自然に存在するものに特許はない、遺伝子特許とミリアド裁判

2015年4月から、日本ではホログラムや色彩などを含めた新たな商標制度が施行された。商標は特許と並ぶ知的財産の一つだが、ホログラムや色彩にも「知的財産」があると言われると不思議な気分になる。しかし、特許の中にはもっと変わった知的財産がある。

それは遺伝子だ。遺伝子は生物全てが持っている生物の設計図だが、ある条件を満たすとそれが特許として認められる。ただ、何を持って特許と認めるのかがは難しい。これは海外だけの話ではなく日本でも認められている特許だが、日本では議論が進んでいない。

米国や豪州ではどんな議論が行われてきたのだろうか?

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「モリー先生との火曜日」ALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵されながら、『時間があって幸せ』だと語る教師の物語

ASL アイスバケットチェレンジ(ALS Ice Bucket Challenge)のチャリティ活動について調べていたら、面白い本に出会った。

「モリー先生との火曜日」と言う本。不治の病であるALSに侵され、余命幾ばくもないモリス・シュワルツ(愛称モリー)という社会学の教授が古い教え子に「最後の授業」を行う話。ノンフィクション作品であり、実際に最後の授業を受けたミッチ・アルボムが出版した作品だ。

この本はモリー教授の「最後の論文」として作られ、モリー教授とその教え子だったミッチ・アルボムの共同作品と言える。モリー教授はこの最後の論文を完成させるために、昏睡する数日前まで彼に人間の人生において本当に大切な数々の事を教え続けた。それは、愛であったり、心であったり、家族であったり様々だ。

一つ言えることは、日々身体が動かせなくなっていく中で死を間近に感じ、如何に死ぬかについて考え抜いた者でなければ、辿りつけない境地があるということ。

教授はこう語っている。
「誰もが私みたいに時間があるわけじゃない。私みたいに幸せなわけじゃない」
死を前にして、教授がこう語れるようになったのはどうしてなのだろう?

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ALS(筋萎縮性側索硬化症)、「意識はそのままで身体が動かなくなる」病と氷水を被るチャリティ活動

最近、アイスバケットチャレンジ(Ice  Bucket Challenge)と言う、「頭から氷水を被る」か「100ドル(1万円)募金する」かを選ぶ活動が、ALS(筋萎縮性側索硬化症、別名ルー・ゲーリック病)のチャリティ活動の一巻として、SNSなどを通じて広がりつつあります。すでにビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、孫正義、山中伸弥、浜崎あゆみと言った著名人達が参加していることでも有名です。

ALSと言うのは、中国の指導者である毛沢東や病名の由来となった米国の殿堂入りメジャーリーガーのルー・ゲーリックの死因でもあります。車いすの天才物理学者としても知られるスティーヴン・ホーキングが患っている病気であることでも有名でしょう。テレビや映画で話題になった「宇宙兄弟」でも、ALSの治療法を見つけるために宇宙飛行士になった女性飛行士などが登場しています。今年放送されたドラマ「僕のいた時間」でも、この病気が取り上げられています。

アイスバケットチャレンジチャレンジと言うのは、最近増えてきたチャリティ活動の一つです。今回の方式では、挑戦者が次の挑戦者を選んでから、氷水を被るか募金をします。狙いは募金ですが、お金がなければ氷水を被るという視覚的にインパクトのある挑戦を行い、次の挑戦者へと受け継がれます。もちろん、両方することも出来ます。

本記事ではアイスバケットチャレンジが世界中に広がっていった過程とALSと言う病気について簡単に説明していこうと思います。

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