新型コロナウィルスによって私たちの生活が変わっていくなかで、子どもの教育もまたその変化の岐路に立たされています。
教科書とノートを使ったアナログな方法だけでなく、デジタルな最新テクノロジーを用いた学習も、積極的に教育現場に導入されていくことが予想されるでしょう。
そこで今回は、最新テクノロジーを使った教育の事例として、ゲームソフト「マインクラフト」による学習方法について確認していきます。
マインクラフトは今やただの人気ゲームではなく、子どもたちの教育を担うひとつの手段になっているのです。
この機会にマインクラフトがどのように教育現場に浸透しているのか、そして今後の教育にどのような影響を及ぼしていくのかを考えるきっかけとしてみてください。
マインクラフトとは?
マインクラフトとは、広大な世界でブロックを使って自由に遊ぶゲームです。
「サンドボックス」と呼ばれるそのゲーム性はとにかく自由度が高く、ブロックを積み上げて家を建築したり、山を掘って鉱物を採掘したりといった、さまざまなプレイスタイルが成り立ちます。
自然の世界で生き延びる「サバイバルモード」では、草原、森、砂漠、氷雪地帯といったフィールドを自分の意思で探索する楽しみがあります。
食事のために小麦を栽培したり、素材の獲得のために採掘道具を作成したりすることで、ゲーム内での生活が体験できるのです。
「クリエイティブモード」ではゲーム内で登場するブロックやアイテムを自由に使えるため、自由な発想で建築が行えます。
大掛かりなオリジナルの施設を作ったり、実際に存在する建造物を再現したりといったことが可能で、その発想力を活かすことができるのです。
マインクラフトはこういった内容を、簡単な操作だけでプレイできます。
直感的な操作だけで自由に動かせるため、小学校の低学年でも十分に楽しめるのです。
実際にマインクラフトは子どもを含めた世界中で人気となっていて、そのプレイ人口は幅広くなっています。
子どもでも問題なく触れられるという点は、マインクラフトの特徴です。
マインクラフトは既に教育現場に導入されている
そんな高い自由度と簡単な操作性を特徴としたマインクラフトですが、日本国内ではその教育への影響に注目が集まっているのです。
実際に学校の授業に導入された事例も多く、たとえば以下のようなものが挙げられます。
事例1:立命館小学校では、マインクラフトを使って京都の世界遺産を再現して、プレゼンテーションを行うといった授業が実施されました。
実際に作成した建物の中を案内するために観光ルートをプログラミングするなど、さまざまな工夫が行われています。
事例2:徳島県東みよし町も、地元の子どもたちを対象としたワークショップにマインクラフトを使ったことで話題となりました。
このワークショップでは子どもたちがゲームに干渉してプログラミングを行い、キャラクターを目的の座標まで動かしたり、特定の行動を起こさせたりといった方法を学習しています。
ゲームをプレイするだけでなく、その仕組みに能動的に触れるという試みに注目されるでしょう。
ゲームが子どもの想像力や論理的思考を育てるという話は聞かれますが、実際に教育現場にデジタルゲームを導入した事例は決して多くありません。
マインクラフトはそういった現場に先駆けて導入されるだけの、影響力と期待値を持つゲームだと言えるでしょう。
マインクラフトの「教育版」による健全な学習
実際に教育現場で利用されているとはいえ、マインクラフトのカテゴリーはあくまでゲームです。
そのため授業で使われることに、違和感を覚える人もいるでしょう。
しかし、マインクラフトは通常のゲーム内容とは違った「教育版」を展開しているため、純粋な学習用途として利用できます。
教育版のマインクラフト(マインクラフトEE)には、プログラミングを行うための機能や、ゲーム内で化学実験を行うシステムなど、さまざまな特徴が備わっています。
プレイ中の子どもたちをひとつの世界にまとめる「Classroom Mode」もあり、ここでは学習を行っている子どもたちのプレイ状況の管理が可能です。
そのため子どもが授業中に好き勝手遊んだり、誰かの邪魔をしたりといった行動を防ぐことができます。
先生がゲーム内でもきちんと子どもたち全員をサポートできるので、マインクラフトを授業として成立させることができるのです。
このように教材のように利用できるのが、教育版マインクラフトの特徴です。
本格的に授業に導入するためのバージョンが用意されているため、学校の健全な学習に利用できるでしょう。