前回は酵素の基礎的な機能やメカニズムについてご説明しました。しかし、酵素の働きのしくみが分かっても、体の中の酵素の働きなんて実感もないしよくわかりません。酵素の働きが気になるのは、やはり健康サプリメントなどに関わる時ではないでしょうか?
酵素のサプリメントを摂取すると調子が良くなる。けれども、酵素を口から入れても意味がないという話も聞く。そこで、今回は酵素の構造と口から酵素を入れた後に起こる出来事について解説していきたいと思います。
小腸での消化吸収が終われば、次に食物は大腸へと送り届けられます。
この段階で食物の消化吸収の大半が終わっていて、消化酵素を使った消化は殆ど行われません。大腸に入ってきた食物の残骸はこの段階で既に「便」と呼んでも差し支えないものです。ただ、まだまだ水っぽい状態で色も茶色ではなく黄色い上、使える素材も残っています。
さらに、消化酵素による消化は行われないものの、腸内細菌による発酵が行われるのがこの大腸。この腸内細菌よる発酵で、食物繊維が分解されて人が吸収できる形に変換されています。つまり、大腸と腸内細菌は切っても切れない関係にあるのです。
本記事では大腸の働き以外にも、腸内細菌の働きについても簡単に扱っていきたいと思います。
消化器官の中である意味最も地味なポジションでありながら、消化吸収では最も重要な器官とも言えるのが十二指腸。
十二指腸と言うのは、小腸と胃の中間に当たる短い腸っぽい器官のこと。見るからに腸の一部でしかないにもかかわらず、胃酸の中和や三大栄養素すべての消化に聞く消化酵素を分泌する場所であり、膵臓・胆嚢・肝臓と直接繋がっている部位と言う特性上、各種疾患時に症状が現れやすい箇所でもあります。
腸という名の通り、栄養吸収のための絨毛が存在し、基本的には小腸の一部です。しかし、膵液や胆汁が分泌されるという点を鑑みても、明らかに他とは違う器官といえます。十二指腸について、もう少し詳しく掘り下げてみましょう。
「歯」は食べ物を噛み砕く器官でしたが、その中で歯を健康に保つために唾液が重要な役割を果たしていたこともわかりました。しかし、唾液と言えば忘れてはいけないのが、消化剤として、円滑剤としての働きです。
唾液はあくまで唾液腺からの分泌液ですので、消化器官と言うわけではありません。とは言え、唾液腺について語ることは唾液について語る事と同義です。ですので、本記事では唾液の働きについて扱っていきます。