しゃっくりの原理と実用的な止め方や予防、実はしゃっくりはくしゃみの親戚だった

不意に始まるしゃっくり。呼吸が妨げられ、会話がままならなくなる上に、奇妙な音が出るせいでみっともない。

一人でいる時ならまだしも、人前でしゃっくりが始まると非常に恥ずかしく、かなり不愉快な生理現象です。しかも、誰にでも起こり得る上に簡単には止まりません。しかし、しゃっくりの原理や原因を知ることで、しゃっくりを予防することや簡単に止めることが出来るようになります。

まず、しゃっくりは横隔膜の痙攣と言われていますが、その大本は脳の延髄が送る信号にありました。つまり、しゃっくりを止めるためには、脳に対して何らかの刺激を送る必要があったのです。しゃっくりの原理と共に、詳しく説明していきます。

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しゃっくりの仕組み

しゃっくりが起こる時、身体で何が起こっているか分かりますか?

そうですね。
「しゃっくりは息を吸い込んでいます」 

具体的には、以下の図の様に、横隔膜が下がり、肋間筋(肋骨を動かす筋肉)が広がることによって、肺に空気を取り込みます。その時、同時に喉の声門と言う部分が急に閉じることによって、息を吸いながら奇妙な音が発生します。

これらは全て同時に起こるのですが、当然ながら偶然同時に発生しているわけではありません。この動きが同時に起こるように、脳の延髄と言う部分が司令を出しているのです。

 自分でコントロールが出来ないこの延髄の命令ですが、実はこれに似たような生理現象が存在します。息を吸い込んでしまうしゃっくりとは全く反対の動きである、「息を勢い良く吐いてしまうくしゃみ(咳)」と言う生理現象です。

実はどちらも、延髄が横隔膜や肋間筋(肋骨を動かす筋肉)、喉の筋肉に信号を送り、発生させています

しゃっくりが始まる原因

くしゃみは体内に異物が入ったり、眩しい物を長時間見た時に起こります。一方、咳は風邪を引いている時に起こりますよね。くしゃみや咳には体内の異物やウイルスを吐き出すと言う目的があるのに対し、くしゃみは何の意味も無いように思われます。
実は、胎児の頃に異物を除去するための働きとして存在したと言う考えもあるようですが、普通の生活では何の役にも立ちません。

しゃっくりの目的は定かではありませんが、咳やくしゃみのように、延髄が突然なんの意味もなく不可解な司令を送る事はないので、しゃっくりが発生するきっかけは必ず存在しているはずなのです。
今のところ、一回一回のしゃっくりが起こるタイミングについてはまだよく分かっていないのですが、しゃっくりが始まる原因については大体分かっている様です。

  • 食べ過ぎ、飲み過ぎ、空気を飲み込む
  • アルコールの過剰摂取
  • 急激な胃の温度変化
  • 感情の急激な変化
  • 喫煙

などが主な原因と言われています。

では、何故これがしゃっくりを引き起こすのかというと、

「胃への急激な刺激」
「化学物質の摂取」
「急な感情の変化」

が脳に強い刺激を与え、その結果として延髄がしゃっくりを引き起こすのだと考えられているようです。胃への刺激は、その多くが脳にダイレクトに届くため、体内の器官の中ではかなり脳と密接に関わりのある臓器といえるようです。

逆に、これらの刺激を避ける事で、しゃっくりを予防することが出来るとも言えますね。

実用的なしゃっくりの止め方

しゃっくりの止め方には色々ありますが、実のところ、これも鍵は脳への刺激にあります。

最も効果が高く、実用的であると考えられる物を最初に二つ上げさせて頂きます。
詳細な方法については、後述致します。

『水をリズムよく、少しずつ飲み込む』

『息をゆっくり吸い、息を止め、ゆっくりと吐く』

その他、代表的なしゃっくりの止め方をリストアップしてみましょう。

  • 息を止める
  • 水を一気飲みする
  • 舌を引っ張る
  • 冷たい水を飲む
  • 砂糖を飲み込む
  • 驚かせる
  • レモンを噛む
  • 指で耳を塞ぐ

一見すると全く関連性の無い手法が並んでいる様に見えますが、脳への刺激と考えると、どれも有効な手法なのです。

最も有効と考えられているのは、血中の二酸化炭素濃度を増やし、脳を落ち着かせる事。息を止める系や水を飲む系がこれに当たります。空気を吸わないと言うのが大切なのですね。

次に、驚かせたり、味覚に強い刺激を与えるパターン。
これも脳に強い刺激が与えられると言える手法です。

最近話題になっているのは、指で耳を塞ぐと言う方法です。これは、耳孔を圧迫することで、脳に近い血管の流れを変えたり、耳周りの気圧を変化させる事で脳に刺激を送っていると考えられます。

どれも有効な方法ではありますが、先ほど挙げさせて頂いた、
実用的(人前でも行える)で、且つ高い効果のある手法について詳しくご説明させて頂きます。

水をリズムよく、少しずつ飲み込む』(成功率:95%)

水の量は少なくても構いません。
水を飲む行為は、胃への刺激を与えやすく、飲み物を飲むと強制的に気管が閉じ、確実に息も止まるため効果的です。

具体的には、
「水を少しだけ飲み込み、飲み込んだ水が喉の奥に入った段階で、また少し飲み込み、喉の奥に入ったらまた飲み込む、を複数回繰り返す」

5-10回程度繰り返せば、高い確率でしゃっくりは止まります。
あまり勢い良く飲まず、脈拍を数えるぐらいのつもりで飲むと、脳を落ち着かせることが出来るようです。

コップの奥から飲んだりする必要は無く、ペットボトルの水でも、唾液が出るのであれば唾でも出来るようです。水は簡単に手に入り、少しずつ水を飲むという動作は自然なため、実用性も高いといえます。

息をゆっくり吸い、息を止め、ゆっくりと吐く』(成功率:80%)

息を止めながら、深呼吸の効果もあり、脳を落ち着かせるのに役立ちます。

具体的には、
「息を5秒程度大きく吸って、10秒程度息を止め、10秒掛けてゆっくりと息を吐く。あとは、ゆっくりと深呼吸をする」

無理なく息をとめ、更に呼吸を落ち着かせることで、脳の酸素量・二酸化炭素量をコントロールできるので、高い効果が見込まれます。ただし、水を飲むのとは違い、気管が塞がるわけではないので、途中でしゃっくりが出てしまうと効果がなくなります。

水が要らないため、どんな状況でもできる事と、息を止めると言う動作は殆ど目立たないので場所を選びません。

まとめ

しゃっくりは脳の延髄の誤作動で発生しています。
止めるには、脳に刺激を与え、落ち着かせる必要があるので、うまく脳をコントロール出来るような方法が良さそうです。

しゃっくりの予防には、

①食べ過ぎ・飲み過ぎは避け、冷たいものなどを一気に食べないこと。

②タバコ、アルコールのとりすぎには気を付けること

しゃっくりを起こしたくない時の予防なので、しゃっくりで恥を書きたくない場合に気をつければ良いですね。

 

しゃっくりを止めるには、

水がある時)「水をリズムよく、少しずつ飲み込む」

水がない時)「息をゆっくり吸い、息を止め、ゆっくりと吐く」

 状況に応じて使い分けると良いですね。

人によっては効かないと言う事もあるかもしれないので、上記の方法がダメなら、他にも多くの方法がありますし、独自の方法などを編み出してみるのも良いかもしれませんね。