日本を除いて、「安全」ランキングではTOP10に入っていたほとんどの国が、「平和」ランキングでは20位以下にまで落ちているのだ。日本は驚きの安定感を誇っている。
特にグルジア(111位)と韓国(53位)と、大きくランキングを下げており、安全だけど平和ではないと言う結果が明らかになった。その原因としては、犯罪の集計方法に問題があったというだけではなく、国外の情勢の不安定さが原因になっている。
アラブ首長国連邦では中東の周辺国が不安定であり、テロリストなどの流入も懸念されること。シンガポール、台湾は中国との関係に問題があり、韓国は北朝鮮、グルジアはロシアと、国外に不安を抱えているためには、平和指数を落としている。
かくいう日本も中韓との関係に問題があるため、ランキングが下がっていると言う形になっている。確かに、我々日本人が自分たちの生活に不安を感じるのは、中国や韓国が関わっている時が多い。重犯罪のニュースで不安になることもあるが、それに関しては他の国はもっと酷い状態なのだ。
テロや紛争、周辺国との関係などを考慮したのは評価できるが、「平和指数」ランキングの問題点としては、国内軍備の増強を「危険性」としてカウントしている事、殺人や暴力を重犯罪として扱っている一方で、レイプなどの性犯罪が重犯罪として扱われていない事などが上げられている。
軍備に関しては、日本を含めた西側諸国の大部分がNATOや米国との同盟により、他国の戦力によって安全保障を行っているので、軍備が少なく「平和」扱いになる一方で、軍事力の後ろ盾となっている側であるロシアやアメリカの評価が著しく下がってしまう。
さらに、露見する犯罪が少なくても、性犯罪の危険性を高めに考慮しない場合、露見しにくい(通報されにくい)性犯罪が多い国のスコアが上がりやすくなる。
多角的に判断する分、余計なスコアや足りないスコアで、評価にブレが生じてしまうと言う可能性があるということだろう。
住みやすい平和な国とは?
「安全」と「平和」と言う観点から各国の評価を見てきたが、何をもって安全で平和な暮らしやすい国だといえるのかは、非常に難しいということが分かる。
犯罪が起こっていないからといって、苦しんでいる人がいないとは限らないし、犯罪が起こっているからと言って、その犯罪で苦しむ人が沢山出ているとは限らない。
軍隊や武器が沢山あるから必ずしも危険だとは限らず、平和な暮らしをどのようにして手に入れるかは、その国の目指すあり方次第と言える。
世界一強大で豊かな国であるアメリカは、強大であるが故に危険な国と言える一方で、その危険な国が存在しなければ平和な暮らしを保てない小国も沢山ある。逆に、アメリカと対立する国は、ロシアや中国の庇護がなくては平和な暮らしが手に入らないのかもしれない。
幸運にも島国であり、我々の先祖のたゆまぬ努力もあり、高いモラルと経済力を手に入れた日本は世界でも有数の平和な国であるということは間違いない。しかし、その一方で、不安定な生活を強いられている国も沢山ある。
平和を手に入れるために何を犠牲にしてきたのかを、あらためて考えて見るのも良いかもしれない。