潜水艦と聞くと皆さんは何を想像しますか?
水中に潜り息を潜め、誰にも知られずに一撃必殺の魚雷を発射するカッコ良い忍者のような存在だと思うでしょうか?
流線型の美しい船体が静かに海に潜るその姿は、確かに外から見るとカッコ良いかもしれません。ですが、その中での生活はみなさんが思うほど格好の良いものではありません。昔に比べれば随分良くなりましたが、潜水艦乗りの生活と言うのは本当に過酷なのです。
自分と同じ部屋の中に透明人間がいる。
そいつは刃物を持って息を潜め、自分を刺そうと狙っている。部屋のどこにいるか、もしかしたら部屋にいないのかもしれないが、目に見えないのでそれさえわからない。
目はあてにならず、こっそり動くそいつの位置を探るのは、物音に頼るしかない――。
想像すると気味の悪い話だが、こんなことはフィクションでしかありえない。普通ならば空想するのもばからしい、古くさいSF話といえる。
しかし海の戦場にはまさにこの透明人間が存在する。潜水艦だ。
海に潜って目に見えない潜水艦はステルス性を第一に行動し、そのステルス性はさまざまなアドバンテージを潜水艦にもたらす。
そうりゅう型潜水艦のAIP(非大気依存)推進機関には、スターリングエンジンと呼ばれる珍しいエンジンが発電機として搭載されています。
このエンジンは非常に燃費が良く、省エネで排気ガスも少ないエコロジーなエンジンとして近年注目され始めています。しかしその反面、パワー不足やエンジンの大型化などの問題を抱えており、未だに広く普及していません。
そうりゅう型潜水艦でも当初は燃料電池を搭載しようとしていたほどで、スターリングエンジンの採用はある意味仕方なく搭載しただけに過ぎませんでした。現場でもやたら場所を取る割には出力が出ないので使い勝手が悪いと言う不平も上がっているとか。
日本の自動車には燃料電池を搭載している車が既に存在し、ドイツの潜水艦でも燃料電池が採用されています。日本の潜水艦にも搭載できそうなものですが、では何故そうりゅう型には燃料電池ではなくスターリングエンジンが搭載されたのでしょうか?
そうりゅう型潜水艦が世界最高峰の通常動力型(原子力ではない)潜水艦として話題になっているが、その性能というのはどれほどのものなのだろう?
海自の潜水艦はその存在の重要性の割には、イージス艦や空母などの影に隠れイマイチ存在感がない。潜水艦なので海で存在感が全くないのは構わないのだが、陸の上・・・ひいては国民の心の中にも存在感が無いのは残念なことだったりする。
海自と言えば「イージス艦」ですが、そもそもイージス艦と言うのは米国が開発したシステムを使わせてもらっているだけで日本独自の兵器ではありません。しかし、海自のそうりゅう型は日本の技術を結集させた紛れも無く日本独自の最新兵器です。
本記事では、海上では最強のイージス艦ですら恐れる海自の最新型潜水艦について説明していきます。
オーストラリアが日本の潜水艦を買うかもしれないとにわかに話題になっている。実現すれば、戦後初の本格的な完成品の兵器輸出となる。今まで部品や技術の提供はあっても、こう言った完成品の輸出契約は結ばれてこなかったからだ。
しかし、日本国内からは独自技術の機密が外部に漏れる可能性を考えて懸念の声が上がり、豪州国内では国内の防衛産業の雇用が失われると強い批判が上がっている。代替案として考えられているのは、欧州の潜水艦を自国でライセンス生産すると言うもので、自国生産であれば国内の雇用が保たれる。
それでも豪州政府は日本のそうりゅう型潜水艦を輸入するのが最善だと考えているようだ。何故、オーストラリアは自国の産業を犠牲にしてまで日本のそうりゅうに拘るのだろうか?
Uボートといえば大西洋で猛威を振るった有名な潜水艦です。複数のUボートを効率的に運用する群狼作戦によって多大な戦果を上げましたが、ドイツがUボートを海上の戦争の主力にしたのには止むに止まれぬ理由がありました。
ドイツが海を挟んだ先には世界一の海軍を誇る英海軍。ベルサイユ条約による軍縮もあり、脆弱な海軍しか持っていないなかったドイツが打てる手は限られていました。その中でも最良の策は、イギリスと戦わない事。そのため、ヒトラーは出来る限りイギリスを刺激しないように、海軍力をギリギリ削ってしまいます。
しかし、いざ開戦となるとイギリスも宣戦布告。海軍司令部は脆弱な海軍でイギリス海軍に対抗しなければいけなくなります。イギリス海軍を打ち破るのは諦めざるを得ず、少ない戦力で最も効果が高いと考えられるのは補給線の破壊。慌ててUボートの増産命令を出すも時遅く、戦争初期は限られたUボートで作戦を行わなければなりませんでした。
2章では、そんな戦争初期のドイツ海軍の苦難についてゲーリング元帥が語っています。
群狼作戦の発案者として知られるカール・デーニッツ元帥が第二次大戦前からのドイツ海軍の情勢を記した『The Conduct of the War at Sea』は、戦後になってその資料的価値に着目した米海軍情報局によって英訳され海軍内で配布された。
大戦中にはドイツ海軍の司令官を務め、ヒトラー亡き後ドイツの大統領に任ぜられたデーニッツ元帥は、第二次世界大戦前後を通して第三帝国の盛衰を目の当たりにしてきた。彼の目から見た第二次世界大戦、特に大西洋の海上戦闘についてをまとめた本書は単にドイツの敗因を語るに留まらない。
イギリスの海上輸送路への攻撃を主軸に置いたドイツ海軍の活動記録、戦備の推移、活躍また失策などを語る中で、彼は兵站という見知から海軍戦力の重要性を力説している。無人機とミサイルが飛び交い、情報技術が最前線を支える現代の戦争においても、兵站を考える上で海上輸送の重要性は色あせるどころか、一層存在感を増してきている。ドイツの敗因は海上輸送路を破壊するために海軍を有効に機能させられなかったことであり、その原因となった戦前からの認識ミスと準備不足までを含めて、今現在でも通用するような教訓が本書中には散見される。