潜水艦の能力に関する情報で最も重要なのが隠密性を左右する「雑音特性(静粛性)」と索敵能力に関わる「ソナー性能」であることは前回ご説明しました。しかし、潜水艦の能力に関する情報で重要なものはそれだけではありません。
次に重要なものとして挙げられるのが、「潜水可能深度」「水中速力」「水中行動時間」です。これは潜水艦の作戦能力を分ける重要なポイントで、これに関する情報が敵方に渡ると潜水艦の作戦行動に大きな支障をきたします。本記事ではその理由について、簡単に解説していきましょう。
マッコウクジラといえば、その特徴的な頭部が印象的だ。同じハクジラ類(歯のあるクジラ)に分類される、シャチやイルカとは明らかに違った四角い頭部。クジラというより、人間の作った潜水艦の形にも似ているかも知れない。
それもそのはず。マッコウクジラは海棲哺乳類の中でも潜水能力に特化したクジラであり、特徴的な頭部は超音波を発するソナーとしての役割がある上に、重さを調節して沈降と浮上を助けるバラストとしての機能もあるらしい。
20メートル以上の大きさを持ち、深海を自在に泳ぐことができるのは潜水艦の他には、マッコウクジラしか存在しないだろう。ただし、マッコウクジラの最大深度3000メートルにまで到達できるのは、深海探査艇ぐらいだ。そんな深海の王者、マッコウクジラの潜水能力の秘密に迫っていきたい。