷つけてしまう」というのは外的要因になるのです。

内的か外的かというのは特に心理学的な解析アプローチというわけではなく、単純に「バレるかどうかで判断が分かれてしまう」から重要なのです。

多くの場合、これら5つの理由が複雑に絡み合っているため一概には言えませんが、この違いは「浮気や不倫をしない理由」を考える上で無視できない要素になるでしょう。

では、一つ一つの理由について深掘りしていきます。

家族や恋人が大切だから

建前にせよ事実にせよ、「浮気や不倫をしない理由」の中で上位に入ってくるのが「家族や恋人が大切」という理由です。

外的要因で言えば、「浮気や不倫で家族が崩壊する」リスクがありますし、そこまで行かなくても子供がいれば「子供に対する教育上の悪影響」というのは計り知れません。また、「家族や恋人を傷つけてしまう」というのも非常に大きな理由です。

「家族や恋人を悲しませたくない」「泣かせたくない」「辛い思いをさせたくない」
多くの人々がこうした理由で浮気や不倫を踏みとどまります。

こうした思いは誰もが持っているため、通常は大きな抑止力として働きます。

ところが、「家族や恋人にバレない」としたらどうでしょう?

家族や恋人にバレなかったとしても、「裏切りたくない」とか「後ろめたい思い」が心のどこかに残るでしょう。しかし、「実質的に問題になる可能性が低い」となると、抑止力としての働きは非常に弱くなります。

家族や恋人の知り合い相手に浮気したり不倫したりするほどの度胸はなくても、出張中や外国などで、家族や恋人と無関係の相手なら簡単に浮気や不倫が出来てしまうのはこのためです。

しかし、中には「裏切りたくない」「後ろめたい」という気持ちが非常に強く、浮気や不倫に対する強い抑止力として働く人もいます。こうした人はなかなか浮気や不倫をしません。

端的に言えば、パートナーの不在時に携帯や財布の中身を絶対に見ないタイプの人です。また、パートナーとの古い約束をいつまでも守っている人も含まれるでしょう。

それでは、そんな誠実な人がパートナーであれば安心なのかというとそういうことでもありません。というのも、これは単純に「家族が他の相手よりも大切」だから浮気や不倫をしないのです。

「より魅力的な相手」が現れたり、「家族関係に問題を抱えている」などで、相対的に価値が下がっている場合には通用しません。つまり、もっと大切な相手が現れたら終わりなのです。

そのため、「家族や恋人が大切」というのは、浮気や不倫をしない理由としてはかなり「不安定な理由」と言えます。

(次ページ: その他、4つの「しない理由」)

パートナーが怖いから

かなり単純な理由ですが、こういう人もかなり多いはずです。

これは外的要因であり「バレなければ大丈夫」なわけですが、恐怖というのは人の心理に支配的な影響を及ぼします。

普段から口うるさく怒るパートナーであったり、キレたりヒステリーを起こしたりすることの多いパートナーであれば、バレた後に起こる影響が予測できません。多額の慰謝料を請求されるかもしれませんし、別れなくとも以降パートナーの言いなりになって共同生活を送ることになるかもしれません。

バレなければ良いとは言え、何かしらの恐怖を抱いている相手に逆らうというのは、それだけで大きな心理的なハードルになります。

「カミさんが怖くて浮気なんて出来ない」というのはよく聞く話ですが、「家族や恋人が大切」という気持ちが全く無かったとしても、家族間や恋人間の力関係に大きな偏りがある場合には浮気や不倫に対する強い抑止力になるでしょう。

また、相手を威圧し支配するほどの力関係ではなくとも、普段から「明確に不満や怒りを表す」だけで恐怖に近い不安感を生むことはできます。なんとなく、「怒らせたくない」と感じることが抑止力になるのです。

ただ結局の所、「相手の監視が全く働かない」ような、恐怖心をあまり感じない状況ではこの恐怖による抑止力も殆ど働きません。出張が多いだとか、遠距離恋愛だとか、多忙だとか、互いの状況をしっかり監視できないような状況では難しいでしょう。

つまり、「パートナーが怖い」というのは、非常に「環境に依存する理由」であると言えます。

社会的信頼を失うから

歳を取り、社会的地位を得るようになると「社会的信頼を保つため」に浮気や不倫をしないようになります。

この社会的信頼というのは様々なものを含みます。
「ご近所の信頼」「親戚間の信頼」「職場の信頼」「世間の信頼」など、数え上げたらキリがないでしょう。

しがないサラリーマンの一家でもご近所・親戚・職場の信頼は重要ですし、世間的に名前を知られているような人間であれば、事実上全く関り合いのない人との間にもやや一方的な信頼関係というのが生まれます。

他人からの信頼というのは、築くのに時間がかかるものの崩れるのは一瞬です。そのため、浮気や不倫によってこの信頼を失ってしまうというのは大きな損失になります。これを恐れ、浮気や不倫をしないというのは少なくありません。

ただ、やはりこれも「バレなければ良い」という外的要因です。

十分に偽装工作をする人もいれば、警戒心が薄くバレないだろうとタカを括ってしまう人もいます。これも、上述と同じ「環境に依存する理由」と言えるでしょう。

性的欲求をコントロール出来るから

健全な方向で性的欲求をコントロール出来る人は浮気や不倫をしません。これは「しない理由」というよりは、「する理由」を無くすアプローチというイメージが近いでしょう。

肉体関係を含めてパートナーと適切にコミュニケーションが取れており、性的に満足していれば「代わりを探す」必要はなくなります。また、自慰行為などもそうですが、性的欲求はパートナー以外との肉体関係を伴わない方法である程度は満足させることができます。パートナーが不快に思う可能性はありますが、風俗を利用するのも一つの手です。

また、年齢を経るにつれて欲求そのものが減退してきてしまうと、肉体関係を伴う新しい関係を模索しようとしなくなります。

どういうケースであれ、「新しい関係」を望まなければ浮気や不倫など起こらないのです。

これに関しては本人の自己管理能力や年齢の問題とも言えますが、パートナーの協力も必要です。パートナー側に何らかの理由があって相手を満足させられないのであれば、単に欲求不満を溜めてしまうのではなく何らかの方法で解消してやる必要があるでしょう。

それは、場合によってはパートナーの理解が必要になる方法かもしれません。どちらにせよ、正しく欲求が管理されていれば、浮気や不倫をしにくくなります。

ただ、欲求というのは非常にコントロールの難しいものです。予期せず増大することもあれば、変化のない場合もあります。そういう理由もあり、「性的欲求をコントロール出来る」というのは、かなり「不確実な理由」であると言えるかも知れません。

人として間違っているから

「浮気」や「不倫」という言葉を聞いて、まずはじめに思うことは「不道徳」というイメージではないでしょうか?

つまり、浮気や不倫は倫理的に間違っているからしないというケースです。法的に許されないからという解釈でも良いでしょう。

家族関係が崩壊していても、片方が別れたがっていても、誰にもバレなかったとしても、「倫理的に問題がある」というのは人によっては大きな抑止力になります。

きちんとした教育を受けて育っていれば、何らかの形で教わるはずです。
「人の物は盗んではいけない」「約束を破ってはいけない」「嘘を吐いてはいけない」などなど。

そうして、大人になる頃にはきちんとした倫理観が養われていきます。

浮気や不倫をする人には様々な理由がありますが、余程の事情がない限り「浮気や不倫をしてもしょうがないよね」という論調にはなりません。ニュースや週刊誌で報道され人々が事情をよく知らないまま批難するのは、単純にそれが「人として間違っている」ということが言えるからです。

法的に複数人のパートナーを持てる国であっても、「他人のパートナーに手をだす行為」や「パートナーとして認められない相手に手を出す」行為は倫理的に問題とされており、非常に漠然としていて境界線が曖昧ではあるものの「それはダメだろ」という共通の規範というものは世界規模で見てもある程度は存在します。

それを「倫理」というと非常に堅苦しく重たい響きになりますが、多かれ少なかれ浮気や不倫について、「人としてどうなの?」という疑問を抱く余地はあるはずです。

ただ、この倫理的な価値観は完全に個人の育ち方や考え方に依存していて不明瞭です。

実際の所、パートナーと完全に冷めてしまった頃にどちらかが出張になり監視もなく、欲求不満を感じている時にパートナーよりも魅力的な人に出会ったとして、それが「人として間違っているから」という理由で浮気や不倫をしないでいられる人間はどれくらいいるでしょうか?

いや、決して少なくはないでしょう。むしろ、大多数の人が「しない」選択が出来るのかもしれません。そして、そういう人は「他の4つの理由」が当てはまらなかったとしても浮気や不倫をしないでしょう。

ですが、そういう状況になれば、残念ながら「する」人もまた少なくないのです。

そのため、「人として間違っている」という理由は、ありきたりですが「個人差が激しい理由」と言わざるを得ません。

(次ページ: 「しない理由」から「する理由」を考える)

「しない理由」から「する理由」を考える

以上5つがする理由ですが、単純にその逆を考えてみましょう。

随分と回り道をしましたが、要するにこれが「する原因」なのです。さらに具体的な例で言うと、

このような原因が重なり合ったところに魅力的な相手が現れれば浮気や不倫は起こります。

しかし、これらは全て防ぐことが出来るものです。

言うほど簡単ではありませんが、基本的には大半の人が少なくともどれか一つは出来ています。

 

例えば、

良好な家族関係を築いて、互いに大切に想い合う人もいるでしょう。

お互いに怒るべきことは怒り、ちょくちょく痴話喧嘩をしながら意思を確認している人もいるでしょう。

浮気や不倫のニュースでバッシングを受ける人を見るたびに、明日は我が身と気を引きしめる人もいるでしょう。

パートナーのちょっとエッチな趣味に目を瞑ったり、疲れていても要求に応えてあげることでパートナーが欲求不満にならないようにしている人もいるでしょう。

そして、「どんな理由があっても間違っていることはしない」という信念を持って生活している人もいるはずです。

 

千差万別の理由があれど、今のところ何も問題がないのであれば、そこには必ず「しない理由」があるものです。「自分たちだけは大丈夫」だと思う前に、ちゃんと「しない理由」があるかどうかを確認してみると良いでしょう。

確認してみた結果、「浮気や不倫をしない理由」が「出会いがないから」というだけなら、その関係はこのままだと上手くいかない危険性をはらんでいます。これを機に、お互いの関係を見つめなおしてみると良いかもしれませんね。

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