彗星探査機ロゼッタとフィラエって結局どうなった?着陸時のトラブルでミッションは成功?失敗?

彗星探査機ロゼッタが2014年8月、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星にランデブーし、周囲を集会しながら調査を行い、11月12日着陸機フィラエを投下しました。

フィラエは3度大きくバウンドして着陸地点を大きく逸れた後、傾斜の強く太陽の当たらない地形に斜めに着陸する形になりました。そして、機体をきちんと固定できない上、太陽が当たらず充電がままならないままでミッションに挑むこととなります。

短い時間ながらも限界までフィラエは調査を続けますが、最終的に休眠状態に入ることになります。そんな過酷な状況でミッションに挑むことになったフィラエですが、結局のところミッションは成功したのでしょうか?

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「はやぶさ2」の解説(後編):クレーター生成とサンプル採取のハイテク装備(自己鍛造弾とサンプリング装置)

※本記事は「はやぶさ2」の解説(前編):ミッション工程一覧と打ち上げから小惑星接近までのハイテク装備の後編にあたる記事です。

はやぶさ2が小惑星に接近するにあたり、圧倒的な燃費を誇るイオンエンジンとイージス艦にも使われるような最新のアレイアンテナを搭載している事は先の記事でご説明しました。

本記事では、小惑星にたどり着き、サンプル採取するまでのハイテク装備についてご紹介します。世界最先端の小惑星探査機であるはやぶさ2には、一体どのような装備が搭載されているのでしょうか?

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「はやぶさ2」の解説(前編):ミッション工程一覧と打ち上げから小惑星接近の装備(イオンエンジンとアレイアンテナ)

いよいよ、2014年11月30日12月1日以降の打ち上げに延期の「はやぶさ2」の打ち上げが近づいて来ました。

「はやぶさ2」は「はやぶさ」の基本機能を踏襲しながらも、様々な面でアップデートが施されています。世界初の新機能なども追加されており、最先端の高性能小惑星探査機といえます。

その基本ミッションは、小惑星を近距離で撮影しつつ小惑星に着陸、サンプルを回収した上で地球に持ち帰る事。前回のはやぶさのミッションでは、多数のトラブルに見まわれながらも、何とか世界初のサンプル採取に成功しました。

今回の「はやぶさ2」の目標は「1999JU3」と言う小惑星ですが、どのような過程でミッションに望み、さらに各ミッション毎にどのような機器を使っていくのかに吐いて解説を行っていきます。

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「PROCYON(プロキオン)」:はやぶさ2と相乗りの超小型探査機、深宇宙調査の先遣隊

 2014年11月30日12月1日以降の打ち上げに延期のはやぶさ2には、一緒に深宇宙を目指す仲間がいます。

「しんえん2」「PROCYON(プロキオン)」 「DESPATCH」の三機がH-IIAの余剰重量分に積まれる事が決まり、合計4機の衛星がH-IIAによって宇宙に向かって打ち上げられることとなりました。

目的地は別ではあるけれども、途中までの道のりは一緒です。

本記事ではその三機の内、「PROCYON(プロキオン)」 について扱います。

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「しんえん2」:はやぶさ2と共に地球を離れ外宇宙を目指す超小型深宇宙通信実験機

 2014年11月30日12月1日以降の打ち上げに延期のはやぶさ2。H-IIAロケットによって打ち上げられる予定だが、実ははやぶさ2を搭載するH-IIAロケットには若干の余剰スペース(余剰重量)が存在していた。

外宇宙を目指すための軌道にH-IIAロケットを載せる場合、最大2500kg程度の積み荷が限界とされおり、やはぶさ2の重量は600kgで耐衝撃用の支持材などを合わせても若干の余裕があった。そこで3機の人工衛星が選定され、はやぶさ2と共に外宇宙を目指す事が決まった。

「しんえん2」「PROCYON(プロキオン)」 「DESPATCH」の三機の内、本記事ではしんえん2について扱う。

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ミネルバ2の性能は如何に?はやぶさ2に搭載されるホップするローバー(着陸機)

2014年11月30日打ち上げ予定12月1日以降の打ち上げに延期のはやぶさ2には、ミネルバ2と言うローバー(着陸機)が搭載される。

基本的な性能ははやぶさに搭載されていたミネルバと同じだが、先代のミネルバははやぶさからの投下に失敗し、今なお宇宙を漂っている。今回は前回の失敗を踏まえ、合計3基搭載する予定となっている。

しかし、実はこのミネルバは非常に独特なローバーとなっていて、小惑星の上をジャンプしながら移動するのだ。普通の地表に降り立って移動するローバーといえば、タイヤが付いているタイプが一般的。何故、はやぶさシリーズのミネルバはこのような形になり、そしてどのようにホップするのだろうか?

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はやぶさ2の進化!小惑星1999JU3へ向かうためのイオンエンジンとは?少ない推進剤で少しの加速を得る宇宙のエンジン

小惑星イトカワから世界で初めてサンプルリターン(サンプル採取後、地球に持ち帰る)ミッションに成功したはやぶさの後継機である「はやぶさ2」が2014年11月30日(12月1日以降の打ち上げに延期)にH2Aロケットによって打ち上げられる。小惑星の名前は1999JU3。到着は2018年を予定している。

ミッションそのものははやぶさとほぼ同じで、形状なども初代はやぶさに酷似しているが、様々な点に改良が加えられている。大きな変更点としては、アンテナ強化・エンジン強化・観測機器の増強・観測方法の追加などである。

初代はやぶさは数々のドラマを生みながら満身創痍の中で何とかイトカワのサンプルを持ち帰った。特に、メインエンジンであるイオンエンジンは4基すべてが破損してしまった事が知られている。今回ははやぶさ2のイオンエンジンについて迫っていきたい。 [—続きを読む—]

小惑星と間違えられた探査機ロゼッタ、チェリャビンスク隕石級の危険性とも

2007年11月8日。地球に接近する天体を観測するカタリナ・スカイサーベイから、それらの情報を統括する米国の小惑星センター(MPC)にある情報がもたらされた。2007VN84と名付けられたその天体が、地球に急接近しているというのだ。

地球に再接近する際の距離はおよそ5700kmにもなる。月と地球の距離が、384,400kmというのだからかなりの近距離だ。何かの拍子に天体の針路が変われば、地球に落ちてくる可能性が極めて高い。しかも、その大きさは直径20m級。これは、チェリャビンスク州で甚大な被害を生んだ隕石と同クラスであり、まともに落ちれば100mクラスのクレーターを生む巨大な隕石となる。

地球に危険が迫っていた。

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アヒル型?チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸機フィラエが探査機ロゼッタから投下される

今年の8月に探査機ロゼッタがチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に追いつき、彗星の核の写真を撮影してきた。この写真がアヒルの玩具のようだと話題になったが、来月11月には彗星の地表に着陸機(ランダー)のフィラエを投下する。

 これまでに彗星に近接して写真を撮ったり、彗星にモノをぶつけてみたりしたことはあったが、着陸機を着陸させたことはなかった。もし、フィラエが無事に着陸に成功し、彗星表面の物質を採取・分析し、その結果を地球に送ることができれば、彗星の構造や成り立ちについての研究に大きな進展が見られることになる。

果たして、フィラエは無事に着陸に成功する事ができるのだろうか?

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