「自然」はどこまで「自然」? 遺伝子操作が変える環境保護のあり方

野生の草木や野生の動物など、人間の手を借りなくてもそこにある生物だけで生態系が維持されている環境をわたしたちは「自然のもの」と呼んでいます。

ここでもし人間が「作り出した」生物が生態系に入り込んで増えていき、野生の動植物と混ざり合って維持管理に一役買ったとしたならば、それはどこまで「自然のもの」だと言えるのでしょうか? 

シンセティック環境保護(Synthetic Conservation)という考え方が普及すれば、「自然」の意味が変わってくる未来があるのかもしれません。

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波力発電はバラエティに富んでいた!意外性のある変わった発電のしくみ-発電技術(2)

波力発電という発電方法があります。海の「波の力」を利用して発電するのですが、波の力をどう利用するのかイメージが掴めるでしょうか?潮の満ち引きを利用する「潮力発電」や海流を利用する「海流発電」とは違います。「波の力」ですので、潮の満ち引きで水位が変わるわけでもなければ、海流のように一定方向に進む水の流れがあるわけでもありません。波というのは水の振動です。単なる水の振動をどうやってエネルギーに変えるのでしょう?

実は、水力発電が水流で水車を回すだけなのに対し、「波力発電」の発電方法は非常にバラエティに富んでいます。波力発電とは一体どんな発電方法なのか、その仕組みと合わせて簡単にご紹介していきましょう。

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ダムと水力発電に隠された意外な工夫の数々、魚達のために作られた魚道-発電技術(1)

再生可能な自然エネルギーを使った発電方法は幾つかありますが、その中で最も古くから使われている方法が「水を使った発電」です。ダムを使った水力発電は原理もシンプルで分かりやすく、今でも世界中で使われています。

非常にシンプルな仕組みに見える水力発電ですが、環境を破壊しないようにしつつ効率よくエネルギーを得るための工夫がなされていることはあまり知られていません。水力発電に用いられている意外な工夫について解説していきましょう。

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スモールデータとは?機械の得意なビッグデータとは大きく異なる人間の領域

ビッグデータというワードがあちこちに聞かれるようなりましたが、そこで当然「ビッグがあるならスモールもあるの?」と思うようになります。スモールデータというワードは存在しますが、意外と知られていません。しかし、これは意外と人間にとって大切になってくる領域です。

ビッグデータで扱われるような膨大な情報の取り扱いには機械や人工知能の助けが必須です。一方、スモールデータを効果的に活用する能力は機械にはありません。あったとしてもビッグデータをベースにした情報活用に過ぎず、人間のスモールデータの活用能力には遠く及ばないのです。そこで、そんなスモールデータデータについて簡単に解説していきます。

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人工知能に搭載可能な非常停止ボタンとは?本当に止まる?他に手はない?

Googleが人工知能の非常停止ボタンを開発したとして話題になりました。これなら、もし万が一人工知能が暴走して人類の脅威になったとしても、非常停止ボタンがあるので安心です。とは、さすがにいきませんよね。

SF映画やアニメでは、人工知能や無人兵器が暴れだした時にこの手の非常停止ボタンを押しても止まらないのがお約束。果たしてこのような「停止装置」というのは人工知能に対してどれほどの効果があるのでしょうか? また、非常停止装置にはどのようなものが考えられるのでしょうか?

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10回クイズの不思議なメカニズム!引っかかるのは脳の成長に関連がある?5歳児がひっかからない意外な理由

10回クイズと言えば、「ピザと10回言って」と相手に「ピザ」を10回言わせた後で、「ヒジ」を指差して「ここは?」と聞いて「ヒザ」と言わせるひっかけクイズのこと。大人や学生の多くが一度引っかかるクイズですが、某バラエティ番組の検証で「5歳から5歳の子供15人に試して誰も引っかからなかった」という結果が出て驚かされました。

検証方法に問題があった可能性もありますが、極めて簡単なクイズですし、検証を行った幼稚園で流行っていたわけでもなさそうです。これは「子供の脳」に何らかの関係がありそうなので、簡単に調べてみました。

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ディープラーニングで人工知能が会話をするしくみ、人間と自然な会話を成り立たせるために機械は結構必死だった

ディープラーニングの特徴抽出能力を応用して、様々なチャット用の人工知能が開発されました。マイクロソフトの「りんな」や「Cortana」、Appleの「Siri」、GoogleもAlloというメッセージアプリにも会話用のAIが搭載されています。高度な会話用のAIには必ずと言って良いほどディープラーニングが搭載されるようになっているわけです。これは一体、どうやって会話しているのでしょうか? 

そして、彼らの会話は人間の会話と比較すると何が似ていて何が違うのでしょうか? 技術的な部分を詳しく説明するのは容易ではありませんが、大まかな仕組みについて簡単に説明しながら比較してみましょう。

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言語習得と社会的要素の関係はいかほど? ソーシャルゲーティング仮説のあらまし

数学を勉強するには本があればいい。

物理科学、社会学、経済学等々も基本は同じことで、本ないし講義の動画やスライドがあれば勉強は十分可能です。生きた他者から教わることは、不可欠の条件ではありません。

では、言葉はどうでしょう?

これは意見の分かれるところだと思います。外国語を学ぶのに、書籍を主に使って学んだ人、他人と会話する中で学んでいった人、最近だと動画サイトなどでもレッスン用の動画があったりもして方法はさまざま、一概に言い切れないことでしょう。

しかし幼児が言葉を習得するのは、少し話が違ってくるようです。最近の研究で、幼児の言語習得には生きた他者とのやりとりが大きな役割を果たしていることが示されつつあります。

幼児の言語習得に社会的要因が欠かせないとする考えは”ソーシャルゲーティング仮説”と呼ばれ、これまで幾つもの実験が行われてきました。

社会的要因がいったいどのように言語習得に関わってくるのか、それを見ていきましょう。

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幼児の言語習得を促すバイアス 認知や判断を歪めるだけでない、学習をスピードアップさせるための使い方

バイアス、偏見と聞けばよいイメージは湧いてきません。
人種的偏見や差別から来る紛争やトラブルは世界中に数多く、学術研究の世界でも、実験データの分析や結論の立て方の中にバイアスが入り込めば、それはものごとを正しく理解する妨げになってしまいます。
一般的な認識では、バイアスはできるだけ排除すべきものです。

しかしバイアスは悪いだけのものでしょうか?
幼児期の言語習得に関する研究の中で、人間が言語を学習する過程ではさまざまなバイアスが働いていることが知られています。
それは言語の習得を妨げるものなのでしょうか? どうやら必ずしもそうではないようです。
幼児の言語習得に関連するいくつかのバイアスはどのように作用するのでしょうか。そして、それは言語習得という過程の中でどんな役割を果たしているのかを見ていきます。

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赤ん坊は喋る「練習」をする? 生後1年未満での脳の働きと変化を見る

グローバル化という観念がすっかり定着し、あえて話題にされることは減りましたが、日本の義務教育でも英語学習の早期化が図られるなど、外国語教育への関心は一層高まっています。

外国語教育の話になるとよく聞かれるのが、ある年齢を過ぎると外国語を習得するのが困難になる、ということ。
これは臨界期仮説と呼ばれています。
言語習得に適した年齢は
3歳までとも5歳までとも言われ、確たる証明はありませんが、外国語の早期教育を重要視する意見の大きな根拠となっているのは確かでしょう。

この臨界期仮説は元々、外国語ではなく母国語の習得過程を研究する上で生まれた概念です。
近年の観測機器の発達に伴い、幼児が言語を習得する過程の研究は過去
10年で飛躍的な進歩が見られました。

最新の観測機器を使った調査により、赤ちゃんは言葉を発しないうちからすでに発音の「練習」をしていること、そしてまた、赤ちゃんの脳には生後1年以内に大きな変化が起きることがわかっています。
赤ちゃんが喋らないうちからどうやって発音の練習をするのか、また生後1年以内に起こる変化とは何か、それを見ていきたいと思います。

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