行動範囲が分かる「潜水深度」「水中速力」「航行時間」-潜水艦の機密情報(2)

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航行時間-どれくらいの時間を潜っていられるのか

「航行時間」というのは、潜水したまま航行できる時間(連続潜航可能時間)です。レーダーと衛星の発達した現代では、潜水艦が浮上すればすぐに見つかります。そのため、作戦行動中の潜水艦は基本的には潜りっぱなしです。

問題はいつまで潜ったままでいられるのか。速度と合わせれば、その潜水艦の「作戦行動範囲」が算出できます。

どんなに隠密性の高い潜水艦でも、何らかの形でその動きを把握されます。港付近に潜伏するスパイが潜水艦の出港を確認したり、衛星から監視したり、対潜哨戒の部隊がその陰を捉えることもあるでしょう。

そこで重要になるのが、その潜水艦の行動範囲です。発見した場所と時間から潜水艦の存在範囲を推測し捜索するわけですが、航行時間が長ければ長いほど捜索範囲が広がり見つけにくくなります。包囲網や防衛網を作るにしても、行動範囲次第で「どこから狭めていくのか」「どこくらいの戦力が必要なのか」が変わってきます。

一方で原子力潜水艦などはそれが無制限になるわけで、根本的に別の戦い方が必要になるでしょう。

通常動力型では「AIP機関」と呼ばれる大気を使わずに長時間潜っていられる装備が搭載されているのですが、これは原子力潜水艦とは違って有限であり、その性能は「AIP機関」の種類によって異なります。

当然、この性能はトップクラスの機密にあたります。「そうりゅう型潜水艦」では公表値では3週間とされていますが、この数値が本当なのかも怪しいです。そもそもこの潜航可能時間は航行速度によって変わりますので、その細かな数値については更に重大な機密になるでしょう。

深さ、速度、時間が分かれば行動範囲が見えてくる

潜水深度、水中速力、行動時間が判明すれば、その潜水艦が行動できる3次元的な範囲が見えてきます。光が届かない深海に潜む潜水艦を見つけるためには、潜水艦が存在する可能性のある3次元空間を把握していなければなりません。

この水中の3次元空間を把握することで、潜水艦から逃げることも容易になりますし、潜水艦を発見することもできるでしょう。しかし、それが分からないままだと、広い海のどのあたりに潜水艦がいるのか分からないままです。いつまで経っても潜水艦から逃げられませんし、見つけることも難しいです。

こうして考えてみると、あらゆる情報が完璧に秘匿されている潜水艦を探すのは本当に苦労しそうです。

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