数学を勉強するには本があればいい。
物理科学、社会学、経済学等々も基本は同じことで、本ないし講義の動画やスライドがあれば勉強は十分可能です。生きた他者から教わることは、不可欠の条件ではありません。
では、言葉はどうでしょう?
これは意見の分かれるところだと思います。外国語を学ぶのに、書籍を主に使って学んだ人、他人と会話する中で学んでいった人、最近だと動画サイトなどでもレッスン用の動画があったりもして方法はさまざま、一概に言い切れないことでしょう。
しかし幼児が言葉を習得するのは、少し話が違ってくるようです。最近の研究で、幼児の言語習得には生きた他者とのやりとりが大きな役割を果たしていることが示されつつあります。
幼児の言語習得に社会的要因が欠かせないとする考えは”ソーシャルゲーティング仮説”と呼ばれ、これまで幾つもの実験が行われてきました。
社会的要因がいったいどのように言語習得に関わってくるのか、それを見ていきましょう。