「小腸の栄養吸収」:吸収の絨毛と消化の腸液、空腸と回腸の違いとは?-消化器官のしくみ(6)

前回の記事では、十二指腸の機能について扱いました。短い器官でありながら、食物の流入と同時に強力な消化液である膵液を分泌すると言うのは、その後に食物が流れる小腸において非常に重要な役割を果たします。

小腸といえば消化吸収を行う、全長数メートルに及ぶやたらと「長い」器官です。そして実は、「消化」においては最終工程を担当する器官でもあります。一方、小腸に続く大腸では「消化」は殆ど行われません。吸収においても、小腸で大半の栄養素が吸収されるようになっています。

小腸は一般に「空腸」と「回腸」分けられますが、これらについてもご説明していきます。

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「十二指腸と膵液」:全ての栄養素を消化する器官と胆汁の変わった機能-消化器官のしくみ(5)

消化器官の中である意味最も地味なポジションでありながら、消化吸収では最も重要な器官とも言えるのが十二指腸。

十二指腸と言うのは、小腸と胃の中間に当たる短い腸っぽい器官のこと。見るからに腸の一部でしかないにもかかわらず、胃酸の中和や三大栄養素すべての消化に聞く消化酵素を分泌する場所であり、膵臓・胆嚢・肝臓と直接繋がっている部位と言う特性上、各種疾患時に症状が現れやすい箇所でもあります。

腸という名の通り、栄養吸収のための絨毛が存在し、基本的には小腸の一部です。しかし、膵液や胆汁が分泌されるという点を鑑みても、明らかに他とは違う器官といえます。十二指腸について、もう少し詳しく掘り下げてみましょう。

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「胃と胃酸」:胃液と消化酵素、胃が溶けない理由とは?-消化器官のしくみ(4)

で噛み砕かれ、唾液に混ぜられ、咽喉と食道を通った食べ物は遂に胃へとたどり着きます。

胃というのは、体内の中でも非常に異質な場所と言えます。というのも、胃で分泌される胃酸は人体そのものを破壊するほど強力な酸を持っていて、微生物や食物を胃酸や胃から分泌される酵素などで分解します。

胃があるから人は食べ物を消化でき、食物内の微生物や細菌に侵されずに安心して食べ物を食べられるのです。そんな胃のしくみについて、簡単にご説明していきましょう。

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「食道と咽(喉)」:何故食べ物が詰まるのか?気管と繋がっている理由とは?-消化器官のしくみ(3)

口で噛み砕かれた食べ物は、唾液に混ぜられ食道に流し込まれます。ところで、食道と言うのはただ食べ物が通るだけの管と言うだけなのでしょうか?水道管の様に中空の管が口から胃まで伸びているだけでしょうか?

それは違います。食道には筋肉があり、食べ物を能動的に胃に送ることが出来ます。にも関わらず、食べ物は喉や食道の途中で詰まることがあります。さらに、食道を通るのは食べ物だけですが、口と食道と繋ぐ「のど」の部分では吸った空気が通れる様になっています。

ちなみに、「のど」には、「喉」と「咽」で二つの字が当てられていますが、それぞれ意味が少し違います。知っているようで知らない「のど」や食道、一体どうなっているのでしょう。

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「唾液(腺)と口の中」:炭水化物の消化や口内殺菌を行う-消化器官のしくみ(2)

「歯」は食べ物を噛み砕く器官でしたが、その中で歯を健康に保つために唾液が重要な役割を果たしていたこともわかりました。しかし、唾液と言えば忘れてはいけないのが、消化剤として、円滑剤としての働きです。

唾液はあくまで唾液腺からの分泌液ですので、消化器官と言うわけではありません。とは言え、唾液腺について語ることは唾液について語る事と同義です。ですので、本記事では唾液の働きについて扱っていきます。

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「歯と虫歯」:消化を助ける最初の器官、虫歯菌とどう戦う?-消化器官のしくみ(1)

人は毎日当たり前の様に、何の疑いもなく食べ物を口の中に入れています。口の中に入った食べ物は口で細かく噛み砕かれ、唾液に混ぜて緩やかになったところで食道に流されます。

では、口の中にはどのような器官があって、そこで何が起きるかご存じですか?多分、子供でも知っているでしょう。歯があって、舌があって、唾液腺から唾液が出る。その通りです。しかし、案外知っている様で知らない事も沢山あるもの。

虫歯は何故起こるのか、唾液にはどんな機能があるのか。また、昔から「ご飯はよく噛んで食べなさい」と言われますが、お米の様な柔らかいものを何故何度も噛まなければいけないでしょう?

知っているようで知らない歯について、本記事で簡単にご説明していきます。

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消毒がダメな理由。細菌の働きと消毒液の正しい使い方-傷の治療(後編)

前編では傷の治り方についての説明と、乾燥療法や湿潤療法についてご説明しました。

乾燥療法と湿潤療法の間には基本的に乾燥させるか湿らせるかの違いしかありません。しかし、湿潤療法が注目されると同時に、傷の治療に関して、消毒の是非についても議論されるようになりました。

湿潤療法が体内の細胞の修復能力を最大限活かすためのものであるならば、消毒はそれを阻害するのではないか。そうであるなら消毒しないほうが傷の治療には効果的ではないのだろうか?

と言う観点からです。実際、最近では傷口に消毒液や軟膏を塗りつけるような治療は減っています。結局のところ、消毒の影響とはいったいなんなのでしょうか?

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怪我の治り方について、乾燥療法?湿潤療法?それぞれの特徴と細胞たちの働き-傷の治療(前編)

皆さんは怪我がどのようにして治るのかご存じでしょうか?

線維芽細胞についての記事で、傷や細胞の損傷を修復するのに「線維芽細胞」が重要な役割を果たしているとご説明しましたが、傷の修復は線維芽細胞だけで行われるのではありません。血小板、リンパ球、白血球など様々な細胞(及び成分)が協力しながら怪我が治っていくのです。

傷を乾燥させない湿潤療法などが取り上げられるようになって久しいですが、何故消毒がダメなのか、乾燥療法ではなく湿潤療法が優れているかについても合わせてご説明していきます。

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線維芽細胞とは?iPS細胞の原料にもなり、皮膚・筋肉・骨にまで変わる人が元来持つ万能細胞

線維芽細胞と言う細胞の名前を聞いたことがあるでしょうか?

聞き覚えのある人は、おそらくiPS細胞や再生医療関連のニュースで聞いたことがあるのではないか思います。線維芽細胞は傷や人体組織の修復と密接な関わりがある細胞であり、人体のありとあらゆる場所に存在します。

怪我などをした際には、非常に重要な役割を担う細胞修復の要とも言える細胞なのですが、傷を直すと言えば「血小板」が真っ先に出てくるように、線維芽細胞の働きについてはあまり良く知られていません。本記事では、そんな線維芽細胞について簡単にご説明していきたいと思います。

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プラシーボ(プラセボ)効果を除外したい!米国の製薬会社が遺伝子情報での選別試験を研究中

プラシーボ効果。日本語では偽薬効果とも呼ばれるが、所謂「薬を飲んだからきっと効く」と言う思い込みから、痛みや神経症が直ってしまう効果の事だ。プラシーボ効果は精神的な作用であるため、効果があるのは痛みや精神症状の軽減程度だと思われがちだが、脳内物質の分泌量が変化することで血液の組成が変わり、腎臓や肝臓の疾患にも影響があることが知られている。

国内では殆ど見られないが、海外の医療機関の中では積極的に偽薬効果を狙った治療を行う機関も存在している。どんな薬が効くか分からないような患者にも一定の割合で効果があるため、偽薬であっても薬になるのだ。

それなら良いことの様に思えるが、プラシーボ効果で非常に大きな不利益を被っている会社がある。それは製薬会社だ。

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