世界初の魚雷、ホワイトヘッド魚雷の発明と19世紀の魚雷の発展

”ホワイトヘッド魚雷なしには、潜水艦は精々面白いオモチャ止まりだったろう”

 イギリスの海軍軍人ヘンリー・ジョン・メイは20世紀初頭にこう語った。内燃機関とバッテリーを併用する近代的な潜水艦は1900年頃には既に完成していて、アメリカやイギリスなどの海軍は潜水艦を就役させ始めていたが、大砲に頼らず大型の船に有効打を与えられる魚雷がなかったならその価値は相当低くなっていたことだろう。

 実際、潜水艦から発射できる巡航ミサイルが登場する20世紀中盤になるまで潜水艦の戦闘は魚雷が軸であった。ミサイルが普及して久しい今日でも対潜戦闘において魚雷はまだまだ使われている。
 魚雷の存在が潜水艦の価値を引き上げ、また潜水艦の発展が魚雷の発展を促すという、ひとつの循環があったとも言える。では、その起点となった魚雷は、いつ作られたのだろうか。 [—続きを読む—]

太平洋戦争の米潜魚雷が不具合だらけ?(後編):接触信管まで動かない!Mk14魚雷の最後のトラブル

魚雷の深度調節装置の不具合に始まり、ようやくそれが治ったと思えば磁気信管の不具合。終いには、磁気信管の不具合が治らないからと、磁気信管の使用を禁止して接触信管(衝突時に爆発する信管)に変更する始末。

接触信管は古い魚雷でも使われていた信管で、問題なく動いていた装置。最新の技術を使っている複雑な磁気信管とは違って、信頼性も高いはずだったのだが・・・米軍の潜水艦乗りは、予想外の自体に遭遇する事になる。

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太平洋戦争の米潜魚雷が不具合だらけ?(中編):深度調節の次は磁気信管にも不具合が見つかる

深度調節装置の不具合で、深く潜り過ぎて爆発しなくなっていた米潜水艦の魚雷。潜水艦乗り達が魚雷の不具合を証明するために、様々な苦労をした末にようやく不具合が修正された。

しかし、米潜水艦の魚雷不具合問題はまだ終わっていなかった。

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太平洋戦争の米潜魚雷が不具合だらけ?(前編):日本を苦しめた米潜水艦搭載のMk14魚雷のトラブル

第二次世界大戦時の米国の潜水艦といえば、何十何百もの日本の船舶を沈め、軍民問わず何万人もの日本人を死に追いやった脅威の兵器。日本の戦艦も米潜水艦を恐れて基地から出なかったほどで、それがどれほどの脅威だったかは言うまでもない。

これら米潜水艦による日本船舶の被害は、戦争中盤から後半に掛けて大幅に増えている。これは、この頃太平洋の支配権が米国に移り変わって来た上、米軍の大量生産による戦力投入があったことが原因として語られることが多いが、実はもう一つ忘れてはならない理由があった。

戦争初期、実は・・・米軍の潜水艦が使っていた魚雷は不具合だらけでまともに使えたものではなかったのだ。

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潜水艦乗りの過酷な戦い(4):魚雷だけじゃない!対艦・対地・対空装備、海で最強の潜水艦

前回の記事では、潜水艦がどのようにして敵を見つけるかについて簡単にご説明しました。さて、敵を見つけたら今度は戦闘です。

海中の戦闘は海上の戦闘とは全く異なります。陸、海上、空の戦いは電波技術の進歩により飛躍的に変化しましたが、実は海中の戦いは世界大戦以来大きく変化していません。イージス艦が最強だとか、ステルス機が最強だとか、無人機が陸と空を跋扈するだとか・・・潜水艦とは無縁の話。

イージス艦のハイテクレーダーも、ステルス機の隠密性も、沢山の無人機も、未だ潜水艦の脅威にはなりません。海中にイージス艦のレーダーは届きませんし、潜水艦は世界中のどのステルス機よりも隠密行動に優れています。海中に無人潜水艦を送り込んでも、無人機の情報は結局浮上して電波を使うか、母線に繋がった有線で受け取るしか無いのです。

潜水艦が登場して百五十年が経った今でも、潜水艦と言うのは独自の立ち位置を取り続けています。

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