電子書籍による新しい読書習慣の勧め
電子書籍はそのシステムから、次々と新しい本に挑戦できるという特別な性質を持っています。それは今後の市場拡大だけでなく「新しい読書習慣」としての成立にもつながり、紙の本の代わりとして使う以上の魅力を生み出していくでしょう。
電子書籍を使った新しい読書習慣として、「雑食読み」と「並行読み」の2つを紹介したいと思います。
読み放題サービスを使った「雑食読み」
雑食読みとは、電子書籍のサブスプリクションサービスを活用した「何でも読む読書法」のことです。近年は電子書籍とサブスプリクションを組み合わせた「読み放題サービス」が、ひとつの選択肢として存在します。
サブスプリクションでは月額料金を支払うことで、対象となる漫画、小説、雑誌といったあらゆる電子書籍が読み放題になるのです。そういった読み放題サービスに登録して、あらゆるジャンルの本をとにかくたくさん読んでいくのが雑食読みの基本となります。
自分の興味のある書籍はもちろん、触れたことのないジャンルや作家にも積極的に手を出していくのが雑食読みの特徴です。知識欲が刺激されるような本もユニークな本も好き嫌いせずに雑食的に味わっていくことによって、読書の幅を広げていくことが目的となります。
サブスプリクションであれば、サービス範囲内の書籍はいくら読んでも追加料金がかかりません。そのため金銭的リスクをかけずに、自分の知らない本の世界に挑戦していけることが利点になります。
図書館などを使うことでも、さまざまなジャンルの本に手を出すことは可能かもしれません。しかし、書籍を見つけて借りるまでの手間、図書館への移動時間、蔵書の幅広さなどを比較すれば、電子書籍の方が圧倒的にやりやすくなります。
現実的に考えると、雑食読みは電子書籍だからこそできる読書習慣になるでしょう。読み放題サービスの対象となっている書籍は豊富なだけでなく、定期的なラインナップの変更などによって長期的に楽しめるようになっています。
電子書籍とサブスプリクションとの組み合わせを活かした雑食読みは、ぜひ一度体験してみることがお勧めです。
複数の本を気分によって読み進める「並行読み」
並行読みとは、複数の本をその日の気分によって適当に読んでいく読書習慣です。
基本的に電子書籍は、書籍ごとに読んだページが保存されるため、手軽に読書の中断が可能となっています。このシステムを利用して、複数の書籍を同時進行で読み進める方法が並行読みの特徴です。
電子書籍なら端末に複数の書籍を貯蔵した状態で持ち運びができるため、ふとしたときに続きを読むといった衝動的な読書がしやすくなります。その手軽さを活かすためにも、「あえて気軽に中断する」という読書方法が、新しい習慣として定着し得るのです。
一方で並行読みには、中断した本が増えることでそれぞれの内容がわからなくなるのでは、という問題があります。しかし、電子書籍には簡単なメモを付けたり、各アプリとシェアしたりといった機能もあるため、内容を自分なりにまとめておくことが可能です。
次に読むときの自分に向けて記録を残すことも、電子書籍の新しい読書習慣に含まれて、ひとつの楽しみになることもあるでしょう。小説など読み終わるまでに時間のかかるジャンルが苦手な人は、この並行読みを実践することで読破率を高めていくことができるかもしれません。
並行読みなら短時間でも少しずつ読書を進めていくことができるので、「読む」という行動をより日常的な感覚として取り入れやすくなります。何より「すぐに最後まで読みきらなくても良い」という気軽さがあるため、読書が継続しやすくなるでしょう。
読書が得意でないけれど、電子書籍をきっかけにして楽しんでみたいという場合には、並行読みを試してみてください。