潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)とは?その対策と北朝鮮の技術力

北朝鮮が中距離弾道ミサイル「北極星2号」発射実験に成功したと報じられました。この北極星2号は元々、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)として開発・実験が続けられていた「北極星1号」(NATOコードネームKN-11)を陸上発射用に転用したものです。

昨年の発射実験成功が大きく報じられた北極星1号ですが、そもそもSLBMとはどういうものなのでしょう?
本記事では世界各国の現用SLBMの種類や運用法を俯瞰しつつ、北朝鮮のSLBM運用について見ていきます。

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意外と重要な「通信手法」「排熱特性」「磁気特性」-潜水艦の機密情報(3)

その1」と「その2」で潜水艦の機密情報において本当に重要な部分は網羅できたかと思います。しかし、潜水艦に関わる情報の中には他にも興味深いものが沢山あります。水中にいながら潜水艦はどのように連絡をとるのか。潜水艦が水中でどのような熱を出すのか。潜水艦が帯びる磁気はどんな影響を与えるのか。

潜水艦の情報としてはそこまで重要ではないけれども無視できない。そんな少し変わった部分について、潜水艦の機密情報についての解説も交えながら、「通信手法」「排熱特性」「磁気特性」について簡単に解説していきたいと思います。

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行動範囲が分かる「潜水深度」「水中速力」「航行時間」-潜水艦の機密情報(2)

潜水艦の能力に関する情報で最も重要なのが隠密性を左右する「雑音特性(静粛性)」と索敵能力に関わる「ソナー性能」であることは前回ご説明しました。しかし、潜水艦の能力に関する情報で重要なものはそれだけではありません。

次に重要なものとして挙げられるのが、「潜水可能深度」「水中速力」「水中行動時間」です。これは潜水艦の作戦能力を分ける重要なポイントで、これに関する情報が敵方に渡ると潜水艦の作戦行動に大きな支障をきたします。本記事ではその理由について、簡単に解説していきましょう。

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「雑音特性」と「ソナー性能」がなぜ重要か?-潜水艦の機密情報(1)

近年、フランス製潜水艦の情報漏洩に留まらず、日本の潜水艦に対する他国のスパイ活動も話題に上るようになりました。潜水艦は既存兵器の中で最も隠密性の高い兵器であり、その隠密性をなによりの武器として戦います。そのため、潜水艦はその居場所や任務を含めたあらゆる情報が極秘とされており、中でも技術情報は特に重要です。

居場所や任務のような時間が経てば価値を失うような一時的な情報とは違い、技術情報はその艦型が退役しない限り有益な情報となります。場合によっては、新型潜水艦にも同じ技術が用いられることもあり、そうなればその情報は新しい艦型に対しても価値を持ちます。そこで、潜水艦に関する情報の中で「どの情報がどれくらい重要なのか」について、全3回に渡って考察していきたいと思います。

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救難飛行艇US-2で潜水艦や海賊と闘う理由、その圧倒的な低速性能

かつては大量に作られた飛行艇ですが、滑走路が整備されるようになった現代では殆ど作られていません。日本、ロシア、カナダ、中国など数えるくらいです。海賊や対潜哨戒に使えると言っても、今ならヘリコプターやジェット機を使えば済む話。

US-2は救難飛行艇として開発され、日本でも離島からの搬送や海難事故での人命救助や人員輸送を目的として運用されています。しかし、US-2の能力が発揮されるのは人命救助の場面だけではありません。海賊との戦いや潜水艦の哨戒にも活躍できるとされています。どうして、時代遅れとされた飛行艇が改めて注目されるのでしょうか?

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そうりゅう型がフランスの潜水艦に負けた理由、国内世論と中国に負けたオーストラリア

コリンズ級潜水艦後継艦問題に決着がつきました。結果はフランスの勝利で、そうりゅう型潜水艦が選ばれることはありませんでした。2014年の当初はそうりゅう型潜水艦が有利とされていましたが、フランスとドイツの参入や国内造船業界の抵抗、中国の圧力や豪州の政権交代が重なり、ある種の番狂わせが起きた形になります。

どうしてそうりゅう型潜水艦が負けてしまったのでしょうか? 勝利したフランスの潜水艦はそれほど優れた潜水艦だったのでしょうか? 何故、日本が誇る最新鋭潜水艦が選定に漏れてしまったのか、原因について探っていきたいと思います。

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そうりゅうの役割と戦術、日本とオーストラリアは潜水艦をどう使うつもりなのか?

日本の通常動力型潜水艦であるそうりゅうは世界でも屈指の潜水艦として知られていますが、日本やオーストラリアは潜水艦をどのように使うつもりなのでしょうか? 

オーストラリアがそうりゅうを使うにしろ使わないにしろ、求める潜水艦の使い方というのは既にあるはずです。また、既にそうりゅうを採用し、今後何十年かは使っていく予定の日本はそうりゅうを今現在運用中です。そこで、本記事では日本やオーストラリアが求めている潜水艦像やその役割について考えて行きます。

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レーダーから隠れる多彩な方法、電波から隠れるステルス技術は一つじゃない – ステルス(2)

ステルス技術と言えば、「対レーダー」というのはもはや当たり前になりつつあります。一昔前であれば、敵から姿を隠すための手法は光学的な欺瞞方法だけで、やることと言えば背景に合わせて機体に色を塗る程度です。しかし、レーダーが進歩してからは如何にレーダーに発見されないかがステルス技術の鍵になり、様々な技術が考えられてきました。

レーダーから隠れると簡単に言うものの、一体どのようなメカニズムでレーダーから姿を隠しているのでしょうか? レーダーから隠れるために使われる様々な技術についてご紹介していきます。

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豪州潜水艦輸出問題、そうりゅうはスウェーデンや英国の助力を得てドイツに対抗

コリンズ級潜水艦更新にあたり、そうりゅう型潜水艦が輸出されるかどうかが大きな話題になっていますが、ドイツやフランスの売り込みを受けて日本もようやく動き出したようです(NewSphere)。

日本のそうりゅう型潜水艦輸出に際して最大の懸念は豪州国内世論の反発でした。というのも、そうりゅうを輸出する場合、日本で建造されて完成品が豪州へ輸出されることになるため、豪州国内の造船業界において雇用が大幅に失われてしまうのです。これに対して、ドイツやフランスは豪州国内での潜水艦建造を認めており、豪州国内の造船業界ではアジアの造船拠点に豪州を選ぶと約束したドイツの216型を特に推しています。

豪州国内の報道機関の中には、日本のそうりゅうが最有力とされていたことから一転して、ドイツの216型を最有力視する見方もあるとのことです。急に形勢が悪くなった日本に残された対抗策は、スウェーデンや英国の軍需産業と協力するという選択肢です。一体、どうしてこれが日本の対抗策となるのでしょうか?

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スコルペヌ型、ゴトランド型、039A型、キロ型、コリンズ型を比較-世界の通常動力型潜水艦を徹底比較!(分析編)

総合力や戦闘力において上位の3種「そうりゅう型、212型、ラーダ型」には及ばなかったものの、「スコルペヌ型、ゴトランド型、039A型、キロ型、コリンズ型」の潜水艦としての性能は侮れません。

世界の通常動力型潜水艦を徹底比較!(ランキング編)」に続く分析編として、本記事では上述の5種についての分析を行っていきたいと思います。

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