冷風扇はちょっと涼しい加湿扇風機!
冷風機や窓用エアコンはヒートポンプであり、原理はエアコンと同じでしたが冷風扇は違います。
冷風扇は水の気化熱を利用して冷やした空気を送り出す装置で、極端な話、扇風機の前に濡れタオルを置いてしまえば即席冷風扇が完成します。
もちろん、タオルが乾いたら終わりの即席冷風扇とは違い、市販されている冷風扇には大きな水タンクがついていて、長時間涼しい風を送り出してくれます。冷風機ほどの冷却能力はありませんが、本体も電気代も安くて軽いので使い勝手良いでしょう。
エアコンの代わりというよりは少し冷たい扇風機というイメージですが、普通の扇風機と同じ感覚で使うと失敗します。それは副次的に起こる加湿能力のせいです。乾燥する冬場に濡れタオルを使って加湿する事がありますが、それと同じ現象が冷風扇で起こるのです。
気化熱というのは水が蒸発する際に使われるものですが、蒸発した水分は消えてなくなるわけではなく空気中に分散します。これによって湿度があがり、夏場であれば蒸し蒸しした空気になってしまうのです。
締めきった部屋で使うのには向きませんし、使い方を間違えるとカビなどが生えて不衛生な環境を作ってしまうでしょう。水がなくなると効果がないので、加湿器のように定期的に水をいれなければいけないのも面倒です。
しかし、加湿するので夏場に窓を締めて使うのには向きませんが、冷風扇から出てくる空気は室温を少し下げた程度の風で心地良く、外の風を入れても涼しくない時に使うと丁度良いです。エアコンでは気分が悪くなるという場合にも丁度良く、人為的な冷風が良くない子供や動物が涼むのにも良いと言われています。
また、冬場に暖房と組み合わせてサーキュレーター兼加湿器として使う方法もあり、オールシーズン使える家電と考える事もできるでしょう。
つまり、冷風扇は「ちょっと涼みたい時に窓を空けて使うか、加湿ついでに空気をかき混ぜるために使う少し涼しい扇風機」と言えます。
利点:
- 安価で電気代も安い
- 自然で快適な涼しい風
- 加湿器としても使える
欠点:
- 密閉空間で使うと逆に蒸し暑い
- 冷却能力が低い
- 水の交換が必要
- 意図せず加湿してしまう
使い方:
- 子供や動物が涼む
- 窓を空けても風がない時に涼む
- 扇風機では少し物足りない時に
- エアコンの冷たい空気が合わない時に
ミストファンとは少し違う?
湿度を高めつつ風を送り出す家電に「ミストファン」というものがありますが、冷風扇と似ているようで少し違います。
具体的には、冷風扇が「気化熱を利用して冷やした空気を送り出す」のに対して、ミストファンは「気化させた水分を空気で送り出す」という点で違います。
ミストファンの中には冷風扇にかなり近い原理のものを使っているものもありますが、ミストというのは霧のことで、霧を作り出す方法がミストファンによってバラバラで、超音波を使うものもあれば熱を加えて蒸発させているものもあります。どちらにせよ、「涼しい空気が出てくるとは限らない」もので、メインとなる機能は加湿です。
とは言え、皮膚についた霧状の水分が気化すれば涼しく感じますし、同じような使い方は出来るかもしれません。冷風扇が「ちょっと涼しい加湿扇風機」なら、ミストファンは「強い加湿効果を持った扇風機」と考えることができますね。
使い方の分類
イメージとしては、冷風機と窓用エアコンは小さなエアコン。冷風扇やミストファンは扇風機と加湿器の合体版。そんな風に理解すると良いでしょう。
そして、ここまでの説明で「自分に必要なものがどれなのか分からない」という方のために、ちょっと使い方毎に分類してみました。
- 蒸し暑い時に外で使えるものが欲しい → 冷風機
- 自分だけでも冷たい風に当たりたい → 冷風機
- 熱中症が怖いけど外で作業が必要 → 冷風機
- エアコンを持ち運びたい → 冷風機
- 室外機が置けないけどエアコンが欲しい → 窓用エアコン
- お金を掛けずに小さな部屋を冷やしたい → 窓用エアコン
- 使うか分からないけどエアコンを置いておきたい → 窓用エアコン
- エアコンが体に合わないけど涼みたい → 冷風扇
- 子供や動物を涼ませてあげたい → 冷風扇
- エアコンを使うほどでもない時に → 冷風扇
- 大きな部屋全体を冷やしたい → ルームエアコン(Amazon.co.jp)
- 家族全員が確実に涼みたい → ルームエアコン(Amazon.co.jp)
- 消費電力あたりの冷却効率高いもの → ルームエアコン(Amazon.co.jp)
大雑把な分類ですが、
外で使うなら冷風機、
小さな部屋に窓用エアコン、
エアコンほどじゃないなら冷風扇、
確実に冷やすならルームエアコン、
のように考えると良いでしょう。
名前が似ていたり、用途の分からない冷却機器もこれで使い方が分ったのではないでしょうか?
環境に合わせて様々な冷却機器を使い、暑い夏を乗り切りましょう!