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飛ぶために進化した鳥達(前編):飛び方・体・翼に至るまで、飛行を追い続けた生物

鳥が空を飛ぶ原理を応用して飛行機の翼が作られたのは有名な話です。しかし、この記事では航空力学で扱うような揚力の原理やベルヌーイの定理などには触れず、空を飛ぶ鳥達の様々な工夫について取り上げてみたいと思います。

鳥は空を飛ぶことで外敵に対して圧倒的な優位に立ち、古くからの生存競争に勝ち残ってきた優秀な種族です。地球上で最も繁栄している人類ですら、空を飛ぶことに憧れ、制限はあるものの比較的自由に飛べるようになったのはここ百年の話。

彼ら鳥に比べれば、人類の空を飛ぶ技術と言うのはまだまだ及びのつかない世界といえます。何万年と空を飛び続けた鳥達の飛ぶ目的や飛ぶ環境に合わせた飛行における工夫とは、一体どのようなものがあるのでしょうか?

前編では、羽ばたきの理由や飛行に特化した体や羽根の特徴について触れていきます。

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退屈は痛みより辛い最大の毒。何も出来ないことに、あなたは耐えられますか?

米国バージニア大学の実験で、人は退屈な状況に置かれると、そのまま退屈に耐えることより電気ショックを受ける方がマシだと考える傾向にあることがわかりました。

その傾向は男性の方がより強く、男性被験者の3分の2が何も出来ない退屈な環境に我慢できず、刺激を欲して自発的に電気ショックを受けました。女性でも四分の一が同じ行動に出ています。

退屈は痛みより大きな苦しみになる。
その他の実験でも、人が退屈を嫌い刺激を得ようとする傾向が強く存在し、剰え自らを苦痛の中に置く選択をする人まで現れるほど。あなたは何も出来無い退屈な環境に、どれくらい耐えられますか?

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ニューロコンピューターの未来。今までのコンピューターとは何が違うのか?IBMのSyNAPSEチップTrueNorthが実用化

DARPA(米国国防省国防高等研究計画局)が日本円にして50億円以上の支援をし、自身も巨額の予算を投入して遂にIBMが商用レベルのニューロコンピューティングチップ「TrueNorth」の開発に成功した。

数年前よりIBMは、「SyNAPSE」と呼ばれる人間の脳の構造を模倣したチップの開発を進めており、世界で最も進んだニューロコンピューターの開発に成功していたが、商用レベルにはとてもではない到達していなかった。それが、百万個の「デジタル・ニューロン」と2億個千万個の「デジタル・シナプス」を用いることによって、遂に商用レベルで大量生産が可能なチップが完成した。「TrueNorth」は、その商品名となります。

しかし、人間の脳に比べて圧倒的に正確で高速な計算力を持つ今のコンピューターに対して、脳を模したニューロコンピューターチップの何が今までと違うのか?さらに、このチップの登場により、私達の生活はどう変わっていくのだろう?

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マッコウクジラ、大型哺乳類最強の潜水力!ダイオウイカをも食らうその生態に迫る

マッコウクジラといえば、その特徴的な頭部が印象的だ。同じハクジラ類(歯のあるクジラ)に分類される、シャチやイルカとは明らかに違った四角い頭部。クジラというより、人間の作った潜水艦の形にも似ているかも知れない。

それもそのはず。マッコウクジラは海棲哺乳類の中でも潜水能力に特化したクジラであり、特徴的な頭部は超音波を発するソナーとしての役割がある上に、重さを調節して沈降と浮上を助けるバラストとしての機能もあるらしい。

20メートル以上の大きさを持ち、深海を自在に泳ぐことができるのは潜水艦の他には、マッコウクジラしか存在しないだろう。ただし、マッコウクジラの最大深度3000メートルにまで到達できるのは、深海探査艇ぐらいだ。そんな深海の王者、マッコウクジラの潜水能力の秘密に迫っていきたい。

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発光の仕組み、白熱電球・蛍光灯・LEDは何故光るのか?人が作った技術の光

夜でも明るい人間の暮らし。文明が生まれてから、人は様々技術を用いて人の生活に光をもたらして来ました。

数千年間、人は灯りに火を使い、原料は木・油・ガスと変わっていきますが、その基本原理は同じです。しかし、電気という新しいエネルギーが発見され、白熱電球・蛍光灯・LED電気と次々に新たな原理の灯りが発明されました。

これらの電灯は全て電気を使っていると言う点で共通ですが、原理は全てバラバラです。では、それぞれどんな違いがあるのでしょうか?誰にでも理解できるように、簡単に説明していこうと思います。

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エルニーニョ現象(ラニーニャ現象)の仕組みと影響、暑い?寒い?日本では何が起こる?

2014年。今年5月の気象庁の発表では、エルニーニョ現象が6月-7月頃から始まり、日本は冷夏になる可能性があるという発表でした。ところが、新たな発表では、エルニーニョ現象の発生時期が秋ごろにずれ込むという話。この夏は冷夏どころか例年より暑くなる可能性があるそうだ。

エルニーニョ現象と言うのはよく聞く言葉だが、ざっくり言ってしまえば「海水温がいつもより温かい」と言う現象だ。たったそれだけの現象にも関わらず、エルニーニョ現象は異常気象を引き起こす元凶として知られている。

何故、エルニーニョ現象が異常気象を引き起こし、そしてどんな異常気象が起こり得るのか・・・それらについて簡単に説明していきたいと思います。

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うなぎの生態と今後の展望、なぜ養殖が進まず、絶滅危惧種になったのか

国際自然保護連合(IUCN)によって、ニホンウナギが絶滅危惧種(レッドリスト)に加わった。

これが取引規制や漁獲量規制に直結するものではないものの、国際取引を規制する条約である「ワシントン条約」によって、規制される可能性が高まった。条約そのものの拘束力は無いが、日本には「種の保存法」と呼ばれる、条約を順守し野生動物を保護するための法律が存在する。条約により規制されれば、日本でも当然規制が行われる。

確かに日本人は鰻をよく食べるが、鰻は贅沢品であり、日本以外で大量に食べる国も少ない。そんな中、なぜ鰻の数が減り、絶滅危惧種にまでなってしまったのだろうか?

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夏だ!昆虫採集だ!昆虫の習性を理解し、手軽に虫を捕まえよう

夏と言えば、昆虫採集。なんていう人はめっきり少なくなった様に思えます。

虫に興味が無い人なんて論外でしょうし、興味があっても、都市圏では虫が取れるような林も少なくなってきたかもしれません。それでも、暑いからと一日中家に篭ってばかりでは、心身の健康に悪そうです。養老孟司さんも、「昆虫採集で”正気”に戻ろう」と言っています。

虫の生息域は少なくなっていますが、その分、小さな林にも、虫はちゃんと生息しています。生き物を大切にするための子供の学習やご自身の運動も兼ねて、昆虫採集はどうでしょう?虫の習性をよく理解すれば、大げさな装備なんて入りません。家にあるものや、ちょっとした道具で昆虫採集は出来てしまうんです。

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今年も暑い・・・でも実は地球温暖化は緩やか。対策の効果?気温と海水温の関係

興味深い観測結果が明らかになっている。というのは、地球温暖化が緩やかになっていると言うものだ。

1960年-2000年の間に地球の平均気温が0.5℃上昇したのに対して、ここ10年では僅かに0.03℃であり年平均にすれば4分の1以下になっている。別の観測結果では、むしろピーク時より下がっていると言う観測結果まであるほどだ。

世界中の国々が温暖化対策のために様々な施策を打っているが、その効果が出たのだろうか?否、そんなことは無い。と言うか、温暖化対策の効果は10年や20年で出るものではない。では、何故温暖化が緩やかになったのだろうか?

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