「中程度の悪質運転」 : 見逃せない交通違反
傘さし運転-片手運転は論外!
雨の日に傘をさして運転するのは交通違反です。
自転車は片手で運転することもできますが、それは「方向変換や停止」する場合や、他の車両に何らかの合図を送るために片手をハンドルから離すケースだけです。それ以外に正当な理由なく、片手を離して運転するのはいけません。
傘をさして運転するのは間違いなく正当な理由にはならず、雨天時に運転する場合は雨合羽を着用することになります。
そもそも、傘は風の影響を強く受けますし、視界も悪くなります。歩行者や他の車両からすれば自転車の動きが予測できず、かなり危険な運転と言うことが出来るでしょう。
右車線側の路側帯走行-危険な逆走
自転車は車道の左側を走行しなくてはいけません。
意外に知られていないのですが、歩道や専用通行帯が無い限り、自転車は車道の左側を走行する義務があります。そのため、車道の右端を自転車で走行するのは交通違反です。
車が左側を走っているので、車からすると自転車が正面から来る形になり非常に危険です。以前は、広い路側帯に限り許可されていたのですが、あまりにも事故が多いので禁止されました。
左側を走る自転車を後ろから追い越す場合であれば、多少自転車がふらついても反応できますが、正面から来てドライバーも反応できません。速度差がある分、大事故にも繋がるため、注意が必要ですね。
歩道で徐行しない-歩行者に気をつけること
歩道で徐行しないで走行するのは交通違反です。
徐行というのはすぐに止まれる速度ですので、かなりゆっくりとした速度です。自転車が倒れないで走れるギリギリのラインかもしれません。
歩道は歩行者のための道路であり、本来は自転車が走行するスペースではありません。また、歩行者と言うのは歩道から見えない狭いスペースから急に現れることもあり、すぐに止まれるスピードで走行することが必須です。
何らかの理由で歩道を走る場合、いつどこで歩行者が現れても止まれる様なスピードで走行しましょう。
蛇行やふらつきながらの運転-他の違反と合わせてダメ
蛇行やふらつきながらの運転も交通違反です。
自転車の走り始めに一瞬ふらつくのは仕方ありませんが、故意に蛇行したり、不安定な自転車で走行し続けたりするのは非常に危険です。特に、片手運転や手放し運転、二人乗りの運転者に良くあるケースで、他の交通違反と関係していることが多いです。
ふらつきながらの運転は、他の車両や歩行者にとって危険なだけではなく、転倒のリスクもあるのでやめましょう。
車両通行止め区間の通行-標識の意味、知ってます?
車両通行止め区間の通行は交通違反です。
上のような標識を見たことありませんか?
これは車両通行止めを表していますが、「車両」には「自転車」も含まれますし、標識は自転車にも歩行者にも意味のあるものです。
「自転車には関係ない」と思って、通ってしまうと思わぬ危険に遭遇します。
多くの場合、道路が狭い場所、歩行者が多い区間や児童・高齢者が多く利用するような区間に設置され、自転車も通れません。また、単に道路が狭いだけで自転車は通れるような場合は、「軽車両は除く」と言う補助標識も付いているので、「軽車両」には「自転車」も含まれていることもあり、そう言う場合には通行できます。
自動車の免許を取得したことがある人なら常識ですが、自転車には免許が要らないので知らない人も多いですよね。
「重度の悪質運転」 : 絶対にやってはいけない違反
信号無視-右左折に注意!
信号無視は交通違反。言うまでも無いことですね。
ただ、気をつけたいのは、自転車は歩道を走ることもあるため、「歩道の信号」も「車道の信号」も有効だということです。
まっすぐ進む分には、歩道の信号も車道の信号も基本的には同じなので問題ありません。
しかし、よくあるのが車道の信号が赤の時に右左折をしてしまうケース。自転車は「二段階右折」と言って、信号が青の時に交差点の奥に進み、右側の信号が青になった時に右側の道路に移動すると言う右折方法が義務付けられています。また、当然ですが左折の時も、車道の信号が青になってからの左折になります。
(二段階右折_正しい交差点の右折)
ところが、自転車は小回りが効くからと言って、車道の信号が赤の時に歩道に入って左側の道路に移動したり、横断歩道を使って右折したりするケースがあります。これは紛れもない交通違反なのですが、自転車を歩行者感覚で使う人が多いため、違反者が後を経ちません。
確かに、自転車は歩道を走れますが、「正当な理由」が必要です。右左折のため、と言うのは正当な理由にはなりません。
ただし、ポイントがあります。自転車は降りれば歩行者です。そこで、右折時に車道の信号が赤でも、自転車から降りて横断歩道に入り、自転車を押しながら歩行者として横断歩道を利用すれば交通違反にはなりません。左折の際にも、自転車を降りて左側の歩道に入り、安全確認をした上で自転車に乗って車道に入れば左折ができます。
ちなみにこれは手押しで歩行者になれるバイクでも使えるテクニックなのですが、「エンジンを切らないといけない」ので使っているドライバーは少ないですね。
(次ページ:飲酒運転や歩行者の妨害は交通違反)