不治の病(2): 死ぬまで治らない恐るべき感染症-「狂犬病・プリオン病・エイズ」

Pocket

エイズ(後天性免疫不全症候群)

エイズという病気は、人の免疫力を完全に失わせてしまうHIVウイルスというウイルスに感染することで発症します。

感染したら治ることは無く、免疫力が無くなるので様々なウイルスに感染して必ず死ぬ病とされてきましたが、HIVウイルスの繁殖を抑える薬が開発されており、薬を飲み続ければ長生きする事ができるようになっています。ただし、治るわけではありません。

必ず死に至る狂犬病やプリオン病と比べると病気そのものの脅威度は低いですが、それらと比べると感染が広がりやすいのがエイズの特徴です。

感染が広がりやすいと言ってもHIVウイルスは空気に触れると死ぬ上、加熱や殺菌に弱く、繁殖速度も遅々としたものです。空気中でも生存するインフルエンザや胃酸にも耐えるノロウイルスに比べれば遥かに感染力は低く、血液や粘膜同士の接触でなければ感染しません

血液は輸血や臓器移植などが主な感染原因となりますが、粘膜同士の接触には性行為があり、エイズの感染原因の大半が性行為による感染です。粘膜接触というと軽いキスも怪しいと思うかもしれませんが、HIVは唾液に含まれるごく僅かな殺菌成分で死んでしまうので数が少なく、唾液には殆どHIVウイルスがいません。

基本的に、HIVウイルスが快適に生活出来るのは血液・精液・膣分泌液・母乳などの殺菌力の低い体液の中です。これらの体液には大量にウイルスが生息しているため、これを粘膜に接触させると感染リスクは飛躍的に高まります。粘膜というのは、鼻・口内・目・耳・性器・直腸などですので、そこにHIVウイルスが大量にいる液体が触れなければ安全です。

唾液でHIVウイルスが死ぬといっても唾液の殺菌力は極めて弱く、殺菌には時間がかかります。精液や血液が口内の唾液に混ざればHIVウイルスは殺菌される前に粘膜を通して血液内部に入り込みます。また、胃酸でウイルスは死にますが胃酸に触れる前に口内や喉の粘膜に触れるので体液を飲み込めば安全ということもありません。

加えて、口粘膜を通してHIVウイルスは随時口内に入り込んで来ているため、ディープキスやオーラルセックスのような粘膜同士が直接触れ合う場合は唾液で殺菌される前のHIVウイルスに接触する可能性があり、感染リクスは高くなると言えます。

エイズというのはエイズ自体が高い感染力・繁殖力を持っているわけではないため、気をつけて生活してれば感染することはありません。また、エイズが攻撃するのも免疫細胞だけであり、血液や体細胞を破壊するということもなく、エイズだけで死ぬ事はありません。

感染したとしても免疫力が弱った状態で他のウイルスに感染したりしなければ長生きする事はできるため、発症後も比較的対策の取りやすい感染症と言えるかも知れません。

感染症は対策が取れる

感染症とは生物から生物へ伝染る病気です。

そのため、プリオン病のような特殊な感染症は別として、感染症は感染を防ぎさえすれば発症することはなく、感染症ではない神経細胞の異常による病気である脊髄小脳変性症や筋萎縮性側索硬化症などと比べれば、まだ防ぎようがある病気です。

本記事でご紹介した病気はどれも死ぬ確率が高く治る可能性が低い病気であり、非常に恐ろしい感染症ではありますが、知っているだけで防げるケースも多いはずです。

「怖い病気」で終わるのではなく、よく理解した上で感染を予防していきたいものです。