Googleから生まれた「Waymo」
(セルフドライビングカーのプロトタイプ_Waymo)
「Waymo」はGoogleの「セルフドライビングカー」プロジェクトから生まれた企業です。Googleはいち早く自動運転車の開発に取り組んでいたこともあり、技術的には最も進んだ技術を持った企業と言えるでしょう。
上図のように、自動運転車のプロトタイプは一見するとただの可愛らしい軽自動車です。しかし、ハンドル・アクセル・ブレーキが存在せず、事実上の「完全自動運転車」です。EZ10やARMAと違って2人乗りで、無人シャトルバスとしてではなく自家用車としての運用が想定されています。
基本的には他の無人運転車と同じく事前のマッピングが必要ですが、Googleが保有する詳細な地図データ(Google Map)や映像情報(Street View)を利用することで、高精度センサー(LIDAR)による事前マッピングが無くとも、その場でマッピングを行ないながら走行することができるのが特徴です。
Googleが開発している人工知能技術がふんだんに用いられており、ただ障害物を検知して回避するだけではなく、車の流れに合わせて制限速度をオーバーすることもできますし、人間の動作を検知して次の動きを予測する機能もあります。
こうした自動運転の人工知能プログラムは「お抱え運転手」の意味を持つ「Chauffeur(シェーファー)」と呼ばれています。軽自動車型のプロトタイプの他にも、セダンタイプやミニバンタイプの自動運転車が存在しており、技術的な汎用性も高いです。
最も進んだ自動運転車を開発しているWaymoではありますが、自動運転車は市販されてはおらず、その予定も今のところありません。自家用車やタクシーとしての使われ方が期待されている自動運転車ですが、2020年に間に合うでしょうか。
目の不自由な高齢者を乗せて走る自動運転車
まとめ
無人シャトルバスであるEZ10とARMAは既に実用レベルに達しており、試験走行で安全が確認でき次第、そのエリアではすぐにでもサービスを始められるでしょう。一方、Waymoの自動運転車は技術的には実用レベルに達しているものの、特定のルートに限った運用とはならないことが想定され、まだまだ作り込みが必要かもしれません。ちなみに、監視員付きですがUberから自動運転タクシーが登場しています。
また、これからの課題としてセンサー類の誤認識があります。ここで紹介した自動運転車は全てLIDARと呼ばれるレーザーを使った高精度センサーを障害物の認識に使っていますが、LIDARは人間の視覚と比較して誤認識が多く、さらに高価で使いにくいことが欠点として指摘されています。
人間の視覚認識能力に合わせて道路は作られているため、人間のように運転するためには、レーザーセンサーだけではなくカメラによる高度な映像認識能力が必要不可欠です。人工知能の進歩も著しいので全周囲カメラだけで運転できるようになるのも時間の問題という印象はありますが、それがいつになるのか本当に楽しみです。