鳥と昆虫の飛行とホバリングの秘密(後編):ハチとハチドリの驚くべき高速羽ばたき

トンボやチョウが独自の飛行法を用いて空を自在に飛び、空中でホバリングするのに対して、ハエやハチはまた違った方法で飛行しホバリングを行っています。さらに、鳥であるハチドリの飛行法も他の鳥とは大きく異なる部分があるのです。

空気の流れを利用して揚力を生む事に特化した鳥の翼に対し、トンボやチョウを含め、ハチやハエのような昆虫類の羽は揚力を生み出す空気の渦を作る事に特化していることが知られていますが、実はハチドリはその両方の特徴を持っています。ここでは、4枚の羽を自在に扱うトンボや巨大な羽を大きく振り下ろすチョウとは違った、ハチやハチドリの飛行やホバリングの方法についてご紹介していきましょう。

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鳥と昆虫の飛行とホバリングの秘密(前編):トンボとチョウの独特な飛び方

ハチドリは世界でも最も小さな鳥です。全長は僅か6-20cm。体重は2-20gと圧倒的に小さい鳥です。サイズ・重量感としては、空き缶より少し小さいぐらいをイメージすると良いかもしれません。世界最大の飛行鳥であるコンドルが、全長1.2mで体重が10kgを優に越えることを考えると、如何に小さな鳥かが分かるでしょう。

そんなハチドリのもう一つの特徴が鳥類随一の「ホバリング能力」です。他に世界でホバリングが出来る生物は、昆虫類と航空機を開発した人類ぐらいでしょう。彼らはどのように飛行し、どのようにホバリングしているのでしょうか?

前編では「トンボ・チョウ」、後編では「ハチ・ハチドリ」について取り扱っていきます。また、鳥類の飛行能力については「飛ぶために進化する鳥達」でまとめて扱っておりますので、他の鳥達について詳しく知りたい方はそちらもご覧下さい。

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飛ぶために進化した鳥達(後編):オオワシ、アホウドリ、ハチドリ・・・環境に応じて進化した鳥

前編では、鳥全般に言える翼の扱い方や羽ばたきの意味、羽根や身体の構造について触れましたが、ここでは特定の鳥の特徴に焦点を当てていきたいと思います。その中でも、翼の大きな大型種「オオワシ・アホウドリ」や、重さが数グラムしかない超小型種「ハチドリ」の普通の鳥との違いについて簡単に見て行きます。

大型種はその重量のせいで羽ばたきに必要なエネルギーが大きく、羽ばたける回数に大きな制限があります。一方、小型種の中にはその体の小ささを活かしてホバリング飛行を可能した種もいます。彼らはどのようにして、空を飛んでいるのでしょう?

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