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はやぶさ2の進化!小惑星1999JU3へ向かうためのイオンエンジンとは?少ない推進剤で少しの加速を得る宇宙のエンジン

小惑星イトカワから世界で初めてサンプルリターン(サンプル採取後、地球に持ち帰る)ミッションに成功したはやぶさの後継機である「はやぶさ2」が2014年11月30日(12月1日以降の打ち上げに延期)にH2Aロケットによって打ち上げられる。小惑星の名前は1999JU3。到着は2018年を予定している。

ミッションそのものははやぶさとほぼ同じで、形状なども初代はやぶさに酷似しているが、様々な点に改良が加えられている。大きな変更点としては、アンテナ強化・エンジン強化・観測機器の増強・観測方法の追加などである。

初代はやぶさは数々のドラマを生みながら満身創痍の中で何とかイトカワのサンプルを持ち帰った。特に、メインエンジンであるイオンエンジンは4基すべてが破損してしまった事が知られている。今回ははやぶさ2のイオンエンジンについて迫っていきたい。 [—続きを読む—]


ノーベル賞受賞者:赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏。三者はどのようにして、青色LEDの実用化に貢献したのか

2014年10月7日、2014年度のノーベル物理学賞に日本生まれの科学者3名が選出された。
赤崎勇、名城大学教授(85)。天野浩、名古屋大学教授(54)。中村修二、カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授(60)。

受賞理由は青色発光ダイオードの実用化。受賞者は皆、青色発光ダイオードの実用化において重要な役割を果たした人物だ。天野浩氏は名古屋大学教授だった赤崎勇氏の下で活動していた弟子に当たる人物で、中村修二氏は発光ダイオード生産において今では世界的なシェアを持つ日亜化学工業の研究員だった。

青色発光ダイオードの実用化にあたって三者はそれぞれ別々の技術開発で貢献しているが、青色発光ダイオードが発明され、実用化されるまでの過程を順を追って説明していきたい。

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小惑星と間違えられた探査機ロゼッタ、チェリャビンスク隕石級の危険性とも

2007年11月8日。地球に接近する天体を観測するカタリナ・スカイサーベイから、それらの情報を統括する米国の小惑星センター(MPC)にある情報がもたらされた。2007VN84と名付けられたその天体が、地球に急接近しているというのだ。

地球に再接近する際の距離はおよそ5700kmにもなる。月と地球の距離が、384,400kmというのだからかなりの近距離だ。何かの拍子に天体の針路が変われば、地球に落ちてくる可能性が極めて高い。しかも、その大きさは直径20m級。これは、チェリャビンスク州で甚大な被害を生んだ隕石と同クラスであり、まともに落ちれば100mクラスのクレーターを生む巨大な隕石となる。

地球に危険が迫っていた。

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アヒル型?チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸機フィラエが探査機ロゼッタから投下される

今年の8月に探査機ロゼッタがチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に追いつき、彗星の核の写真を撮影してきた。この写真がアヒルの玩具のようだと話題になったが、来月11月には彗星の地表に着陸機(ランダー)のフィラエを投下する。

 これまでに彗星に近接して写真を撮ったり、彗星にモノをぶつけてみたりしたことはあったが、着陸機を着陸させたことはなかった。もし、フィラエが無事に着陸に成功し、彗星表面の物質を採取・分析し、その結果を地球に送ることができれば、彗星の構造や成り立ちについての研究に大きな進展が見られることになる。

果たして、フィラエは無事に着陸に成功する事ができるのだろうか?

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飛べなくなった鳥達(3):水と共に生きる鳥(ペンギン、ガチョウ、フナガモ、など)

 「飛べなくなった鳥達」では、第一回で多くの飛べない鳥に共通する特徴を、第二回で地上の鳥を説明してきました。今回は、泳力を手に入れた鳥達である、フナガモ、ペンギン、ガチョウをピックアップしてみて行きたいと思います。

水上を走る様に泳ぐ能力を手に入れたフナガモ。
潜水能力を手に入れたペンギン。
本来は飛べる種だった雁を家禽化したガチョウ。

彼らは何故、、空を飛ぶことを捨てたのでしょう?そして、失った翼はどうなってしまったのでしょうか?

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飛べなくなった鳥達(2):地上で生きる術を見つけた鳥(ダチョウ、キーウィ、ニワトリなど)

前回、飛べなくなった鳥達に共通する特徴についてご説明しましたが、今回はその中でも地上で生きることを決めた鳥達についてご説明します。

世界一走るのが早い鳥、ダチョウ。
小型で素早く、ニュージーランドの国鳥とされるキーウィ。
家畜化され、世界で最も人に飼育されているニワトリ。

彼らはどのようにして飛ばなくなり、地上で生きるようになったのでしょうか?

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飛べなくなった鳥達(1):大地や水と共に生きる選択、得たものと失ったもの

別の記事で飛ぶ鳥達の特徴について調べてみましたが、実は鳥には飛べない鳥達も数多く存在しています。彼らは鳥としての特徴である翼や嘴などを持ち、確かに鳥としての外見を保っているものの、何故か飛べません。

地球上で空を飛ぶことが出来る動物は鳥達だけであり、空を飛べるというだけで多くの天敵に対して強いアドバンテージを持つことが出来ます。しかし、その空を飛べると言うメリットを捨ててまで、地上で生きる選択をした鳥がいます。

本記事では、そんな飛べなくなった鳥達について、迫っていきたいと思います。

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ニホンオオカミとは何だったのか?狼の再導入による生態系再構築に光

ニホンオオカミと言う狼をご存知だろうか?

1905年に発見されたのを最後に発見されなくなり、絶滅したとされる狼だ。日本以外では生息せず、北海道に生息していたエゾオオカミも絶滅したことで日本には狼がいなくなってしまった。

狼がいなくなったことで、狼を天敵としていた動物達が大繁殖し、日本における自然の生態系が大幅に崩れ始めている。生態系を取り戻すには狼を再び日本に導入するのが一番だが、そこには様々な問題が存在している。

最近のニホンオオカミの研究と共に、日本の本来の自然環境を再構築するためにはどうすれば良いのかについて考えてみる。

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飛ぶために進化した鳥達(後編):オオワシ、アホウドリ、ハチドリ・・・環境に応じて進化した鳥

前編では、鳥全般に言える翼の扱い方や羽ばたきの意味、羽根や身体の構造について触れましたが、ここでは特定の鳥の特徴に焦点を当てていきたいと思います。その中でも、翼の大きな大型種「オオワシ・アホウドリ」や、重さが数グラムしかない超小型種「ハチドリ」の普通の鳥との違いについて簡単に見て行きます。

大型種はその重量のせいで羽ばたきに必要なエネルギーが大きく、羽ばたける回数に大きな制限があります。一方、小型種の中にはその体の小ささを活かしてホバリング飛行を可能した種もいます。彼らはどのようにして、空を飛んでいるのでしょう?

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食べたら死ぬキノコ特集:「タマゴテングタケ・ドクツルタケ・カエンタケ・ドクヤマドリ・ニセクロハツ」

「派手なやつは毒がある」「地味な奴の方が危ない」「茎が縦に避ければセーフ」「虫が食べていれば毒がない」「どんな毒キノコも適切に加工すれば毒が抜ける」

などなど、数々の迷信で多くの人々を苦しめてきた毒キノコですが、腹痛や嘔吐、下痢で済めばまだ良い方。毒キノコの中には、少し食べただけでも死んでしまう種類も存在しており、キノコの毒性をなめては命に関わります。死ぬほどの毒性があるものはさぞ特徴的なのだろうと言うとそういうわけでもなく、普通のキノコっぽい毒キノコも存在します。

毒キノコ御三家と呼ばれたタマゴテングタケ、シロタマゴテングタケ、ドクツルタケに加え、カエンタケ、ドクヤマドリ、ニセクロハツについても簡単にご紹介します。これらの毒キノコは、全て少量の摂取で死に至る可能性が高い毒キノコです。

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