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鳥と昆虫の飛行とホバリングの秘密(前編):トンボとチョウの独特な飛び方

ハチドリは世界でも最も小さな鳥です。全長は僅か6-20cm。体重は2-20gと圧倒的に小さい鳥です。サイズ・重量感としては、空き缶より少し小さいぐらいをイメージすると良いかもしれません。世界最大の飛行鳥であるコンドルが、全長1.2mで体重が10kgを優に越えることを考えると、如何に小さな鳥かが分かるでしょう。

そんなハチドリのもう一つの特徴が鳥類随一の「ホバリング能力」です。他に世界でホバリングが出来る生物は、昆虫類と航空機を開発した人類ぐらいでしょう。彼らはどのように飛行し、どのようにホバリングしているのでしょうか?

前編では「トンボ・チョウ」、後編では「ハチ・ハチドリ」について取り扱っていきます。また、鳥類の飛行能力については「飛ぶために進化する鳥達」でまとめて扱っておりますので、他の鳥達について詳しく知りたい方はそちらもご覧下さい。

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脳を侵して人を殺す寄生虫-「芽殖孤虫・フォーラーネグレリア」

感染症を起こす細菌・ウイルス・タンパク質の中には人を簡単に殺してしまうものがいますが、実は寄生虫の中にも人を殺す事のできる種がいます。

寄生虫の中でも、体内で分裂・増殖するような種を外科的に摘出することは非常に困難で、治療薬が進歩するまでは治療法の無い寄生虫というのが多数存在していました。今では「アフリカ睡眠病」を引き起こすトリパノソーマを含め、数多くの寄生虫症が治療可能となっています。

しかし、その中でも21世紀の現代でも治療が困難で、高確率で人を死に至らしめる寄生虫がいます。
それが「芽殖孤虫・フォーラーネグレリア」です。

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有効な治療法のない恐るべき感染症-「狂犬病・プリオン病・エイズ」

感染症とは、ウイルスや異常タンパクなどの病気の原因となる病原体が他の生物を通じて人に感染する病気のことです。世界には千を超える病原体が知られていますが、その中で人を死に至らしめることのできる感染症は百を超えます。中には「治療法が存在せず、必ず人を死に至らしめる感染症」というのが存在しています。

致死率99%と言われている狂犬病、原因やメカニズムすら理解されていないプリオン病、人の免疫力を無力化するエイズ。エイズに限ってはウイルスの繁殖を抑えられるような薬が開発されため、必ず死に至る病とは言えなくなりましたが、根治は困難であり、薬を飲み続けなければ死んでしまうでしょう。

そんな恐ろしい3種の感染症についてご紹介していきます。

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人食いバクテリア特集:溶血性レンサ球菌やグラム陰性桿菌が起こす壊死性筋膜炎の恐怖

人食いバクテリアの存在をご存知でしょうか?

SF映画の様に人が人喰いバクテリアに食われて消えてなくなってしまうわけではありませんが、人喰いバクテリアは血液や細胞を破壊しながら人体を侵食し、体を腐らせ、最終的には死に至らしめます。壊死が始まった人を救うには壊死した部分を切除するしかなく、無事助かったとしても、まるでバクテリアに体の一部を食われてしまったかのように体の一部が欠損してしまうのです。

エボラウイルスが殺人ウイルスとしては有名ですが、エボラウイルスはバクテリアではありませんし、体の一部が壊死することもありません。また、エボラ出血熱が人を1週間から2週間で死に至らしめるのに対し、溶レン菌のような人食いバクテリアは数日で人を死に至らしめます。そんなエボラ出血熱以上に恐ろしい人食いバクテリアを本記事でご紹介していきます。

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豪州潜水艦輸出問題、そうりゅうはスウェーデンや英国の助力を得てドイツに対抗

コリンズ級潜水艦更新にあたり、そうりゅう型潜水艦が輸出されるかどうかが大きな話題になっていますが、ドイツやフランスの売り込みを受けて日本もようやく動き出したようです(NewSphere)。

日本のそうりゅう型潜水艦輸出に際して最大の懸念は豪州国内世論の反発でした。というのも、そうりゅうを輸出する場合、日本で建造されて完成品が豪州へ輸出されることになるため、豪州国内の造船業界において雇用が大幅に失われてしまうのです。これに対して、ドイツやフランスは豪州国内での潜水艦建造を認めており、豪州国内の造船業界ではアジアの造船拠点に豪州を選ぶと約束したドイツの216型を特に推しています。

豪州国内の報道機関の中には、日本のそうりゅうが最有力とされていたことから一転して、ドイツの216型を最有力視する見方もあるとのことです。急に形勢が悪くなった日本に残された対抗策は、スウェーデンや英国の軍需産業と協力するという選択肢です。一体、どうしてこれが日本の対抗策となるのでしょうか?

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抗がん剤は何故高い?薬剤の値段を分ける開発コストと市場規模

抗がん剤がいくらするかご存じですか?
がんの種類や薬の種類にもよりますが、基本的にはかなり高価です。一錠数万円するものもあれば、ジェネリック医薬品で一錠数百円の薬まで。一錠百円もかからない市販薬と比べれば大きな差ですよね。

そして、抗がん剤治療ともなれば、その高価な薬を毎日数回飲むことになるのです。月々の負担はどんなに少なくても10万円には達しますし、数十万円の治療費を毎月払っているご家庭だってあるでしょう。高額医療費制度や保険を使ったとして、何年間も払い続けられる費用ではありません。

どうして抗がん剤はこれほどまでに高いのでしょうか?

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水素エネルギーに未来はあるか?(6):新しい社会作りのために越えるべき3つの課題と戦略

水素エネルギーが未来のエネルギーとして普及するための課題として、燃料電池車の特徴や水素の貯蔵・製造・インフラについて扱ってきました。しかし、そういった水素を社会の中で使っていく上での具体的な課題以外にも、根本的に解決しなければ社会全体の課題があるのです。

大きく分けると、
「誰も水素エネルギーを使っていない」
「水素を大量供給する体制ができていない」
「現状の製造方法はクリーンではないし非効率」
などが考えられます。

本記事では、これらを解決するための戦略についてご説明していきます。

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SSDと物理メモリは何が違うか、揮発性メモリと不揮発性メモリ

 家電量販店や通販サイトでパソコンの性能を見る時、こう思ったことはないだろうか。
 「メモリが4ギガバイト、ストレージが750ギガバイト。同じギガバイトの単位で表される性能がどうして別々に2種類あるのだろう?」

 ストレージは最近ではギガバイトより上のテラバイトに届くものも多くなってきたが、バイトとはつまりデータの大きさの単位。パソコンの性能を表す時は、保存しておけるデータの量と考えて差し支えない。
 しかしそう考えると疑問は深まる。メモリの数字もハードディスクの容量も保存できるデータの量を表しているなら、どうして分ける必要があるのだろうか。

 その答えは、メモリとストレージの機能の違いにある。基本的には同じ「データの倉庫」であるメモリとストレージだが、パソコン内で果たしている機能と、何よりその仕組みには大きな隔たりがあるのだ。

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水素エネルギーに未来はあるか?(5):水素インフラとは?水素エネルギー社会を形作る重要なシステム

水素が世の中に普及するためには、貯蔵製造の問題がクリアされた上で水素を市場に供給するための水素インフラが構築されなければなりません。水素インフラと一口に言っても、それは単に水素を製造して輸送するためのシステムを指すのではなく、水素を効率的に消費するための構造などもまとめて水素インフラと呼びます。

水素は人が自力で製造・消費する事が可能な石油燃料に代わる未来のエネルギーと目されおり、そのインフラ構築は未来の水素エネルギー社会を作るための必須要件とも言えるでしょう。

そんな水素インフラと言うのは、どのようにして作られていくのでしょうか?   [—続きを読む—]


21世紀の海で体当たり合戦が起こる理由と中国海警の巨大巡視船

中国の沿岸警備隊である中国海警が、「体当たり戦法」を念頭に置いた巡視船を配備しようとしているとして話題(JBPRESS)になっています。この1万2千トンもある中国の巡視船は日本のイージス艦より巨大な船で、それを体当たりに使うと喧伝しているのです。

「どうして今更体当たり戦法なのか」、と笑いたくなる所ではありますが笑えません。実は、中国の巡視船のアピールのとしては、ある意味画期的な戦力アピールになっています。事実、この話を聞いた米海軍に戦慄が走り、今後の戦略を考えさせる結果になっているとか。

一体どうしてこのようなことになったのか、簡単にご説明していきたいと思います。

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