タイプライターは意外と手に入る!最新型?はかなり高性能だった

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タイプライターといえば、インクのついた帯(インクリボン)に活字のスタンプ(ハンマー)を押し付けて紙に文字を打ち込んでいく機械。その歴史は古く、19世紀から西洋を中心に広く使われてきました。文字が刻印された専用のスタンプが必要なことから、平仮名・カタカナ・漢字と三種の文字が必要な和文ではそこまで広く用いられなかったものの、ワードプロセッサー、いわゆるワープロが登場する1980年代までは、英語・カタカナによる文書作成に関してはタイプライターが主流でした。

もちろん、コンピューターとプリンターが当たり前になった現代ではまず使われていませんが、コンピューターやワープロに完全に代替される直前のタイプライターは意外と高性能です。日本語はともかく、英語の場合は短文の印刷はタイプライターを通した方が早いこともあり、カーボンコピーのある伝票の印字などにタイプライターを未だに使っている人もいます。果たして日本人に需要があるかは分かりませんが、そんなタイプライターについて簡単にご説明しましょう。

タイプライターとは?

古いタイプライターの一例です。この動画は分かりやすいですね。

キーボードの配置に似たボタンがあり、一つ一つのボタンは活字が刻印されたハンマーに繋がっています。ボタンを押すとハンマーが打ち込まれ、ハンマーの先に引かれたインクリボンを押し込み、紙に活字と同じインクが押し付けられ文字が印字されます。ボタンを押すごとに文字1つ分だけ右に動き、1列分打ち終えたら用紙を横に動かすことで列が下の段に移ります。それを繰り返していくことで文書を作成していました。

ハンマーにインクはついていませんので、インクリボンが切れたら新しいのに交換する必要があります。また、このような古い形式のタイプライターは文字を打ち間違えたら修正液で消すか、1列・1単語・1文字相当の紙を貼り付けて打ち直す必要がありました。映画では破り捨てて書き直しているシーンなどがありますが、文字ではなく文章そのものを書き直すならそっちの方が早いでしょう。

さらに、沢山のハンマーが一箇所に向かって伸びているので、ボタンを同時に押すとハンマーが重なりあって動かなくなります。直すのは簡単ですが、早く打ち過ぎると簡単に引っかかるので、ちょっとコツの必要な形式です。少し進化すると、下のようなホイール型の打刻方式が登場します。この形式だとホイールが回転しながら刻印していくため、ハンマータイプのように他のハンマーに引っかかることがありません。

16080221608023(Wikipediaより)

タイプライターの進化は続き、用紙を動かす方式が手動から電動に変わったかと思えば、上の写真のように刻印装置が小型化してくると、用紙を動かすのではなく刻印装置を動かせば良いという形になり、プリンターのようにインクリボンと刻印装置の入った箱がガシャガシャと動くだけになっていきます。

そして、ワープロが登場するとそれに負けじとタイプライターも驚きの進歩を遂げます。

実は消せるしスペルチェックだって出来る!

下の動画の「1:01」あたりから見るとその進化に気づくでしょう。

なんと、ディスプレイがついています。そして気づいたでしょうか? 

打ち込んだ文字がディスプレイに表示されているのです。

「ワープロじゃねえか!」と突っ込みたくなりますが、これはちゃんとタイプライターです。右でガシャガシャと動いていますが、打ち込んだ文字はそのまま紙に印字されています。それだけではありません。タイプ速度も圧倒的なスピードですし、文書の保存機能スペルチェック機能まで搭載しているモデルが現れます。

文書の保存機能はカーボンコピーを使わずとも記録が残せるため、「わざわざカーボンコピーで控えを残す必要は無いけれども打ち込んだ内容を後でチェックしたい」という時に便利ですし、インクのついた文書に触れずに内容をチェックできるのも魅力です。完全にワープロです。

スペルチェックはスペルミスに対して修正候補を表示してくれる機能です。タイプライターの修正は面倒というイメージがありますが、このレベルになってくると「修正用ホワイトリボン」というのが搭載されていますので、白インクで文字を打ち込んだり、リボンにインクを吸い取らせる事で簡単に文字を消すことが出来るようになっています。

ただ、文字を消すには複数回修正リボンを押し付ける必要があるので、電動式だと一度に3-5回ほど用紙を叩いているようです。力技です。

残念ながら日本語対応ではありません。しかし、英語文書に関しては、場合によってはこうしたタイプライターの方が印刷までの時間は早いかもしれません。

和文タイプライターはヤバい

「日本語のタイプライターは無いのか?」と思うかもしれません。

実はあるのですが、もの凄く使い勝手が悪いです。とりあえず、軽く動画を見てみてください。

もはや、何をしているのか分かりません。タイプライターの面影は皆無でしょう。これは和文タイプライターと呼ばれるものです。

少し見にくいですが、人が動かしている装置の上には文字盤が、その下で奇妙に動く板には膨大な数のスタンプがそれぞれ搭載されています。人間は文字盤の中から必要な文字を探しだし、その上でボタンを押します。すると、刻印板からそれに対応するスタンプが取り出され、用紙に打ち込まれるのです。

和文タイプライターの文字盤には、「平仮名」「カタカナ」「よく使う漢字」合わせて2千から3千ほど並べられており、その中から自由に選んで文字を打つことができます。手軽に活字を印字出来るのは魅力ですが、文字の数が多すぎて使い勝手は最悪です。文字盤の配列を相当覚えていないと使いこなすことは難しいでしょう。

ちなみに、形式によっては文字が縦書きで打ち込まれます。用紙を取り出せば良いのですが、書いている最中に内容を確認するのが一苦労ですね。

これなら、綺麗な文字を書けるように訓練した方が有益です。流行らなかったのも納得でしょう。

タイプライターを手に入れる方法

ここまでの記事を読んで、タイプライターも意外と面白いかもしれない。そう思って頂けたなら幸いです。

実はタイプライターは簡単に買うことが出来ます。さすがに古い形式のものは骨董品として購入するしかありませんが、新しいモデルであれば未使用の新品も普通に売っています。

尾河商会(タイプライターの老舗、新品のIBMライターが手に入る)

ヤフオク(中古のタイプライターが安く手に入る)

尾河商会の方はタイプライターのプロが扱う商品ですので、動作確認もきちんとされています。また、新品のインクリボンも手に入るので安心ですね。ヤフオクの方が安価に古いタイプライターが手に入りますが、動くかどうかは分かりません。最悪、ヤフオクで買って尾河商会で修理してもらうという手もあります。

とは言え、修理代は結構かかります。タイプライターの機構は意外とシンプルですので、ちょっと知識がある方なら、壊すのを覚悟で数千円のものを買って自分で直すのにチャレンジしてみるというのもありかもしれません。ただし、骨董的価値の高いものではやらないでくださいね。

他にも、海外では沢山のタイプライターが取引されています。eBayなどを通じて買ってみるのも良いでしょう。

海外では愛好家も多いので、状態の良い物が安く手に入るそうですよ。