日本人として生きるには?外国人に住みにくい国-「永住資格と日本国籍」

◯永住資格取得の条件

日本人や永住資格者の配偶者、子息でない場合には、大まかに以下の3つの条件が必要になります。
(参考:永住許可に関するガイドライン)

      1. 犯罪歴、犯罪の可能性がなく、日本の法律を順守する人物であること
      2. 一定の収入、財産があり、生活が保証されていること
      3. 10年以上連続して在住歴があること

◯帰化の条件

日本人の配偶者、子息でない場合には、大まかに以下の条件が必要になります。
(参考:法務省、国籍Q&A

      1. 5年以上連続して在住歴があること
      2. 20歳以上であり、母国においても判断能力があると認められる年齢であること
      3. 犯罪歴、犯罪の可能性がなく、日本の法律を順守する人物であること
      4. 一定の収入、財産があり、生活が保証されていること
      5. 無国籍であるか、帰化と同時に母国の国籍を失う事、二重国籍にならないこと
      6. 日本の憲法を順守できる人物であること

 

以上の様な条件になっており、基本的には、「法律を守り、生活力があり、日本の文化をよく知っている人物」であれば、日本の住民になることができ、日本国民として認められるということになります。

永住資格と帰化の条件の間にある大きな差異としては、20歳以上であり、国籍を捨てられるかどうかが一番のポイントになります。肝心の在住歴のハードルは帰化の方が低いというのが意外です。

国籍破棄の条件は帰化である以上当然だとして、年齢の条件に関しては、「国籍を選択する上で、一人の国民として権利を主張するだけの条件を満たしているかどうか」と言うことで、成人の縛りがあるのでしょう。

実は、永住資格を得られるほとんどの外国人は、日本に帰化することが可能と言うのが、今の日本の法律なのです。

ですから、外国人に生活保護を与える義務がないと言う判決は、そのまま「日本国民になれば、国は生活保護を与える義務がある」と言っているのと等しいのであり、永住外国人自身の判断で、社会保障を受ける権利を放棄していると言う解釈もあり得ます。

では、何故・・・永住外国人は、日本に帰化しないのでしょうか?

母国を捨て、日本人になるということ

帰化して日本人になるということは、母国を捨てるという事を意味します。

多くの永住外国人は、両親のどちらか、もしくは両方が外国人であり、帰化するという事は、その両親との繋がりを捨ててしまうということにもなります。

野球選手・監督として、世界的にも有名なプロ野球選手、王貞治氏は「台湾人」です。中華民国国籍であり、日本国籍は持っていません。誰よりも日本に貢献し、日本を良く知る人物でさえ、父親の国を捨てるような事はしませんでした。

それは、王貞治氏だけではなく、他の永住外国人にも言えることです。日本に暮らし、日本を愛し、日本で死ぬまで暮らすつもりでいても、自分の家族や親が守ってきたもの、残したものを捨てたくないと言う気持ちはあるでしょう。

訴えを却下された中国国籍の女性は日本生まれで日本育ち、中国語はほとんど話せません。80年以上日本で暮らしてきたそうです。

そういう人々に、国籍を捨てろと言えるでしょうか?

王貞治氏は、外国の記者に「私は紛れもない日本人だ」と語っています。同じく、この82歳の中国国籍の女性も「日本人のつもりで生活してきた」そうです。

日本国籍を得ることは、それほど難しいことではありません。少なくとも、絶対に5年間日本で暮らさないといけないということではありません。日本国籍を持つ人物の配偶者になるだけで、日本国籍を得ることが出来ます。人によっては、生まれた時から好きに選ぶことも出来ます。

日本国籍と持つことと、日本人であることは、少し違うことなのかもしれません。

日本で安心して暮らせる権利は、日本国籍を持つ人と日本人、どちらに与えるべきなのでしょうか?

とはいえ、そんなに簡単な問題では無いのですけどね。