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未成年の猟奇殺人、佐世保事件と過去の未成年殺人を比較する(前編)

佐世保で起きた女子高生によるバラバラ殺人。犯人の女生徒は、仲の良かった友人を絞殺し、死後に首や手を切断した事件。殺害の際、怨恨や金銭、口封じなどの明確な目的は無く、純粋に「殺害すること」が目的である快楽殺人であると見られている。

加害者の女生徒に関する報道は数多くあるが、事件の全貌は未だ明らかになっていない。

近年稀に見る未成年による非常に猟奇的な殺人事件ではあるが、過去にも同様の未成年の猟奇殺人は存在していた。世界的に治安の良いとされる日本で起きた未成年による猟奇殺人をここ20年前後でピックアップして、今回の事件と比較してみたい。

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『Cow Clicker』の哲学 ―形ある“議論”の実例―

手持ちのスマートフォンにゲームアプリはいくつ入っているだろうか。
台頭から早数年が経ち、かつてほどの勢いはないにしろ、ソーシャルゲームはすっかり定着した感がある。

しかしソーシャルゲームが爆発的な広まりを見せてきた2010年頃には、さまざまな議論を呼んだものだった。
海外のゲーム開発者も例外ではなく、特にこの年はGame Developers Conferenceで『ファームビル』が賞を取り、開発会社の社長の発言が物議を醸した年だった。
ジョージア工科大学で教鞭を執るゲームデザイナーIan Bogostが『Cow Clicker』の着想に至ったのは、そのような背景がある。

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発光の仕組み、白熱電球・蛍光灯・LEDは何故光るのか?人が作った技術の光

夜でも明るい人間の暮らし。文明が生まれてから、人は様々技術を用いて人の生活に光をもたらして来ました。

数千年間、人は灯りに火を使い、原料は木・油・ガスと変わっていきますが、その基本原理は同じです。しかし、電気という新しいエネルギーが発見され、白熱電球・蛍光灯・LED電気と次々に新たな原理の灯りが発明されました。

これらの電灯は全て電気を使っていると言う点で共通ですが、原理は全てバラバラです。では、それぞれどんな違いがあるのでしょうか?誰にでも理解できるように、簡単に説明していこうと思います。

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翻訳小説:魔王の弔い(E・P・ミッチェル)

『宇宙戦争』などで有名になったH・G・ウェルズなどに先駆け、『タイムマシン』や『透明人間』などの題材を扱っていたE・P・ミッチェル。前回翻訳した『悪魔の鼠』に続き、再び悪魔や魔王が出てくるお話です。

— 主人公は時を越え、世界の終わる瞬間へとやって来ました。そこで見たのは、魔王を崇拝する人間達。そして、魔王の死を弔わんとする人々に混じり、主人公は世界の終わりを目にすることになる。

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盲腸は切っちゃダメ?要らない子と呼ばれた虫垂の大切な役割

虫垂炎、通称盲腸として知られている病気だが、機能的に要らないとされていた虫垂の疾患であったため、今までは切り取ってしまうのが一般的であった。

それが、21世紀初頭の研究で、「もしかしたら必要かもしれない」と言う所までは分かっていたが、それがどのくらい重要なのかが分かっておらず、健康な虫垂を他の手術のついでに切り取る様な事は減ったものの、「無いよりはマシ程度なら、邪魔になったら取れば良い」と言う全体の風潮は変わらなかった。

しかし、今年4月の大阪大学の研究で、虫垂が人体にとって確実に必要な組織であり、さらに切り取ることで別の疾患を引き起こしやすくなることが明らかになった。

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エルニーニョ現象(ラニーニャ現象)の仕組みと影響、暑い?寒い?日本では何が起こる?

2014年。今年5月の気象庁の発表では、エルニーニョ現象が6月-7月頃から始まり、日本は冷夏になる可能性があるという発表でした。ところが、新たな発表では、エルニーニョ現象の発生時期が秋ごろにずれ込むという話。この夏は冷夏どころか例年より暑くなる可能性があるそうだ。

エルニーニョ現象と言うのはよく聞く言葉だが、ざっくり言ってしまえば「海水温がいつもより温かい」と言う現象だ。たったそれだけの現象にも関わらず、エルニーニョ現象は異常気象を引き起こす元凶として知られている。

何故、エルニーニョ現象が異常気象を引き起こし、そしてどんな異常気象が起こり得るのか・・・それらについて簡単に説明していきたいと思います。

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涼みの科学。冷却グッズの種類と原理、どうやって熱を逃すのか?

猛暑日が増えました。地球温暖化はゆるやかになったというけれど、涼しくなったわけじゃありません。ましてや、市街地ではヒートアイランド現象で余計に熱く感じる今日。アイスクリームや冷却グッズがたくさん売れます。

実はこの冷却グッズ、製品や使っている技術によって「涼しさ」を生み出す「原理」が違います。意外に知られていない、冷却グッズの原理。皆さんご存知でしたでしょうか?

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うなぎの生態と今後の展望、なぜ養殖が進まず、絶滅危惧種になったのか

国際自然保護連合(IUCN)によって、ニホンウナギが絶滅危惧種(レッドリスト)に加わった。

これが取引規制や漁獲量規制に直結するものではないものの、国際取引を規制する条約である「ワシントン条約」によって、規制される可能性が高まった。条約そのものの拘束力は無いが、日本には「種の保存法」と呼ばれる、条約を順守し野生動物を保護するための法律が存在する。条約により規制されれば、日本でも当然規制が行われる。

確かに日本人は鰻をよく食べるが、鰻は贅沢品であり、日本以外で大量に食べる国も少ない。そんな中、なぜ鰻の数が減り、絶滅危惧種にまでなってしまったのだろうか?

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夏だ!昆虫採集だ!昆虫の習性を理解し、手軽に虫を捕まえよう

夏と言えば、昆虫採集。なんていう人はめっきり少なくなった様に思えます。

虫に興味が無い人なんて論外でしょうし、興味があっても、都市圏では虫が取れるような林も少なくなってきたかもしれません。それでも、暑いからと一日中家に篭ってばかりでは、心身の健康に悪そうです。養老孟司さんも、「昆虫採集で”正気”に戻ろう」と言っています。

虫の生息域は少なくなっていますが、その分、小さな林にも、虫はちゃんと生息しています。生き物を大切にするための子供の学習やご自身の運動も兼ねて、昆虫採集はどうでしょう?虫の習性をよく理解すれば、大げさな装備なんて入りません。家にあるものや、ちょっとした道具で昆虫採集は出来てしまうんです。

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クラウドファンディングとの付き合い方 ―『Yogventures!』から何を学ぶか―

Kickstarter―――――
それはパトロネージュと
インターネットをくみあわせた
まったくあたらしいサービス・・・

クラウドファンディングという言葉がこの1、2年でたびたび耳に入るようになってきた。
特に著名なサービス提供者といえばKickstarterだろう。

クリエイティブなプロジェクトの支援を行うという理念の元、少額の寄付を多くの人から集める場を提供するクラウドファンディングのさきがけとして、映画、絵画、彫刻、ゲームなど、さまざまな作品制作に寄与してきた。
気をつけたいのは、あくまでこの資金集めは寄付にであるという点だ。
Kickstarterの規約上、プロジェクトの目標額が集まらなければ寄付したお金は帰ってくるが、目標額が集まってから何か問題があってプロジェクトが没になった場合はどうにもならない。

ごく最近、その「どうにもならない」事例が発生し、にわかに紛糾をみせている。

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