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冷風機と冷風扇と窓用エアコンは何が違う? 利点と欠点と使い方をしっかり解説!

夏になるとエアコンがフル稼働します。しかし、エアコンが体に合わないという人や作業場にエアコンが無いなんてことが良くあります。新しくエアコンを買う程のお金もないし、電気代がかかるの嫌。扇風機では力不足。そんな時に選択しに上がるのが、「冷風機」「冷風扇」「窓用エアコン」なのではないでしょうか?

しかし、これらはどれも利点もあれば欠点もあるクセのある一品。正しく使えば非常に使い勝手が良いのですが、使い方を間違えると無用の長物どころか全くの逆効果になることすらあります。そんな冷却用電化製品について、簡単に解説していきましょう。

冷風機は軽くて便利なモバイルエアコン


ナカトミ ミニスポットエアコン(Amazon.co.jp)

冷風機の原理はエアコンと殆ど変わりません。除湿機能もあります。にも関わらず、持ち運べるようなサイズ・重量で強力な冷風が吹き出します。モバイルエアコンと言っても過言ではないでしょう。

「よし、エアコンじゃなくて冷風機を使おう」と決めるのはちょっと待って下さい。

実は、冷風機には大きさや重量以外にも普通のルームエアコンと大きな違う点が一つあります。それは、「室外機と室内機が一体になっている」という点です。

どういうことかというと、エアコンというのは熱を移動させるヒートポンプであり、室内機で熱を汲み上げて室外機で外に吐き出すという形で部屋を冷却しています。

つまり、室外機と室内機が一体になっているということは、冷風機は冷風を吹き出す一方で熱風も吹き出しているということです。さらに、内部ではエアコン並に電気を消費しているので発熱しており、密閉された室内で使えば、冷やす力より暖める力の方が強くなるため、なんと室温が上がるのです。

しかも、出しているのは熱だけではありません。室外機特有のグオングオンというコンプレッサーの騒音まで出すのでたまりません。

「おいおい、何の意味も無いじゃないか・・・」と思うかもしれませんが、熱風を出す側と冷風を出す側が別になっていれば何の問題もないのです。極端な話、窓の外に置いて冷風側を室内に向け、熱風側を室外に向ければエアコンです。というか、冷風機を窓に固定したものが窓用エアコンです。

それなら窓用エアコンを買えば良いわけで、移動が出来る冷風機の正しい使い方は別にあります。

冷風機は移動が可能で冷風の方向も変えられるため、冷風を人に直接当てる事が出来るのです。つまり、夏場の屋台や野外の受付などに設置すれば快適に作業ができますし、クーラーの無い工場や作業場などに置いて人間の側におけば十分涼しくなるでしょう。

このように、「窓を開けて使う」か「屋外で使う」のが基本になりますが、場合によってはエアコンの効いた室内で使うケースもあります。オフィスの一角に熱源がありその付近で作業をしなければいけないだとか、小さな実験室や暗室のような密閉空間があるという場合にも冷風口だけを中に入れることでピンポイトに冷却できます。

基本的には、「クーラーの効果が及ばない暑い場所にいる人を冷やすために設置する家電」だと考えると良いでしょう。

冷風機の送風口からは冷風が吹き出しているので気持ち良いですが、本体からは勢い良く熱風が吹き出しています。向きを間違えたら大変なことになりますが、何なら冬場に暖房として使うのも良いかもしれませんね。

利点:

欠点:

使い方:

窓用エアコンは冷風機とエアコンの中間的存在

 
コロナ ウインドエアコン(冷房専用タイプ) (Amazon.co.jp)

冷風機の項目で「窓用エアコンは窓に取り付けた冷風機」と説明してしまったように、原理は冷風機を同じです。エアコンの室外機と室内機を一つにまとめただけのものになります。

しかし、冷風機と違うのは窓用エアコンと呼ばれるように窓に設置して使うように特化されている点にあります。持ち運びができませんし、人に直接冷風を当てるような使い方もできません。実質的に使い方はエアコンと変わらないと考えて良いでしょう。

加えて、出力はルームエアコンより低く、性能にもよりますが大きな部屋を冷やすことはできないと考えて良いでしょう。

「ならエアコンで良いや」と思うかもしれません。
確かにその通りで、エアコンを設置できる環境とお金があるのなら悪いことは言いません。室内機と室外機が別になっているルームエアコンを使いましょう。

問題はそれがない場合です。廊下に面した部屋で室外機を置けないとか、元々室外機をおけるように設計されていなかったとか、邪魔な室外機を置くほどエアコンが欲しいわけでもない。そんな時に便利なのが窓用エアコンです。

窓用エアコンというのは、「室外機が置けない、ルームエアコンを買うほどでもない時に使うエアコン」だと考えると丁度良いです。

ただし、窓用エアコンは窓に設置するので窓が半分埋まってしまいますし、窓を締められないので鍵を掛けられません。簡単に人が入れそうな窓につけるなら、窓を固定する装置などを取り付ける必要があるでしょう。

利点:

欠点:

使い方:

冷風扇はちょっと涼しい加湿扇風機!

 
 山善 冷風扇 (Amazon.co.jp)

冷風機や窓用エアコンはヒートポンプであり、原理はエアコンと同じでしたが冷風扇は違います。

冷風扇は水の気化熱を利用して冷やした空気を送り出す装置で、極端な話、扇風機の前に濡れタオルを置いてしまえば即席冷風扇が完成します。

もちろん、タオルが乾いたら終わりの即席冷風扇とは違い、市販されている冷風扇には大きな水タンクがついていて、長時間涼しい風を送り出してくれます。冷風機ほどの冷却能力はありませんが、本体も電気代も安くて軽いので使い勝手良いでしょう。

エアコンの代わりというよりは少し冷たい扇風機というイメージですが、普通の扇風機と同じ感覚で使うと失敗します。それは副次的に起こる加湿能力のせいです。乾燥する冬場に濡れタオルを使って加湿する事がありますが、それと同じ現象が冷風扇で起こるのです。

気化熱というのは水が蒸発する際に使われるものですが、蒸発した水分は消えてなくなるわけではなく空気中に分散します。これによって湿度があがり、夏場であれば蒸し蒸しした空気になってしまうのです。

締めきった部屋で使うのには向きませんし、使い方を間違えるとカビなどが生えて不衛生な環境を作ってしまうでしょう。水がなくなると効果がないので、加湿器のように定期的に水をいれなければいけないのも面倒です。

しかし、加湿するので夏場に窓を締めて使うのには向きませんが、冷風扇から出てくる空気は室温を少し下げた程度の風で心地良く、外の風を入れても涼しくない時に使うと丁度良いです。エアコンでは気分が悪くなるという場合にも丁度良く、人為的な冷風が良くない子供や動物が涼むのにも良いと言われています。

また、冬場に暖房と組み合わせてサーキュレーター兼加湿器として使う方法もあり、オールシーズン使える家電と考える事もできるでしょう。

つまり、冷風扇は「ちょっと涼みたい時に窓を空けて使うか、加湿ついでに空気をかき混ぜるために使う少し涼しい扇風機」と言えます。

利点:

欠点:

使い方:

ミストファンとは少し違う?


超音波ミストファン (Amazon.co.jp)

湿度を高めつつ風を送り出す家電に「ミストファン」というものがありますが、冷風扇と似ているようで少し違います。

具体的には、冷風扇が「気化熱を利用して冷やした空気を送り出す」のに対して、ミストファンは「気化させた水分を空気で送り出す」という点で違います。

ミストファンの中には冷風扇にかなり近い原理のものを使っているものもありますが、ミストというのは霧のことで、霧を作り出す方法がミストファンによってバラバラで、超音波を使うものもあれば熱を加えて蒸発させているものもあります。どちらにせよ、「涼しい空気が出てくるとは限らない」もので、メインとなる機能は加湿です。

とは言え、皮膚についた霧状の水分が気化すれば涼しく感じますし、同じような使い方は出来るかもしれません。冷風扇が「ちょっと涼しい加湿扇風機」なら、ミストファンは「強い加湿効果を持った扇風機」と考えることができますね。

使い方の分類

イメージとしては、冷風機と窓用エアコンは小さなエアコン。冷風扇やミストファンは扇風機と加湿器の合体版。そんな風に理解すると良いでしょう。

そして、ここまでの説明で「自分に必要なものがどれなのか分からない」という方のために、ちょっと使い方毎に分類してみました。

大雑把な分類ですが、

外で使うなら冷風機、
小さな部屋に窓用エアコン、
エアコンほどじゃないなら冷風扇、
確実に冷やすならルームエアコン、

のように考えると良いでしょう。

名前が似ていたり、用途の分からない冷却機器もこれで使い方が分ったのではないでしょうか?

環境に合わせて様々な冷却機器を使い、暑い夏を乗り切りましょう!

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